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title: "AI電源増強の費用を賄うため、米電力・ガス会社が規制当局に求めた値上げ額が過去最高の231億ドルに"
description: "投資家所有の電力・ガス会社が直近の7~9月期に規制当局へ申し立てた値上げ額は45億ドルと、四半期として過去最高を記録した。データセンターが牽引する電源増強の資金を賄うためで、年初からの累計は231億ドルに達する。シカゴではこのほど、判事らがピープルズ・ガスの当初申請額の3分の1にとどまる金額を推奨した。"
publisher: "The Inference"
section: "Power"
published: 2026-10-10T19:01:39.567Z
modified: 2026-10-10T19:01:39.567Z
canonical: https://theinference.org/article/utilities-asked-regulators-for-a-record-23-1-billion-in-rate-hikes-this-year-to-fund-the-ai-power-buildout/ja
language: ja
keywords: "Utilities, Data Centers, Rate Regulation, Energy Costs"
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# AI電源増強の費用を賄うため、米電力・ガス会社が規制当局に求めた値上げ額が過去最高の231億ドルに

> 投資家所有の電力・ガス会社が直近の7~9月期に規制当局へ申し立てた値上げ額は45億ドルと、四半期として過去最高を記録した。データセンターが牽引する電源増強の資金を賄うためで、年初からの累計は231億ドルに達する。シカゴではこのほど、判事らがピープルズ・ガスの当初申請額の3分の1にとどまる金額を推奨した。

## 2億200万ドルの申請への答えは6600万ドル

シカゴのガス需要家89万8000人超にとって、この冬の数字は6600万ドルだ[2]。[イリノイ州の行政法判事らは、ピープルズ・ガスが来年、この額を料金に上乗せできるとの判断を示した](https://chicago.suntimes.com/business/2026/10/08/peoples-gas-rate-hike-icc-regulatory-judges-recommendation)。同社が7月に求めていた1億4400万ドル、1月に申請していた2億200万ドルからは大きく減る[1][2]。1億4400万ドル案なら、2027年から平均的な家庭で月7~8ドルの請求増になる見通しだった。判事らの勧告額ならいくらになるか、同社はまだ試算を示していない[2]。イリノイ州商務委員会(ICC)が来月、最終決定を下す[1]。

## 申請額は四半期として過去最高

この勧告は、申請額が過去最大となった四半期に下された。[市民団体パワーラインズ(PowerLines)](https://powerlines.org/)が[7~9月期に申し立てられた電力・ガスの値上げ額を45億ドルと集計した](https://www.utilitydive.com/news/q3-electric-gas-rate-requests-powerlines-analysis/832609/)。1年前の2倍以上で、2026年の累計を231億ドルに押し上げた[3][4]。この四半期の申請だけで、将来の請求額への影響が及びうる需要家は4550万人にのぼる[4]。

個別案件で最大なのは[ファーストエナジー傘下のジャージー・セントラル・パワー・アンド・ライト](https://theinference.org/markets/companies/firstenergy)だ。配電基本料金として2億5300万ドルの値上げに、繰り延べてきた暴風対応費用4億7600万ドルの回収が加わる。2028年から家庭の電気料金が8.8%上昇する内容である[3]。[電気料金は4月までの1年間で7.3%上昇した](https://gcn.com/rate-increase-requests-utilities-filed-record/22116/)。2021年以降にほぼ40%値上がりしたうえでの伸びだ[3][5]。

*Chart: **値上げ申請額は2025年に2倍超へ急増、あと1四半期を残した2026年も迫る** 米電力・ガス会社の年間値上げ申請額を示す棒グラフ。2024年の150億ドルから2025年は310億ドル、2026年は第3四半期までで231億ドルへ増加している*

*投資家所有の電力・ガス会社が申し立てた年間の値上げ額(パワーラインズ集計)。2026年は第3四半期までの申請分。出典:Utility Dive 2026年10月9日付、GCN 2026年10月2日付 [3][5]*

## 一つの企業グループが帳簿の両側に

こうした資金がAI時代の電力網を築いており、その両端には一つの企業グループがいる。ピープルズ・ガスの親会社、[WECエナジー・グループ(WEC Energy Group)](https://theinference.org/markets/companies/wec-energy-group)は昨年、16億ドルの利益を計上した[1]。傘下のウィスコンシン州の電力会社ウィエナジーズ(We Energies)は先週、出力75万キロワットのフォックスノース・エネルギーセンター(Fox North Energy Center)の工事計画を提出した。環境団体の集計では、約2年の間に同州で持ち上がったガス火力発電所の建設計画はこれで7件目となる[7]。

[州の報告書案では、ウィスコンシン州の電力需要は3つの大規模データセンターを背景に2032年までに40%増える](https://www.wpr.org/news/we-energies-plans-new-750mw-natural-gas-plant-in-fox-valley)。ガスが州内の電力の約半分を供給し、石炭は3%程度に縮む見通しだ[7]。新設プラントがデータセンターのいずれかに直接電力を供給するかどうかは、ウィエナジーズは明らかにしていない[7]。

[ドミニオン・エナジー(Dominion Energy)](https://theinference.org/markets/companies/dominion-energy)によると、2031年までの送電設備への新規投資75億9000万ドルのうち、約68%はデータセンターの成長がけん引しているという[5]。[業界は2029年までに1兆1000億ドル超の設備投資を計画しており](https://powerlines.org/reports/)、パワーラインズの集計では2030年までに1兆4000億ドルに達する[3][6]。メガワットを手にするのはデータセンター。ローンを背負うのは需要家だ。

## 規制当局の「ヘアカット」は深まる一方

規制当局が申請を丸ごと却下することはほとんどないが、削る幅は深まり続けている[5]。[エクセル・エナジー(Xcel Energy)](https://theinference.org/markets/companies/xcel-energy)はコロラド州に3億5600万ドルの値上げを求め、認められたのは1億5700万ドルだった[5]。ミネソタ州では、[州の規制委員会がエクセルの許容自己資本利益率(ROE)を9.25%から9.6%へ引き上げた](https://gcn.com/return-on-equity-minnesota-attorney-general/21981/)。市民団体の試算では年3400万~3500万ドルに相当し、この決定を覆すよう求める州検事総長の申し立ては10月19日が期限だ[8]。

*Chart: **ピープルズ・ガスの申請は2億200万ドル、判事の勧告は6600万ドル** ピープルズ・ガスの値上げ申請額が、1月の申請時2億200万ドルから7月の減額後1億4400万ドル、判事の勧告で6600万ドルへと下がる経緯を示す棒グラフ。*

*イリノイ州でのピープルズ・ガスの料金案件の各段階。判事による金額は行政法判事の決定案(勧告)で、イリノイ州商務委員会(ICC)の最終決定を待つ。出典:シカゴ・サンタイムズ 2026年10月8日付、シカゴ・トリビューン(Yahooニュース経由)2026年10月7日付 [1][2]*

同じ傾向は株価にも表れている。電力・ガス会社は、規制当局が認可したインフラ設備に対して許容リターンを得る仕組みで、ヘアカットが深いほど、設備投資主導の成長ストーリーを支える収益基盤が痩せていく[8]。ICC流の切り詰めが全米に広がれば企業価値にどう響くかを定量化した情報源はなく、影響が大きいのは、成長を審査中の最大級の値上げ申請に掛けている企業だ。

## 電力会社は「安定供給」、有権者は「負担」

エジソン電気協会(Edison Electric Institute)は、すべての値上げ申請が厳格な審査を受けていると強調する[3]。ピープルズ・ガスも防御の中で判事ら自身の決定案を引き合いに出す。老朽ガス管1000マイル(約1600キロ)の撤去は「拘束力のある安全上の義務」であって、裁量的な事業ではない――という主張だ[1][2]。どちらの主張も正しくありうる。ただ、政治の風向きは変わりつつある。マーキェット大学の世論調査では、ウィスコンシン州の有権者の74%がデータセンターのコストは便益を上回ると回答し、エネルギー料金をめぐる負担の問題は来月の中間選挙の争点になっている[9][3]。

## 雛形の値段は11月に決まる

注目すべきは削減幅の大きさだ。[ピープルズ・ガスはつい最近の2023年11月にも3億300万ドルの値上げを勝ち取っている](https://www.yahoo.com/news/us/articles/icc-judges-recommend-slashing-proposed-183800773.html)。だからこそ、判事の勧告である6600万ドルと最終決定の差がものをいう[2]。

先回りの選択肢はすでに見え始めている。エクセル・エナジーのミネソタ州事業は10月9日、[2027年と2028年の基本電気料金を据え置く申請](https://www.tipranks.com/news/company-announcements/xcel-energy-proposes-minnesota-electric-rate-freeze-plan)を提出した。財源は料金案件ではなく、蓄電池向け税額控除の前倒し活用だ[10]。[オラクル(Oracle)](https://theinference.org/markets/companies/oracle)も同じ理由で動いた。資金力の厚い顧客が料金をめぐる攻防の前に立つ形で、[ポイントビーチ原発で2033年までに膨らむエネルギーコスト約3億ドルを吸収することを確約した](https://www.wpr.org/news/oracle-deal-we-energies-utility-customers) [9]。

AIを支える電力整備は現実にある。だがその資金源は米国の電気・ガス料金であり、その請求書が今度は票を通じて意思表示を始めた。

## Takeaway

規制当局は過去最多の値上げ申請ラッシュを次々と認可する一方、削る幅は一段と深くなっている。AI電源増強の費用がどれだけ請求書にのるかは、11月の裁決と中間選挙が決める。

## Sources

1. [Chicago Sun-Times, "Peoples Gas rate hike should be cut in half, ICC regulatory judges say," 8 October 2026](https://chicago.suntimes.com/business/2026/10/08/peoples-gas-rate-hike-icc-regulatory-judges-recommendation)
2. [Chicago Tribune via Yahoo News, "ICC judges recommend slashing proposed $144 million Peoples Gas rate increase by more than half," 7 October 2026](https://www.yahoo.com/news/us/articles/icc-judges-recommend-slashing-proposed-183800773.html)
3. [Utility Dive, "US electric, gas utility rate requests spike to $4.5B in Q3: PowerLines," 9 October 2026](https://www.utilitydive.com/news/q3-electric-gas-rate-requests-powerlines-analysis/832609/)
4. [PowerLines, "Utilities Request $23.1 Billion in Rate Increases Through Third Quarter of 2026," 7 October 2026](https://powerlines.org/)
5. [GCN, "US utilities filed a record $9.2 billion in rate increase requests in Q2 2026, with more than 56 million customers facing higher bills," 2 October 2026](https://gcn.com/rate-increase-requests-utilities-filed-record/22116/)
6. [PowerLines, "Reports: Utility Bills Are Rising and Utility Spending is Rising" (capex analysis), accessed 10 October 2026](https://powerlines.org/reports/)
7. [Wisconsin Public Radio, "We Energies plans new 750MW natural gas plant in Fox Valley," 9 October 2026](https://www.wpr.org/news/we-energies-plans-new-750mw-natural-gas-plant-in-fox-valley)
8. [GCN, "Minnesota attorney general and consumer board challenge Xcel Energy's 9.6% return on equity," 27 September 2026](https://gcn.com/return-on-equity-minnesota-attorney-general/21981/)
9. [Wisconsin Public Radio, "Oracle reaches deal with We Energies that's slated to save utility customers $300M," 6 October 2026](https://www.wpr.org/news/oracle-deal-we-energies-utility-customers)
10. [TipRanks, "Xcel Energy Proposes Minnesota Electric Rate Freeze Plan," 9 October 2026](https://www.tipranks.com/news/company-announcements/xcel-energy-proposes-minnesota-electric-rate-freeze-plan)


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AI電源増強の費用を賄うため、米電力・ガス会社が規制当局に求めた値上げ額が過去最高の231億ドルに — The Inference. Canonical: https://theinference.org/article/utilities-asked-regulators-for-a-record-23-1-billion-in-rate-hikes-this-year-to-fund-the-ai-power-buildout/ja
