ルーメンタムのAXT向け4350万ドル預け金、9月のニュースを装った7月の契約

9月28日に再燃した2031年までの供給能力契約は、7月26日に署名され、7月29日に開示済みだった。条件は通信社の報道以上にルーメンタムをがんじがらめにする。当の同社は先週、確保したばかりの素材を迂回するGaAs(ヒ化ガリウム)路線の発表をして回っていた。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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リン化インジウム(InP)のマルチプロジェクトウェーハ。AXTが供給し、ルーメンタムが2031年まで予約した素材
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リン化インジウムのマルチプロジェクトウェーハ。ルーメンタムのキャパシティ予約契約(Capacity Reservation Agreement)により、AXTのInPウェーハ供給は2031年12月31日まで確保される。

9月28日、チャートを見る投資家向けの記事が、ルーメンタムによる2031年までの供給能力契約と4350万ドルの預け金をトレーダーの前に差し出した1。開示記録の方が確かだ。AXTは7月26日に同契約に署名し、7月29日に8-Kで開示2、7月30日以降は8-Kを提出していない3。9月の見出しは、夏の契約の焼き直しだった。その1週間前、AXT株はS&P小型株600種指数に組み入れられ、インデックスファンドは買いを余儀なくされていた4。

契約は報じられた以上にルーメンタムを縛る

キャパシティ予約契約は、InPウェーハを2031年12月31日まで確保する内容で、1年単位での更新も可能だ25。ルーメンタムは30営業日以内に当初分として4350万ドルを支払う義務があり、第2回分の4350万ドルは2028年中に条件を取り決めた上で支払う。いずれも出荷代金に充当される2。年間の購入約定を下回れば、不足分の支払いは免れない。自社の都合や需要の変化を理由に解約すれば、預け金はAXTのものとなる。返金が認められるのは、AXTが是正しきれなかった納品違反があった場合だけだ2。これぞ、牙のあるテイク・オア・ペイである。

ルーメンタムの資金だけではない。コヒーレントは3年契約の6インチInP開発・供給契約で2230万ドルを前払いし、Caselaは2027年の購入として約2540万ドルを確約した。1億ドルを超える受注残と、2億1760万ドルの2026年売上高コンセンサスがその下地にある6。

顧客がAXTのウェーハ能力に確約した現金、計1億900万ドル

  • Estimate
$0M$10M$20M$30M$40M$50Mルーメンタム・当初預け金$43.5Mルーメンタム・第2回預け金$43.5Mテイク・オア・ペイ:需要が変わればAXTの手元に残るコヒーレント・InP前払い金$22.3M
Data
Value
ルーメンタム・当初預け金$43.5M
ルーメンタム・第2回預け金 (estimate)$43.5M
コヒーレント・InP前払い金$22.3M
供給契約に基づいて確約された預け金・前払い金(単位:100万ドル)。ルーメンタムの第2回預け金は契約上の金額で、支払時期と条件は暦年の2028年中に定められるため、推計として表示した。出典:AXTの8-K(2026年7月29日)、Zacks(Yahoo Finance経由、2026年8月27日)。2,6

支払う側が、確保した素材の迂回ルートも作っている

先週スペイン・マラガで開かれた欧州光通信会議(ECOC)で、ルーメンタムは「スロー・アンド・ワイド」陣営向けのマイクロVCSEL(面発光レーザー)アレイを発表した。このアレイは、供給不足に陥っているInPの生産ラインではなく、GaAsの製造プロセスを使う。Cignal AIが会期中に開いたワークショップは、この供給不足をデータセンター需要と結びつけた7。コヒーレントも、GaAsベースVCSELのコパッケージドオプティクス(CPO)を1.2ピコジュール/ビットで披露した7。InPを迂回するルートに最も資金を注いでいるのは、そのInPの確保のために金を払ったばかりの会社である。

InP陣営にも資金は流れている。Ayar Labsは今年、新株発行ベースで計6億5000万ドルを調達した。1億5000万ドルの追加調達を含み、出資者にはエヌビディア、AMD、インテルが名を連ねる8。インテルのOCIは、InPレーザーをシリコンウェーハに直接搭載する9。AXTはInPに加えてGaAs基板も販売しており10、素材の主流が移っても、傷がつくのは稼ぎ頭そのものより「希少性」の物語の方だ。

資金は積み上がり、評価倍率も積み上がる

第2四半期(4~6月)の売上高は4760万ドルで、前年同期比164%増だった。売上総利益率は44.9%で、直近8四半期では初めて黒字化した1011。生産能力の拡大を支える資金は、預け金だけではない。4月には1株64.25ドルで856万株を発行する増資を実施し、総額約5億5000万ドルを調達した。その大半は、子会社の通美晶体(Tongmei)でのInP増産に充てる13。

この増資で払込資本は半年で3億3990万ドルから9億4380万ドルへ膨らんだ1013。9月29日の終値は78.18ドルだった12。直近12カ月の売上高に対する株価倍率は33倍で、業界平均の13倍を大きく上回る6。同日のスナップショットの一つでは、直近12カ月の利益ベースで3900倍を超えていた4。

ルーメンタムが契約した四半期、売上高は前年同期比でほぼ3倍

$0M$20M$40M$60M24年7-9月24年10-12月25年1-3月25年4-6月25年7-9月25年10-12月26年1-3月26年4-6月ルーメンタムとの契約締結は7月26日
Data
売上高
24年7-9月$23.65M
24年10-12月$25.11M
25年1-3月$19.36M
25年4-6月$17.97M
25年7-9月$27.96M
25年10-12月$23.04M
26年1-3月$26.92M
26年4-6月$47.59M
AXTの四半期別売上高(単位:100万ドル、SEC提出資料に基づく)。2026年4~6月期の売上高は4760万ドルで、2025年同期は1800万ドルだった。出所:AXT 2026年4~6月期決算発表(2026年7月30日)、Sharadarの四半期ファンダメンタルズ(AXTのSEC提出資料、2026年10月1日取得)10,11

決着をつけるのは10-Q

第3四半期(7~9月)の10-Q(四半期報告書)は11月に提出される予定だ。契約書の全文が添付書類として収録され、最初の4350万ドルが実際に払い込まれたかどうかが分かる2。欧州光通信会議(ECOC)の総括では、名称が公表された「スロー・アンド・ワイド」方式の展開は2027年後半までは見込めない7。ルーメンタムが買ったのはウェーハか、それとも「間違う権利」か。その決断の猶予は2028年まで与えられている。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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