フレックス、「ポストAI」の未来へCFOを起用 社内関係者が現在を約1億1900万ドル売却
エイミー・シュヴェッツ氏が10月5日付で財務トップに着任する。任されるのは、来年スピンオフ(分離独立)されるAIデータセンター・電力会社アクシオムの後にフレックスが手元に残す製造事業だ。株式はなお過去12ヶ月利益を基準とした株価収益率(PER)42.5倍で推移し、社内関係者はこの12ヶ月で1億1,940万ドル分を売却、買いは1株もなかった。
Vincent Jiang · 3 min read
シュヴェッツ氏の初出勤まであと4日
2026年10月5日、エイミー・シュヴェッツ氏がフレックスに入社する。担うのは分離後に残る2事業、規制産業向け製造サービス(Regulated Manufacturing Services)と統合技術サービス(Integrated Technology Services)の財務責任者で、クラウド・電力インフラ事業をスピンオフした後にはグループCFOへの就任が見込まれる1。同氏は直前までフローサーブで財務を率いていた1。現CFOのケビン・クラム氏は、分離新会社側のCFO席に内定している2。
フレックスを解体した8週間
2026年7月29日、フレックスは分離後の2社の経営トップを発表し、2027年3月期の売上高ガイダンスを337億〜352億ドルに引き上げた23。同年9月3日にはEPC Powerの買収に44億ドルを支払うことで合意した。資金はシティグループとバンク・オブ・アメリカによる確約融資(コミッテッド・ファイナンス)を基に、負債と株式で調達する4。
9月15日、分離新会社はアクシオム・ソリューションズ・インターナショナル(ティッカーコードAXM)と名付けられ、「フォーム10」の暫定版(米証券取引委員会への分離登録文書)も提出された5。9月24日には、ジョンソン・コントロールズの元CEOジョージ・オリバー氏とブリンクスCEOのマーク・ユーバンクス氏が取締役会に加わり、2人とも取締役の年次報酬にあたる譲渡制限付き株式ユニット(RSU)1,802株分の付与を受けた167。
「電気屋」は新会社行きの便に搭乗済み
取締役の振り分けは、経営陣が2社をどう位置づけているかを物語る。オリバー氏はスピンオフ後もフレックスに残る。一方、イートンで約60億ドル規模の電気製品事業を率いていたユーバンクス氏はアクシオムの取締役会に移る。同取締役会には、ABBの電化(エレクトリフィケーション)部門で米国トップを務めた元幹部や、イートンに29年在籍したベテランも名を連ねる1。
市場は依然として、フレックスのすべてを出ていく側の事業と同じ物差しで値付けしている。過去12ヶ月の実績利益に対するPERは42.5倍で、過去5年の中央値13.2倍を大きく上回る。株価は2026年初に60.42ドル、過去1年の高値は166.86ドルで、2026年9月30日の終値は109.99ドルだった810。社内関係者はこの12ヶ月で1億1,940万ドル分の株式を売却し、買いは1株もなかった8。
AI建設ラッシュが進む中、設備投資が営業キャッシュフローにほぼ迫る
- 営業キャッシュフロー
- 設備投資
Data
| 営業キャッシュフロー | 設備投資 | |
|---|---|---|
| 24年7~9月 | $0.32B | $0.1B |
| 24年10~12月 | $0.41B | $0.11B |
| 25年1~3月 | $0.43B | $0.11B |
| 25年4~6月 | $0.4B | $0.13B |
| 25年7~9月 | $0.45B | $0.15B |
| 25年10~12月 | $0.42B | $0.15B |
| 26年1~3月 | $0.41B | $0.2B |
| 26年4~6月 | $0.28B | $0.24B |
AI建設ラッシュが、その代金を賄う現金を食いつぶす
2026年4~6月期、フレックスは売上高を21%増の79.3億ドルに伸ばし、調整後1株当たり利益は1.00ドルと過去最高を記録した。だが設備投資は前年同期比79%増と膨らみ、営業キャッシュフローは同31%減。長期債務も37.5億ドルから52.2億ドルへ増えた39。分離関連費用として2,400万ドルを計上した後のフリーキャッシュフローは4,100万ドルで、1年前の2億6,800万ドルから急減した3。スピンオフより先に届くのは、EPC Powerとその買収資金だ4。
フリーキャッシュフローは4四半期連続で減り、4,100万ドルに
Data
| フリーキャッシュフロー | |
|---|---|
| 24年7~9月 | $0.22B |
| 24年10~12月 | $0.31B |
| 25年1~3月 | $0.33B |
| 25年4~6月 | $0.27B |
| 25年7~9月 | $0.31B |
| 25年10~12月 | $0.28B |
| 26年1~3月 | $0.21B |
| 26年4~6月 | $0.04B |
42.5倍のPERは誰の手に残るのか
強気シナリオはすでに公表されている。売上高ガイダンスの引き上げ、S&P500種株価指数の構成銘柄入り、調整後1株当たり利益の中間値ベースで39%増の指引き上げ——。さらに、設備投資の急増とスピンオフ費用が薄れればキャッシュフローは正常化する、という経営陣の見通しも添えられている311。最も楽観的なシナリオは2029年の売上高を約586億ドルと見込む12。
弱気派の算術は、52.53ドルという適正価格の推定値と109.99ドルの株価を比べるだけだ8。だが賭け金の行き先は、どちらのシナリオになっても決まっている。フレックスの株主は44億ドルのEPC Power買収資金を負債と株式で賄い、社内関係者が株を売る間も分離費用を担い続ける。AI銘柄のマルチプルがそのまま引き継がれれば、果実を手にするのはアクシオムの株主だ458。
最初の「正直な数字」は11月10日
アクシオム単体の売上高や利益率がどの水準にあるのか。その答えは、フォーム10の修正版と、2026年11月10日にオースティンで開かれる「イノベーション・デイ(Innovation Day)」で示される。実際にどれだけの成長が去っていくのか、初めて数字ではっきりするのだ35。EPC Powerの買収は10~12月期に完了する見通しで、分離は2027年1~3月期を予定している45。フレックスが新たに迎え入れるのは、残る会社のCFOだ。だが株主が抱えたままであるのは、去っていく会社のマルチプルである。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



