パランティアのICE向けデータベース、米メーン州の集団訴訟で法廷証拠に 英3億3000万ポンド契約の決断が迫る
黒塗り処理を施した集団訴訟の訴状が金曜日に公開された。米移民・関税捜査局(ICE)の逮捕活動を観察していた人々の記録がパランティア製のシステムに入力され、国境審査側と自動共有されていた実態が分かった。パランティアの第2位の市場である英国は、12月までに3億3000万ポンドの英国国民保健サービス(NHS)契約を解除するかどうかを決めなければならない。
Vincent Jiang · 3 min read
監視リストをめぐる警告電話
連邦裁判所の提出書類1によると、1月20日、ポリクセニア・パントス氏は米メーン州ポートランドで、逮捕の様子を車数台分の距離を置いた場所から撮影した。その数時間後、国土安全保障省の捜査官がこの車のナンバーを照会し、名義人のカーリン・ウィリアムズ氏に電話をかけた。「そうしたことをしていれば、国内テロの監視リストに加えられる可能性がある」と警告するためだった1。この電話と、その背景にあるデータベースは金曜日、証拠資料として公開された1。
英国は今も、このデータベースへの支払いを続けている。ロンドンの閣僚らは数か月以内に、パランティアとの3億3000万ポンドのNHS契約を解除するかどうかを決める必要がある。同社の株価は8月中旬、売上高の約74倍の水準で取引されていた23。
捜査記録が国境の「要注意」リストに
黒塗り処理された集団訴訟の訴状によると、「J.C.捜査官」とされるこの捜査官は、ICEの逮捕現場を観察していたボランティアの少なくとも6人について、調査案件管理システム(ICM)で記録を開設した。政府側は8人としている1。ホームデポで撮影された2人は「法執行機関への脅威、職業的抗議者」とタグ付けされ、写真は国境警備官に渡って「Mobile Query」というアプリを通じた顔認識照合にかけられた1。
訴状が引用した2016年の国土安全保障省(DHS)のプライバシー影響評価書によると、ICMの記録は、渡航者審査用の「要注意記録(lookout records)」として米税関・国境警備局(CBP)のTECSシステムと自動的に共有されるという1。観察者の1人は現在、少なくとも2027年1月まで、どの国境検問所でも二次審査の対象となる1。
ICEは運用費を払い続ける
ICEは2014年、パランティアに自社ソフト「ゴッサム(Gotham)」を基にICMを構築させた1。2022年に締結した5年間のサポート契約は最大約9600万ドル。2025年の3000万ドル近い追加契約は後継プラットフォーム「ImmigrationOS」に充てられる。2022年以降のICM関連業務は計約1億2600万ドルに上る14。
国土安全保障省はこの訴訟を「根拠がない」と主張する。訴え却下の申立てでは、問題の行為は孤立的なもので、規程で禁じられていると反論している14。元ICE局長代理のトッド・ライオンズ氏は、連邦下院議員マクスウェル・フロスト氏に対し、ICEは「ICEの活動に抗議する米国市民に関するいかなる種類のデータベースも保有していない」と述べた1。一方、訴状は観察者の記録が国境審査へ自動的に流れ込む実態を描いている1。
英政府の決断、期限は12月
4万4000人を超える人が英GDPR21条に基づく異議申し立てを起こした。この異議申し立てにより、NHSイングランドはパランティアの「フェデレーテッド・データ・プラットフォーム(FDP)」上で申立て人のデータを処理する正当な理由を示すか、処理をやめるかを迫られている2。英下院の特別委員会2つは、3億3000万ポンド・7年契約に盛り込まれた解約条項の発動を求めている。条項が効力を持つのは2027年2月だ25。パランティアが英国官公庁と結ぶ契約は計約6億7000万ポンドに上り56、英国は2025年の売上高の10%を占める、同社で2番目に大きい市場である7。
7月に就任したアンディ・バーナム首相は、この問題について公にコメントしていない。閣僚は12月までに決定するとみられる57。パランティアの英国担当上級副社長に新たに就いた元労働党副党首のトム・ワトソン氏は、初手として下院議員クライヴ・ルイス氏への書簡で、2020年以降にルイス氏がパランティアについて行った発言を約130件数え上げた。ルイス氏はこれを「私たちはあなたを見ている。監視している」という暗黙の脅しだと受け止めた68。
「売上高の約74倍」は何を織り込むのか
売上高は3倍超に、成長率は12四半期連続で加速
Data
| 売上高 | |
|---|---|
| 23年7〜9月 | $0.56B |
| 23年10〜12月 | $0.61B |
| 24年1〜3月 | $0.63B |
| 24年4〜6月 | $0.68B |
| 24年7〜9月 | $0.73B |
| 24年10〜12月 | $0.83B |
| 25年1〜3月 | $0.88B |
| 25年4〜6月 | $1B |
| 25年7〜9月 | $1.18B |
| 25年10〜12月 | $1.41B |
| 26年1〜3月 | $1.63B |
| 26年4〜6月 | $1.94B |
パランティアの株価は8月中旬、188.75ドル前後で推移した。時価総額は約4540億ドルで、売上高の約74倍に当たる3。成長率は17%から93%へと12四半期連続で加速し、売上高も3倍以上に膨らんだ9。
支持側の計算では、英国の病院の3分の2が同プラットフォームを利用している。パランティア自身も、11万7000件の手術を追加できたと主張する。だが、7月の世論調査でも、契約打ち切りを支持する英国人は65%に上った27。フランスは情報機関をパランティアのソフトから外した。ドイツはフランスの代替ソフトの試験を進めている7。
英国からの撤退が約4540億ドルの時価総額に何をもたらすか、数値で示した情報源はない3。売上高の約74倍という評価倍率が今後も買い続けなければならないのは「容認」だ。12月の決断を前にすると、この記録が裏付けるトレードは売りかヘッジだ。訴訟以上の決着をもたらすのは、メーン州で係属中の棄却申立てと、12月が期限のロンドンの決断という二つの出来事である。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



