セカンスのビットコイン最終売却、報道数字が割れる――SEC提出書類は「314枚」

最終売却をめぐる報道の食い違いには、米証券取引委員会(SEC)提出書類という答えがある。だが、是正計画を裏付ける同書類は売却代金も単価も明示しておらず、同社株はニューヨーク証券取引所(NYSE)の「5000万ドル」基準2つをいずれも下回ったままだ。

原文を読む

In this storySQNS
Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
Share
ノートパソコンのキーボードの上に置かれたビットコインの実物コイン
1 / 6Slide 1 of 6
セカンスは2026年9月24日、SECにフォーム6-Kを提出し、最後の314枚のビットコインを売却したと明らかにした。2025年6月の3億8400万ドル調達で始まったトレジャリー戦略(財務資産としてビットコインを保有する戦略)は、これで終わった。

*仏半導体企業による3億8400万ドルのビットコイン往復取引は、報道各社が「314枚か34枚か」と言い争う騒ぎの中で幕を閉じた。セカンスが9月24日に提出したフォーム6-Kは314枚と明記し、NYSEの是正カウントダウンは9月14日に動き始めている。*

2つの報道、2つの数字、決着をつける1つの書類

セカンス・コミュニケーションズ(Sequans Communications)は2026年9月24日、保有していたビットコインをすべて売却したと発表した。2025年6月に3億8400万ドルを調達して始めたビットコイン・トレジャリー戦略は、これで幕を下ろした27。直後の数日間、暗号資産系メディアの報道は割れた。BlockchainReporterは最終売却を314BTC、CoinTurkは34BTCと伝え、取引まとめ記事はセカンスが公式の数字を出していないと報じた1。公式の数字は存在する。セカンスが9月24日にSECへフォーム6-Kの添付資料として提出したプレスリリースには、同社が「2026年6月30日時点で貸借対照表に保有していた残りの314ビットコインを売却した」と明記されている7。314枚は提出書類に記載された数字だ。34枚を裏付ける文書はなく、引用元のどこにも、CoinTurkがどうやってこの数字に達したのかの説明はない17。

焦点:5000万ドル基準の挟み撃ち

ビットコインからの撤退は、上場維持をめぐる攻防の"証拠A"だ。NYSEは9月14日、セカンスに上場規則802.01Bへの違反を通知した。30営業日の平均グローバル時価総額が5000万ドル未満で、株主資本も5000万ドル未満だったためだ6。米国預託証券(ADS)は9月23日に2.97ドルで引け、時価総額は4468万ドル。2025年7月の高値からは9割超下げている342。CEOのジョルジュ・カラム氏には、90日以内の是正計画提出と9か月以内の是正が課される。計画の柱はビットコイン撤退と、IoT事業への再注力だ6。

保有高の足跡が示すもの

開示記録をたどると、ポジション解消の全体像が見えてくる。2025年7月に370BTCを購入。ピークを巡っては、業界報道2件がそれぞれ3,200BTC超2、3,300BTC超8と伝えている。2025年11月には転換社債の半分を償還するため970BTCを売却し、2026年1~3月期にさらに1,025BTCを手放した。6月末の残高は314BTCで、9月下旬にはゼロになった87。高値で買い、安値で売る往復取引そのものだ。1~3月期は投げ売りで1170万ドルの実現損失を計上した一方、4~6月期には530万ドルの利益を確保した。サイクルの高値近くで調達した債務は、下落局面で返済に充てられた82。

トレジャリーは370枚から3,300超のピークを経て、14か月でゼロに

  • 保有BTC
  • Estimate
01,0002,0003,0004,0002025年7月2025年10月2026年3月2026年6月2026年9月3,3003,300–3,5000
Data
保有BTC
2025年7月370
2025年10月 (estimate)3,300 (3,300–3,500)
2026年3月1,514
2026年6月314
2026年9月0
セカンスのビットコイン・トレジャリー。開示時点ごとの保有BTC数(2025年7月~2026年9月)。2025年10月の数値は業界報道による3,300超のピーク(推定値として表示)で、2026年9月のゼロは清算の完了を反映する。7,8,2

チップ事業が果たすべき役割

SECに提出したリリースは、ビットコイン撤退と成長シナリオを並べて提示している。2026年4~6月期の製品売上高は前年同期比80%超増。直近6か月のバックログ(受注残)は3倍に膨らみ、RFトランシーバーはドローン向けで初のデザインウィン(design win)を獲得した7。レイク・ストリート(Lake Street)は9月25日、目標株価8ドルで投資判断「買い」を継続した。ロスMKM(Roth MKM)は、NYSEの通知が出たまさにその日の9月14日に20ドルの目標株価を提示している4。いずれの目標株価も、NYSEが違反の根拠に挙げた5000万ドル未満の株主資本と折り合いをつける必要がある46。

IoT事業への再注力後も、売上高はなお前年同四半期比8%減

$4M$6M$8M$10M$12M24年7~9月24年10~12月25年1~3月25年4~6月25年7~9月25年10~12月26年1~3月26年4~6月$7.46M
Data
売上高(100万ドル)
24年7~9月$10.08M
24年10~12月$11.05M
25年1~3月$8.05M
25年4~6月$8.14M
25年7~9月$4.29M
25年10~12月$5.84M
26年1~3月$6.05M
26年4~6月$7.46M
セカンス・コミュニケーションズの四半期売上高(2024年7~9月期~2026年4~6月期、単位:100万ドル)。同社のSEC提出書類に基づくSharadarの四半期ファンダメンタルズデータ(2026年10月2日取得)による。2026年4~6月期の総売上高は746万ドルで、前年同期比8.4%減。提出済みリリースの「80%超増」は、総額のうち製品売上高を指す。9

今後の注目点

書類が確定させたのは枚数だけだ。帳簿の中身は確定していない。フォーム6-Kの添付書類には、売却代金も、9月の売却日も、1ビットコイン当たりの価格も記載されていない7。売却代金と単価の2つの数字は、通知に挙げられた2つの5000万ドル基準と並んで、半期報告書に盛り込まれるべきものだ67。是正計画の提出期限は2026年12月中旬ごろ。是正期間はおおむね2027年6月までとされる6。1回の暗号資産取引で両基準の下に押し込められた銘柄は、暗号資産系メディアの報道ではなくIoT事業の実績がその差を埋めるまで、上場廃止候補のままだ。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

Reader comments

0 comments

    Sign up

    Get your curated digest

    After email confirmation, you will receive a daily digest of the most relevant news that matter to your portfolio