「アンソロピック」ETFにアンソロピックは入っていない――それでもハーバーの他のAI投信4本を集資で上回る

ハーバー・キャピタル・アドバイザーズの上場投資信託(ETF)「アンソロピックAIラボ・エコシステムETF(Anthropic AI Lab Ecosystem ETF)」は、設定から最初の1カ月で1350万ドルを集めた。投資家に販売しているのはアンソロピック株ではなく、半導体メーカー、クラウド大手、ビットコインのマイニング企業だ。同社の上場は11月へずれ込んだと報じられている。

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Vincent JiangVincent Jiang · 2 min read
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TechCrunch Disrupt 2023のステージで、身振りを交えて講演するアンソロピックCEOのダリオ・アモディ氏
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TechCrunch Disrupt 2023に登壇したアンソロピックのダリオ・アモディCEO。同社のIPOは10月から11月へずれ込んだと報じられており、名前を冠したETFは同社株を1株も保有していない。

誰もが欲しがる株は、まだ市場に出ていない

アンソロピックは6月1日、IPOの秘密保持申請を提出した1。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙とニューヨーク・タイムズ紙は9月18日、上場時期が10月から11月にずれ込み、時価総額は2兆ドル前後になると報じた2。上場を待ちきれない投資家には、いま買えるものがある。ハーバー・キャピタル・アドバイザーズが8月中旬に設定した「アンソロピックAIラボ・エコシステムETF」だ3。

需要は本物、ハーバーはそれを売っている

アンソロピックの年換算の売上高(ランレート)は7月末に650億ドルを突破した。5月は470億ドル、2025年末は約90億ドルだった4。非公開投資家は5月、同社の評価額を9650億ドルと付けた。2月の3800億ドルの2倍以上だ4。その需要を、ハーバーの投信は最初の1カ月で1350万ドルの集資に変えた。設定来の上昇率は約5%で、メタ、グーグルディープマインド、スペースX、オープンAIをそれぞれ投資対象とする姉妹投信4本の合計集資1040万ドルを上回った3。

アンソロピックの売上高ランレート、7カ月で7倍に急増

  • アンソロピックの年換算売上高ランレート
  • Estimate
$0B$50B$100B$150B2025年末2026年5月2026年7月末2026年末$110B$100–110Bアンソロピックがロードショーに携えていく数字
Data
アンソロピックの年換算売上高ランレート
2025年末$9B
2026年5月$47B
2026年7月末$65B
2026年末 (estimate)$110B ($100–110B)
年換算の売上高ランレート(10億ドル単位)。2026年末の点は2026年9月に報じられた会社側の予想値で、推定として描画している。出所:ロイター(スター紙経由、2026年8月18日付)、Crypto Briefing(2026年9月19日付)、The Motley Fool(2026年9月26日付)。4,2,8

投信に含まれるアンソロピックは、名前だけ

この投信はアンソロピックの株式を保有していない5。組み入れているのはブロードコム、AMD、マイクロン・テクノロジー、アマゾン・ドット・コム、アルファベット、マイクロソフトで、このほかにビットコインのマイニング企業TeraWulf、Hut 8、Riot Platformsが入る。バロンズが指摘するように、この3社はいずれもアンソロピックに関連するデータセンター契約を発表している3。さらにエヌビディア、オラクル、クアンタ・コンピュータは5本の投信のうち複数に重複して組み入れられており、同じテーマを繰り返し買えば、ほぼ同じポートフォリオを買い込むことになる3。

新たな経済性を加えるのはマイニング企業だけ

アンソロピックはTeraWulfのケンタッキー州拠点を20年間借りる、推計収益約190億ドルの契約を結んだ。190億ドルという推計はTeraWulf自身によるものだ6。エヌビディアが出資するクラウド企業Lambdaとの350億ドルの計算能力契約は、Hut 8のテキサス州キャンパスを経由して履行される。現地では長期リース2件で計196億ドルに達し、Hut 8の直近四半期の売上高の260倍に相当する7。サプライヤー側の経済性は本物だ。リスクも本物である。ハーバーのエネルギー関連の姉妹投信「マンニフィセント・セブン(Munificent Seven)」は、8月末の設定以来、約2%下落している3。

ファンドマネージャーの弁明、そして限界

「これは長く続く持続可能なテーマだ」――ファンドマネージャーのジャスティン・メネ氏はバロンズにこう語り、AIの普及は「今なお明確に上昇基調にある」と強調した。単独の賭けに絞るより、複数のエコシステムに資金を広げる方が優る、というのが同氏の主張だ3。だが、メネ氏を取材したコラム自体、結びでは、インデックスファンドはすでにテクノロジー株を組み入れすぎており、テーマ型投信はその集中をさらに強める、と警告している3。

11月が決めるもの

予測市場のKalshiでは、12月1日までにIPOが確定するかを巡る契約の暗黙確率は50%で、市場はさらなる延期を織り込んでいる1。アンソロピック株1銘柄にレバレッジをかけたETFは、上場日に備えた申請がすでに並んでいる3。本物の株式が取引を始めれば、残る問いは、この模造品に1350万ドルが居座るかどうかだ。

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