シュナイダーエレクトリック、3.5メガワット対応AI冷却器の発表翌日にShelly Groupへ12億ユーロ買収提案
仏シュナイダーエレクトリックは、ブルガリアのスマートホーム機器メーカー、Shelly Groupを1株70ユーロで買収する。一方、傘下の冷却事業Motivairは10月から、AIデータセンターのデータホール用に設計した冷却装置の出荷を始める。エネルギーが足りない欧州で、電力メーターの両端を同じ売り手が押さえることになった。
Vincent Jiang · 3 min read
創業者が1株70ユーロで57%を売却へ
シュナイダーエレクトリックは2026年9月24日、Shelly Groupに対し、1株70ユーロによる任意公開買付けを実施すると明らかにした1。Shellyはスマートプラグ、電力量計、スマートロックを手掛けるソフィア(ブルガリア)のメーカーだ。創業者のディミタル・ディミトロフ、スヴェトリン・トドロフ両氏は2人で計約57%を保有し、一定の条件の下で売却することで合意している2。Shelly株は当日、フランクフルト市場で4.9%高の67.60ユーロと、7月下旬に買収交渉が報じられる前の水準を約20%上回った1。
家庭用メーターに12億ユーロを賭ける
提示額はShellyの企業価値を、負債を除き約12億ユーロ(約14億ドル)とする1。別の報道は12億7000万ユーロと伝えている3。提示価格は影響前の7月28日株価から27%の上乗せとなる2。買収対象はソフトウェア主導の家庭向けエネルギープラットフォームで、シュナイダーエレクトリックの住宅・小規模商用事業の傘下に入り、すでに48万カ所で稼働するエコストラクスチャ(EcoStruxure)と並ぶ位置に置かれる8。最低応募比率は95%で、完了は2027年1~3月期の見通しだ23。
その前日、AIホール規模の冷却器を発表
9月23日、シュナイダーエレクトリックの冷却事業は冷却液分配ユニット「Motivair WCDU」を発表した。定格は同社の発表で1台あたり3.5メガワット。20台を1グループにまとめ、30~40メガワット級のデータホールに対応する。出荷は10月から始まる4。シュナイダーの発表には、この冷却器と買収提案を結びつける言葉が何もない。
Motivairの製品ラインは2025年からグループの一員で、エネルギーマネジメント部門に組み込まれている。同部門は2026年上半期、有機ベースで18%成長した5。ガス価格が2カ月で75%超上昇し、ユーロ圏のエネルギー価格が8月に前年比14.3%上昇6した欧州で、いまや一つの会社がAIホールの渇きと家庭用メーターの節度を同時に売っている。
Shellyは黒字で成長中
買収対象は実験段階の企業ではない。Shellyの2026年上半期の売上高は6830万ユーロで前年同期比26.5%増、純利益は51.4%増の1540万ユーロだった7。売上高は2022年以降、年率40%超のペースで拡大が続き、製品は100カ国以上で販売されている2。
Shelly、2026年上半期は売上高6830万ユーロで純利益1540万ユーロ
Data
| Value | |
|---|---|
| 売上高 | €68.3m |
| EBIT | €17.7m |
| 純利益 | €15.4m |
市場は「補完買収」と評価
RBCは今回の買収価格を、シュナイダーエレクトリックの時価総額の1%未満に相当する「妥当な補完買収」と評した。ジェフリーズは住宅部門との強いシナジー効果を指摘した2。リスクは買収額のほうではない。冷却事業はすでに高い成長が続いている。家庭向け事業が育つかどうかは、欧州の電力系統の逼迫が続き、家庭の電力負荷を「見える化」したり切り替えたりすることに誰かが金を払うかどうかにかかっている。
市場は95%応募のリスクを2.4ユーロと値付け
Shellyの終値は67.60ユーロ。公開買付け価格の70ユーロに届かず、残された2.40ユーロ(約3.5%)が、応募が95%の成立条件に届かず買付けが頓挫する可能性に対して市場がつけた値段だ12。注目すべき日は2つある。冷却液分配ユニット(WCDU)の出荷は10月に始まる4。公開買付けはブルガリア金融監督委員会の審査をクリアする必要があり、登録は11月下旬から12月上旬の見通しだ2。冷却装置は予定どおり出荷される。スマートプラグのほうは、95%という関門を越えるか、越えないかである。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



