AMD、2月に出資したAI新興を約82億ドルで買収へ 代金は全額自社株

AMDは2月、自社も出資したラウンドで企業価値50億ドルと評価された組織を、いま自社株で買い取る。売り手の創業者は、買い手の最高経営責任者(CEO)が初期投資家だと明かしている。その紙の背後には、需要14ギガワットの予約が控える。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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SXSW 2024の壇上で講演するAMDのリサ・スー最高経営責任者(CEO)
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SXSW 2024に登壇したAMDのリサ・スーCEO。同社は9月28日、李飛飛(リ・フェイフェイ)氏が創業したワールドラボ(World Labs)を株式総額約82億ドルで買収することで合意した。

AMDによる9カ月に及ぶ公然のアプローチ

リサ・スー最高経営責任者(CEO)は1月、家電見本市「CES」での自らの基調講演にリ・フェイフェイ氏を登壇させ、数枚の写真から3Dシーンを生成するモデル「Marble」を実演してみせた 2。9カ月後の9月28日、AMDはワールドラボを全額株式・約82億ドルで買収すると合意した。李飛飛氏はチーフサイエンティスト兼上級副社長としてスー氏直属となり、取引の完了は年内の見通しだ 1。

代金のツケは株主に回り、額はまだ動く

全額を株式で支払う買い取りは、既存株主の希薄化にほかならない。買収後、AMDに占める既存株主の持ち分は小さくなる 4。買い手と売り手、どちらの発表にも、82億ドルがドル額で固定されているのか、交付株数で決まっているのかとは書かれていない。株数なら、今から取引完了までのAMD株価に応じて、実際の代金は上下する 14。

支払いに充てる「紙」も、いまは値が張る。AMD株は9月28日、608ドルで取引を終え、6カ月で210%上昇した。52週間の高値は639ドルだ 4。手元現金は51億ドルしかなく、現金で払う道は最初からなかった。これより大きかったのは、2022年のザイリンクス買収(約500億ドル)だけである 25。

カネはぐるりと一周する

ワールドラボは2月、企業価値50億ドルの評価で10億ドルを調達しており、その出資ラウンドにはAMD自身の資金も入っていた 13。7カ月後、AMDは2月の評価から62%の上乗せにあたる82億ドルを払い、自らの出資が値付けに加担した株主構成(キャップテーブル)を丸ごと買い取る 3。

カネの輪は顧客名簿にまで広がる

この輪は一つの研究所にとどまらない。李氏本人による買収についての投稿は、スー氏をワールドラボの初期投資家にして「偉大な友人」と紹介する。開示された2月の出資はAMDの資金だった 210。同じ構図は顧客名簿にも及ぶ。OpenAIはAMD株最大1億6000万株分の新株予約権を保有し、発行済み株式の約1割に相当する。さらにAMDは2ギガワットの半導体供給契約に加え、アンスロピックに価格未定・条件付きの株式を最大50億ドル分提供すると約束している 67。

エヌビディアは、資金を出した顧客がそのまま自社半導体を買う構図で批判を浴びてきた。AMDは今、同じ仕組みを回している 11。スー氏個人がワールドラボ株を保有しているかどうかは、公表された記録からは分からない 10。

成長エンジンは攻勢を支えられる

AMDの四半期売上高、3年でほぼ2倍の過去最高115億ドル

$4B$6B$8B$10B$12B23年10~12月24年4~6月24年10~12月25年4~6月25年10~12月26年4~6月ワールドラボ買収で合意(9月28日)
Data
売上高
23年7~9月$5.8B
23年10~12月$6.17B
24年1~3月$5.47B
24年4~6月$5.84B
24年7~9月$6.82B
24年10~12月$7.66B
25年1~3月$7.44B
25年4~6月$7.69B
25年7~9月$9.25B
25年10~12月$10.27B
26年1~3月$10.25B
26年4~6月$11.54B
米国会計基準(GAAP)による四半期売上高(単位は10億ドル)。会計四半期は2023年9月期から2026年6月期まで。米証券取引委員会(SEC)提出資料をシャラダー(Sharadar)が集計。経営陣は2026年7~9月期を約130億ドルと見通す。5

4~6月期の売上高は過去最高の115億ドルで、前年同期比50%増だった。うちデータセンター部門は67億ドルと同107%増。7~9月期の会社見通しは約130億ドルだ 48。予約済みの需要はギガワット単位で積み上がる。アンスロピックが最大2ギガワット、OpenAIが6ギガワット、メタが最大6ギガワットで、合計14ギガワット。マッキンゼーが推計する今年の世界のAI容量は62ギガワットだ 810。

AMDのラックスケール(rack scale)需要、3社が計14ギガワットを予約

0 GW2 GW4 GW6 GWアンスロピック2 GW最大50億ドルのAMD株式提供と並行して確約OpenAI6 GWメタ6 GW
Data
Value
アンスロピック2 GW
OpenAI6 GW
メタ6 GW
発表済みのInstinct MI450およびHeliosによるラックスケール展開(ギガワット単位)。アンスロピックは最大2、OpenAIは6、メタはカスタム仕様のMI450を用いて最大6。出所:2026年9月10日に報じられた各社発表。7,8

Heliosラックは7~9月期に出荷が始まり、10~12月期から2027年にかけて本格的に拡大する。ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)は、クラウド事業者Vultrからの12億ドルで、同プラットフォーム初の注文を獲得した 89。AMDの時価総額は約1兆ドルで、エヌビディアが10月2日に場中でつけた5.7兆ドルの史上最高を前にしたままだ 811。

価格を決めたのは売上高ではなく人材市場

希薄化の程度はAMDの時価総額の1%未満で、支払額も相場どおりだ。エヌビディアはGroqとハギングフェイスに合計330億ドルを支払い、OpenAIはioに64億ドル、メタはスケールAIの少数持分に140億ドルを払った 248。AMDは4四半期連続で市場予想を上回り、スーCEOは需要が見通しを上回るペースで推移していると話す。同研究所の研究は、数年先の半導体ロードマップを導く狙いだ 1810。

今年のAI人材買収は64億~330億ドル、ワールドラボの82億ドルは中位

$0B$10B$20B$30B$40Bエヌビディア:Groqとハギングフェイス$33Bメタ:スケールAI持分$14BAMD:ワールドラボ$8.2BOpenAI:io$6.4B
Data
Value
エヌビディア:Groqとハギングフェイス$33B
メタ:スケールAI持分$14B
AMD:ワールドラボ$8.2B
OpenAI:io$6.4B
発表済みの買収対価(単位:10億ドル)。エヌビディアの330億ドルはGroqとハギングフェイスの買収合計。メタの140億ドルはスケールAIの少数持分の取得、AMDの82億ドルはワールドラボの全面買収、OpenAIの64億ドルはioの買収。出所:本稿で引用したCNBC、Yahoo Finance、24/7 Wall Stの各報道。2,4,8

株式受け渡しまでの焦点

取引の完了は年内の予定だ 1。10~12月期のデータセンター決算は、Heliosが本格的に寄与する初めての四半期となる 8。アンスロピックによる11月上場が実現すれば、AMDが提供を約束した株式に公開価格が付く 610。AMDが2月に出資した研究所は、AMD自身の資金が価格形成を後押しした水準で、12月までにAMD株で買収される 13。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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