モノリシック・パワー役員、AI電源相場で約6億8000万ドルの自社株売却
ファウンドリー契約は条件を開示しないまま、2027年のシンガポール増産を約束した。株価は約8%高の1,380.62ドルで引けた。SECの提出記録が示すのは、モノリシック・パワーを率いる人々がこの1年、株を買うのではなく売り続けていたことだ。
Vincent Jiang · 3 min read
急騰のよりどころは金額非開示の契約
サンディスクへの2,400ドルの株価目標が半導体株全体の買いを点火するなか、モノリシック・パワー・システムズ(MPS)は9月22日、前日比約8%高の1,380.62ドルで取引を終えた18。それでも同株は、過去最高値の1,714.09ドルから約2割下の水準にとどまる1。今回の上昇のよりどころは9月9日に交わされた長期契約だ。MPSの独自プロセスをグローバルファウンドリーズのシンガポール300mmラインに載せ、2027年初頭から自動車、ロボット、AI・クラウドインフラ向けスマートパワーステージ(電源段)などの供給能力を増やす内容で34。財務条件は開示されていない3。同社が同月に提出した8-K(臨時報告書)は、1株2ドルの配当に関する通知が1件だけだった910。
経営陣が挙げるボトルネックは、この契約が解消するものではない
投資情報サイトTIKRの報告によれば、7月の決算説明会で創業者のマイケル・シンCEOは、モジュールの組み立てについて『より難しい』『3D的効果』『携帯電話の組み立てよりもなお複雑』と語った1。MPSが売るのは、もはやチップ単体ではない。シリコンとインダクター、コンデンサを一体化して封止したモジュールであり、この後工程こそ、経営陣自身が繰り返し名前を挙げる制約だ1。シンガポールの契約が増やすのはウェハーであり、問題の易しい半分でしかない。
AI部門はほぼ3倍、PERも3倍に
AI電源、5四半期でMPSの一部門をほぼ3倍に
- エンタープライズデータ
- その他の最終市場
Data
| エンタープライズデータ | その他の最終市場 | |
|---|---|---|
| 2024年第3四半期 | $184.5M | $435.6M |
| 2024年第4四半期 | $194.9M | $426.8M |
| 2025年第1四半期 | $132.9M | $504.7M |
| 2025年第2四半期 | $144M | $520.6M |
| 2025年第3四半期 | $191.5M | $545.7M |
| 2025年第4四半期 | $233.5M | $517.7M |
| 2026年第1四半期 | $262.8M | $541.4M |
| 2026年第2四半期 | $380.6M | $600M |
AIサーバー向けのエンタープライズデータ部門は、売上高が2025年第1四半期の1億3290万ドルから2026年第2四半期には3億8060万ドルへと拡大した。前年同期比164%増で、過去最高となった四半期売上高9億8060万ドルの38.8%を占めた2。第3四半期の売上高見通し(ガイダンス)は11億4000万〜11億6000万ドル2。MPSがすでに提出した過去4四半期の利益を基準にすると、9月22日の終値で株を買った投資家は、GAAP(米国会計基準)ベースで約85倍、非GAAPベースで約65倍の株価を払っている計算になる1267。投資情報サイトTIKRによると、半導体同業他社の中央値は17倍前後だ1。
9月22日終値のMPWR、同業中央値のほぼ5倍
Data
| Value | |
|---|---|
| MPWR(GAAP) | 85x |
| MPWR(非GAAP) | 65x |
| 半導体同業他社の中央値 | 17x |
役員による買いはゼロ
1年間で6人の役員が6億7400万ドル売却、買いはゼロ
Data
| Value | |
|---|---|
| マイケル・シン(CEO) | $275.8M |
| サリア・ツェン(法務責任者) | $164.2M |
| モーリス・シアマス(販売担当EVP) | $101.1M |
| デミン・シャオ(オペレーション担当EVP) | $76.4M |
| テッド・ブレゲン(CFO) | $37.5M |
| オイゲン・エルミガー(取締役) | $19M |
SECフォーム4の記録をみると、過去1年間に役員が自社株を買い増した例はなく、売却額は約6億8000万ドルに上る5。投資情報サイトTIKRはGuruFocusの集計を引用し、7億2300万ドルとしている1。このうちシン氏だけで約2億7600万ドルを占める5。ファウンドリー提携の発表文でコメントを寄せていたオペレーション担当トップのデミン・シャオ氏は、5月に4960万ドル、2月に2680万ドルを売却し、合計で約7600万ドルに達した35。
強気シナリオにも裏付けはある
投資情報サイトTIKRが伝える7月の決算説明会では、受注が出荷を上回り、流通在庫も低水準にとどまるという。シン氏はAI部門について「顧客に偏りはない」と説明した1。MPSは能力目標を「60億ドルを大幅に超える」水準に引き上げた。2026年第2四半期はすべての最終市場で売上高が前四半期比で増加し、粗利益率は55.2%を維持した。取締役会は自社株買いに5億ドルを上乗せし、総額を10億ドルに引き上げた2。争点は供給ではない。利益の85倍という評価が、受注残に何を要求するかだ。
10月決算が「監査」になる
2026年第3四半期の決算は10月下旬に発表される。会社側が示した売上高見通し(ガイダンス)の中心値は11億5000万ドルで、2025年第3四半期比で56%増となる27。エンタープライズデータがこのペースを維持すれば、株価の急伸にも筋があると映る。初めて伸び悩めば、割高な評価倍率そのものが主役になる1。シンガポールの生産ラインが出荷を始めるのは2027年になってからだ3。ファウンドリー契約が解決するのは供給の問題。評価倍率を守るのは受注残である。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



