ドアダッシュ、配達員の棚写真を有料データ商品に 労働時間めぐる1億3150万ドル和解の数日後
48時間以内に、ドアダッシュはニューヨーク市史上最大の労働者をめぐる和解に達し、同じ配達員を基盤に2つのAI製品を投入した。1つは買い物かごを5割大きくする買い物アシスタント、もう1つはダッシャー(配達員)が1日100万枚撮影する棚の写真に支えられたブランド向けプラットフォームだ。配達員が受け取る和解金の中央値は48ドル。
Vincent Jiang · 3 min read
ロセンド・タカム氏は、持てるすべてをドアダッシュに注ぎ込んだのに、最後の1週間分の報酬を受け取らないままアカウントを停止された、と語る。同氏の申し立てがきっかけの一つとなった市の調査は、2026年9月22日、1億3150万ドルの和解で幕を閉じた。ニューヨーク市史上最大の労働者をめぐる和解である5。そのためには、ドアダッシュが数えてこなかった数字を数える必要があった。支払い取引1億5200万件と、労働時間1億1000万時間だ2。
アプリが数えなかった時間
市の法律は、アプリ経由で働く配達員にチップを除く時給22.13ドルを保障している。調査で明らかになったのは、ドアダッシュが移動時間やオンコール時間(アプリにログインして待機する時間)の一部区分を賃金の算定基礎から外していたことだ2。和解額のうち8300万ドル超は、オンコール時間をめぐる争点のみの解決に充てられる3。和解金の中央値は約48ドル4。支払い漏れの平均額は7.70ドルで、対象の26万4000人の配達員の65%は過少支払いが1ドル以下だった5。ドアダッシュ自身がこう結論づけた。「端的に言えば、われわれは失敗した」4。
対象ダッシャーの1割が1000ドルを超える
Data
| Value | |
|---|---|
| 全対象者(10ドル以上) | 264,000 Dashers |
| 1000ドル超 | 27,000 Dashers |
| 5000ドル超 | 4,000 Dashers |
翌日、数えることは商品になった
2026年9月23日、共同創業者のアンディ・ファン氏は会議「グロッサリーショップ(Groceryshop)」で明らかにした。6月に投入したAIアシスタント「アスク・ドアダッシュ(Ask DoorDash)」で組み立てた食料品の買い物かごは、AIを使わない注文に比べて5割大きく、チェックアウト(購入手続き)は5倍速く済み、含まれる商品の種類も6割多いという 6。同日、ドアダッシュは「ブランドセンター(Brand Center)」を米国のすべての広告主に開放した 8。ダッシャーが棚を撮影して1日平均100万件超集まる店内の棚シグナルから得た在庫や代替品に関するデータを販売する有料プラットフォームで、ブランド側がカタログを直接管理できる機能も備える、と同社は説明する 7。その運用の原則は、ファン氏自身が言葉にした。「AIは、投入されるデータの質以上にはならない」 6。

ドアダッシュは「ミス」、市は「意図的」
同社は、技術的な不具合、1回の配達で複数の届け先を回るルート、銀行口座情報の誤りなどを原因に挙げる。ニューヨークでの支払いのうち影響を受けたのは1%未満で、届かなかった金額が660万ドル、支払いが遅れたのが570万ドル。実働1時間あたりの平均収入は30ドル前後になるとしている 3。一方、市の和解に関するページは不足支払いを意図的だったと断じ、この案件は審問を経ずに終結した 1。「ドアダッシュは長年にわたり、労働者を使い捨て扱いしてきた」。労働者団体「ワーカーズ・ジャスティス・プロジェクト」のリジア・グアルパ氏はこう述べた 4。和解金の全額は、すでに過去の四半期に引当金として計上済みだ 2。
過去最大の和解金も、売上高3日分に満たない
Data
| 売上高 | |
|---|---|
| 24年7~9月 | $2.71B |
| 24年10~12月 | $2.87B |
| 25年1~3月 | $3.03B |
| 25年4~6月 | $3.28B |
| 25年7~9月 | $3.45B |
| 25年10~12月 | $3.96B |
| 26年1~3月 | $4.04B |
| 26年4~6月 | $4.45B |
2つのパイプライン、1つの労働力
ドアダッシュは今後3年間、詳細な賃金データを毎月提出する義務を負う。和解金は、「ワーカーズ・ジャスティス・プロジェクト」とプリンストン大学の「ワーカーズ・アルゴリズム・オブザーバトリー」(Workers' Algorithm Observatory)が開発した対抗ソフトの資金にも充てられる。配達員が自らの移動記録を規制当局に直接送れるようにするソフトだ 14。通知は2026年10月下旬に労働者へ届き、2回目の支払いは2027年初めに行われる。6月29日から11月29日までの労働分は、ペナルティーとして13.79%を上乗せして集計が続いている 1。配達員の労働時間をカウントさせるには、ニューヨーク市は訴訟を起こす必要があった。彼らの撮った棚の写真に、訴訟は一度も必要なかった。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



