米セレブラスのCTO、ロックアップ解除前に1億9200万ドル分の株を売却
セレブラス・システムズ(Cerebras Systems)の共同創業者ショーン・リー(Sean Lie)氏が1億9200万ドル分の株式を現金化した。ロックアップ(新規公開株の売却制限)の期限が相次ぎ、市場に株が溢れ返ろうとする中でのことだ。同じ時期、同社は金額の明示されない10万キロワット級の新興企業向け取引を喧伝していた。
Vincent Jiang · 3 min read
創業者、“チップ”をテーブルから下ろす
ショーン・リー(Sean Lie)氏は、史上最大のコンピュータープロセッサーの設計に10年を費やしてきた。だが2026年9月25日の午前中、氏が取り組んでいたのはオプションの現金化だった 1。リー氏はストックオプションを行使してB種株式12万株をA種株式に転換し、9回の取引に分けて1株残らず売却した 1。この5週間で、共同創業者で最高技術責任者(CTO)のリー氏はセレブラス・システムズ株から約1億9200万ドルを手にした 2, 4。
ロックアップの扉が開く前に
売却のタイミングは日程とぴったり重なる。リー氏がルール10b5-1に基づく売買計画を設定したのは2026年5月20日で、セレブラスが新規株式公開(IPO)を実施した同年5月14日のわずか数日後だった 1, 5。この計画売買により、氏は2026年8月20日だけで1億4763万ドルを懐に収めた 2。その後も加重平均価格1株204.50~212.14ドルでさらに2508万ドルを投げ売りした 1, 2。一連の現金化で、氏が直接保有する普通株式は27.93%減った 2。
1億9200万ドルの現金化、うち1億4763万ドルは8月のたった1日
Data
| Value | |
|---|---|
| 2026年8月18日 | $4.72M |
| 2026年8月20日 | $147.63M |
| 2026年8月21日 | $3.42M |
| 2026年9月4日 | $11.24M |
| 2026年9月25日 | $25.08M |
この売却は、追加1940万株が解禁される2026年9月30日の放出ラッシュをすぐ前に控えた時期に行われている。主要ロックアップの解禁前に会社関係者がセレブラス株を2億7700万ドル売却していた経緯については、本誌がすでに報じた通りだ 5。最後の売却凍結は2026年11月9日に解ける 4, 5。
受注残は“紙”のまま、利益率は縮小
CTOの個人的な現金化に合わせるかのように、セレブラスは企業として華やかな演出を披露した。2026年9月28日、同社は自社の「CS-4」システムを1~2年かけて10万キロワット供給する契約を、クラウドスタートアップのギムレット・ラボ(Gimlet Labs)と結んだと発表した 3, 6。リー氏自身も発表文に名を連ね、この契約を複数シリコン構成のデータセンターにおける運用面での飛躍だと評した 3。
だが、その中身は金額がゼロ、現金の確約もゼロだった 3, 6。ギムレット・ラボがこのハードウェアを自社クラウドで展開するのは2027年以降になる 3, 6。機器が搬入された後も、運用・保守の費用はギムレット・ラボが単独で負担しなければならない 3, 6。
冷たい決算数字
目玉契約は、悪化する経営実態を覆い隠す“物語”の役割を果たしている。2026年8月12日、セレブラスは第2四半期決算でGAAP(米国会計基準)ベースの1株当たり2.98ドルの損失を発表し、1株当たり0.21ドルの赤字を見込む市場コンセンサス(アナリスト予想)を2.77ドル下回った 2。ハードウェアの賃借費用が重くのしかかり、売上総利益率は前四半期の46.5%から40.6%に低下した 4。
打撃は株式市場にも及んだ。2026年9月28日、セレブラス株は4.8%安の196.74ドルと、上場来高値の386.34ドルを大きく下回る水準に沈んだ 2。
強気派の反論
強気派は、リー氏は単に標準的な相続対策(エステートプランニング)を進めているだけだと主張する。同氏は現在もB種株式758万株を直接保有し、配偶者を通じて18万600株を間接保有しており、巨額の「スキン・イン・ザ・ゲーム(skin in the game、社運に自らの資産を賭けること)」を維持している 1。さらにセレブラスは、254億ドルの残存履行義務(remaining performance obligation)の受注残を誇る 5。
ただし、受注残は回収済みの現金ではない。経営陣は第3四半期の売上高見通しをわずか2億1400万~2億1600万ドルと提示しており、契約で積み上がった数十億ドルを収益として計上するには長い年月がかかることを裏付けている 5。
株価の底が決まる日
答えが出るのは2026年9月30日だ。追加の1940万株が浮動株として市場に流れ込む 5。流動性のあるうちに“紙”を売り抜けるのは会社関係者であり、冬を越すまで“金属”を抱えているのは一般の個人投資家だ。ロックアップ関連の提出書類と売買記録の全容は、以下の詳報で確かめてほしい。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



