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title: "バンク・オブ・アメリカ、ペイパルを「売り」に 目標株価53ドル、取締役会が拒んだ買収提案60.5ドルを7.5ドル下回る"
description: "バンク・オブ・アメリカは10月15日、ペイパルの投資判断を「アンダーパフォーム」(売り相当)で再開し、目標株価を53ドルに定めた。決済処理部門のブレイントリーをブランド決済ボタンから切り離して運営すれば、加盟店を失うか、利益率を失うかの二者択一を迫られる——それが売り判断の根拠だ。同じ日、ペイパルはAIショッピングアプリ「Glance」との独占的な決済提携を発表し、グーグルも検索内に自前のカートを投入した。AIエージェントが買い物をするとき、どのウォレットが支払うのか。その攻防の口火が切って落とされた。"
publisher: "The Inference"
section: "Markets"
published: 2026-10-16T21:14:32.396Z
modified: 2026-10-16T21:14:32.396Z
canonical: https://theinference.org/article/bofa-rates-paypal-a-sell-with-a-53-target-7-50-under-the-60-50-bid-the-board-turned-away/ja
language: ja
keywords: "Markets, Payments, Wall Street, AI, E-commerce"
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# バンク・オブ・アメリカ、ペイパルを「売り」に 目標株価53ドル、取締役会が拒んだ買収提案60.5ドルを7.5ドル下回る

> バンク・オブ・アメリカは10月15日、ペイパルの投資判断を「アンダーパフォーム」(売り相当)で再開し、目標株価を53ドルに定めた。決済処理部門のブレイントリーをブランド決済ボタンから切り離して運営すれば、加盟店を失うか、利益率を失うかの二者択一を迫られる——それが売り判断の根拠だ。同じ日、ペイパルはAIショッピングアプリ「Glance」との独占的な決済提携を発表し、グーグルも検索内に自前のカートを投入した。AIエージェントが買い物をするとき、どのウォレットが支払うのか。その攻防の口火が切って落とされた。

[バンク・オブ・アメリカ](https://theinference.org/markets/companies/bank-of-america)のアナリスト、マシュー・オニール氏は[10月15日、決済6社の投資判断を再開](https://finance.yahoo.com/markets/stocks/articles/bofa-restarts-payments-coverage-backs-134256928.html)し、[ペイパル](https://theinference.org/markets/companies/paypal)に最下位の評価を与えた。銀行向け処理と加盟店向け処理を今も併せ持つ最後の大手プロセッサーである[フィサーブ](https://theinference.org/markets/companies/fiserv)とともに、「アンダーパフォーム」(同行の「売り」に相当)に据えた[1]。FIS、[グローバルペイメンツ](https://theinference.org/markets/companies/global-payments)、[トースト](https://theinference.org/markets/companies/toast)には「買い」を付けた[1]。オニール氏はペイパル株を、直近利益の約9倍と割安だとみる。それでも「業績の侵食を緩める材料はほとんど見当たらない」とする[1]。

同じ15日、ペイパルは[AIショッピングアプリ「Glance」内で唯一のネイティブ型決済になると発表](https://finance.yahoo.com/technology/ai/articles/glance-paypal-bring-ai-powered-150200338.html)した。Glanceはテクノロジー企業インモビが後ろ盾で、6000万台超のスマートフォンとコネクテッドテレビにプリインストールされている[2]。グーグルも[10月15日、「ユニバーサル・カート(Universal Cart)」の米国での提供を開始](https://thenextweb.com/news/google-universal-cart-us-only-eu)。検索とAIアプリ「ジェミニ」の中に設けたカートには600億点の商品が並び、支払いはグーグルペイが受け持つ[3]。

## 買収団とともに消えた「下値の支え」

決済ソフトウェア企業の[ストライプ](https://theinference.org/markets/companies/stripe)と投資ファンドのアドベント・インターナショナルは7月、[1株60.5ドルでの現金買収を提案](https://www.cnbc.com/2026/07/15/stripe-advent-offer-to-buy-paypal-for-more-than-53-billion-reuters.html)した。コミット済みの銀行融資約500億ドルを前提にペイパルを約530億ドルと評価する内容で、決済会社の[ブロック](https://theinference.org/article/block-s-square-prices-its-ai-kiosk-at-1-999-plus-99-a-month-as-toast-falls-3-37)も出資に加わった[4]。ペイパルの取締役会はより高い価格を求めて譲らず、買収団は8月28日に手を引いた。[株価は最大16%下落](https://www.forbes.com/sites/fionariley/2026/08/28/paypal-plunges-15-after-reports-that-advent-stripe-abandon-53-billion-bid/)して約53.74ドルまで下げた[5]。オニール氏の目標株価は今、もはや存在しない「下値の支え」より7.5ドル下にある。同社は2021年のピーク時、時価総額約3560億ドルだった[5]。

## ブレイントリーに潜む罠

ブレイントリーはペイパルのブランドを冠しない決済処理部門で、取引量を稼ぐために低く値付けされている。利益を生むのはブランド決済ボタンの方だ。3月に経営トップに就いた[エンリケ・ロレス](https://theinference.org/markets/people/enrique-lores)氏(元[ヒューレット・パッカード](https://theinference.org/markets/companies/hp)最高経営責任者)のもと、ペイパルはブランド決済、決済処理、個人間送金アプリ「ベンモ」(Venmo)の3事業に再編し、2027年からはそれぞれをセグメントとして個別に開示する[6]。バンク・オブ・アメリカは、この分離によってブレイントリーの価格が露呈するとみる。値上げすれば加盟店が決済ボタンを外す恐れがあり、据え置けばマージンの流出が続くためだ[7]。

[4~6月期の決算がその構図を示した](https://admiralmarkets.com/education/articles/shares/paypal-stock-forecast)。総決済額(TPV)は10%増の4864億ドルとなったが、トランザクションマージン額は1%増にとどまり、トランザクションマージン率は44.9%に低下した。ブランド決済は2%増、処理取引は13%増だった[6]。売上高の前年同期比伸び率は直近8四半期、いずれも1.2~7.3%の間にとどまっている[8]。

*Chart: **ペイパルの売上高伸び率は2年間、1.2~7.3%で足踏み** 2024年7~9月期から2026年4~6月期までの8四半期にわたるペイパルの売上高前年同期比伸び率(1.2~7.3%の間で推移)を示す折れ線グラフ*

*四半期別の売上高前年同期比伸び率(%)。出典:ペイパルが米証券取引委員会(SEC)に提出した四半期資料(2026年10月16日取得) [8]*

*Chart: **利益の稼ぎ頭は2%増、低マージンの処理は13%増** 2026年4~6月期のペイパル3事業の総決済額前年同期比伸び率を比較する棒グラフ。ブランド決済2%、ブレイントリーの決済処理13%、ベンモ14%*

*事業別の総決済額前年同期比伸び率(2026年4~6月期、%)。出典:ペイパルの2026年4~6月期決算発表資料をアドミラルズが編集(2026年10月1日) [6]*

## レポートが織り込まない戦争

レポートはウォレットそのものには触れていない。支払い情報を登録済みの口座は[ペイパルが4億超](https://www.a16z.news/p/wallet-wars)に対し、ストライプのウォレット「Link」は約3億、[ショッピファイ](https://theinference.org/markets/companies/shopify)の「Shop Pay」は2億5000万とされる[9]。ペイパルの集計でも、アクティブ口座は6月末時点で4億3900万に上る[6]。

「Link」と「Shop Pay」はすでに、[メタ](https://theinference.org/markets/companies/meta)のAIアシスタント「ミューズ」と、もう一つのAIエージェント「Instinct」の決済を受け持つ。多くは、買い物客の代わりに購入する使い捨て型のバーチャルカードを発行する方式で、消費者と店舗のつながりを断ち切ってしまう[9]。ミューズは9月8日、ウォレットにLinkを据えて始動した。ペイパルとの提携の発表は、その2週間後の9月22日だった[6]。ペイパルの切り返しは10月15日に打ち出された。Glance内で唯一のネイティブ型決済の座を獲得したのに加え[2]、[グーグル](https://theinference.org/markets/companies/alphabet)のAIエージェント決済プロトコルでは60社を超えるパートナーの一員に名を連ねた。ただし、ユニバーサル・カートで実際の支払いを処理するのはグーグルペイである[3]。

*Chart: **AIエージェント決済でペイパルが持つ唯一の強み、最大のカード登録ウォレット** 支払い情報の登録規模で各ウォレットを並べた棒グラフ。ペイパル4億、ストライプLink 3億、ショッピファイShop Pay 2億5000万*

*登録済み支払い情報を持つユーザー数(100万人単位)。ペイパルは4億超と計上。出所:テリー・アンジェロス「ウォレット戦争」(a16z.news、2026年10月) [9]*

## 「第二幕」に必要な数字はまだない

決済企業VGSの最高戦略責任者(CSO)、テリー・アンジェロス氏は、ベンチャーキャピタル[a16z](https://theinference.org/markets/companies/a16z)が運営するメディアに「ウォレット戦争」と題する論考を書いた。その中で氏は「勝つウォレットに最も美しい決済画面は必要ない。エージェントがペイパルに第二幕を与えるかもしれない」と認めている[9]。規模は本物だ。数字はまだない。ミューズとの提携もGlanceとの連携も収益を開示しておらず、経営陣はエージェント経由の決済が意味を持ち始めるのは2028年以降とみる。一方、バンク・オブ・アメリカが織り込む侵食は月単位の話だ[6]。

## 10月27日に決まること

ペイパルは10月27日に第3四半期決算を発表する。経営陣が9月に示した自社見通しでは、ブランド決済の伸びは1~2%とされる[6]。焦点は一つの分岐だ。AIエージェント経由の購入がブランド決済の取引高として計上されるのか、それともブレイントリーの安価な決済処理が今後も速いペースで伸び続けるのか。

## Takeaway

バンク・オブ・アメリカの売り判断が織り込むのはブレイントリーの利益率圧迫で、ウォレット戦争ではない。AIエージェント経由の買い物がペイパルを救うかどうか、本当の試験は10月27日の決算説明会で問われる。

## Sources

1. [Investing.com via Yahoo Finance, "BofA restarts payments coverage, backs FIS, Global Payments and Toast", 15 October 2026](https://finance.yahoo.com/markets/stocks/articles/bofa-restarts-payments-coverage-backs-134256928.html)
2. [Business Wire via Yahoo Finance, "Glance and PayPal Bring AI-Powered Shopping and Checkout to Tens of Millions of U.S. Consumers", 15 October 2026](https://finance.yahoo.com/technology/ai/articles/glance-paypal-bring-ai-powered-150200338.html)
3. [The Next Web, "Google launches Universal Cart in the US, with checkout built into Search and the Gemini app", 16 October 2026](https://thenextweb.com/news/google-universal-cart-us-only-eu)
4. [CNBC, "Stripe, Advent make $53 billion takeover offer for PayPal, sending stock soaring", 15 July 2026](https://www.cnbc.com/2026/07/15/stripe-advent-offer-to-buy-paypal-for-more-than-53-billion-reuters.html)
5. [Forbes, "PayPal Plunges 15% After Reports That Advent, Stripe Abandon $53 Billion Bid", 28 August 2026](https://www.forbes.com/sites/fionariley/2026/08/28/paypal-plunges-15-after-reports-that-advent-stripe-abandon-53-billion-bid/)
6. [Admirals, "PayPal Stock Forecast 2026: PYPL Outlook Ahead of Q3 Earnings", 1 October 2026](https://admiralmarkets.com/education/articles/shares/paypal-stock-forecast)
7. [GuruFocus via TradingView, "BofA Just Delivered Bad News for PayPal Stock Fans", 15 October 2026](https://www.tradingview.com/news/gurufocus:1a88d8fc6094b:0-bofa-just-delivered-bad-news-for-paypal-stock-fans/)
8. [PayPal, quarterly figures from its SEC filings, retrieved 16 October 2026](https://www.sec.gov/cgi-bin/browse-edgar?action=getcompany&CIK=0001633917)
9. [Terry Angelos, "Wallet Wars", a16z.news, 15 October 2026](https://www.a16z.news/p/wallet-wars)


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バンク・オブ・アメリカ、ペイパルを「売り」に 目標株価53ドル、取締役会が拒んだ買収提案60.5ドルを7.5ドル下回る — The Inference. Canonical: https://theinference.org/article/bofa-rates-paypal-a-sell-with-a-53-target-7-50-under-the-60-50-bid-the-board-turned-away/ja
