AI向け光ファイバー価格、25年の5倍も コーニングCEO「利益の主役は価格ではない」
トレンドフォース(TrendForce)は、2028年まで続く供給不足を背景に、AI向け光ファイバー価格が今年は2025年水準の平均5倍超に達すると予測する。コーニングの決算発表は1週間後に迫る。だがウェンデル・ウィークスCEO自身、価格は同社が利益を上げる手法ではないと言う。つまりPER61.7倍の株価が買っているのは、売り手本人が割り引いた物語だ。
Richard Tang · 3 min read
トレンドフォースは現在、AIグレードの光ファイバー価格が今年は平均で2025年水準の5倍超になると予測している。その根拠は、1億8000万ファイバー・キロメートルの供給不足、92%の設備稼働率、そして工場を1つ増やすのに18~24カ月かかるという事情だ12。これがコーニングへの強気シナリオ+2.07% — コーニングへの強気シナリオ, up 2.07 percent as of its last quoteであり、その筋立てを当のCEOがこのほど半ば否定してしまった。10月27日の決算発表を前に、PER61.7倍を払ってどちらの物語を買うのか決めておく必要がある12。
需要は本物、ただし数年先まで完売
供給不足は現実で、契約も既に結ばれている。コーニングの光通信セグメントは4~6月期に売上高が32%増の20億7000万ドルとなり、セグメント純利益は77%増だった13。メタ+6.91% — メタ, up 6.91 percent todayとは2030年までに最大60億ドル規模の供給契約を結び、ベライゾン・コミュニケーションズ−2.11% — ベライゾン・コミュニケーションズ, down 2.11 percent todayは2027~32年向けに8000万マイル超の光ファイバー供給を確約。AT&T−6.28% — AT&T, down 6.28 percent todayとも9月に30億ドル超の契約を締結した13。
価格の物語、当のCEO自身が割り引く
だがウェンデル・ウィークスCEOは、米ウルフ・リサーチのアナリストに対し、光ファイバー価格の上昇について「価格上昇が収益性改善のけん引役というのは、本当のところ違う」と語った。収益改善を支えるのはネットワークの構築コストを下げる高付加価値のコネクティビティ製品で、生産能力さえあればもっと売れるはずだという。つまり価格と品薄を軸にした強気シナリオの株価は、売り手自身が語る利益率の実態より割高だ1。
見るべきは損益ではなくキャッシュ
ただ、その生産能力の増強費用はまだ払い終えていない。4~6月期のキャッシュフローが設備投資を賄えたのは、顧客からの前受金やインセンティブ8億8000万ドルがあったからこそだ。さらにコーニングは、ベライゾン発表の3日後にゴールドマン・サックスと組み、20億ドル規模のATM方式の株式売出しを開始している3。
経営陣による株売却は直近12カ月で計1億1200万ドルに達し、買い付けは一件もなかった。さらにポメランツ法律事務所が、この売出しの開示内容の調査を進めている234。一方、ウィルミントン市は先ごろ、コーニングがまだ建設を確約していない5億8500万ドル規模の工場について、500万ドルの優遇策を承認した234。見るべきは損益の数字ではなく四半期報告書(10-Q)だ。すでに株式が売り払われているのなら、増設の資金は収入に数年先立って調達済みということになる234。
二つの陣営、ウィークス氏はその一方の旗頭
目標株価はまさにこの論点で割れている。シティ+1.09% — シティ, up 1.09 percent todayの220ドルとUBSの201ドルが買っているのは供給不足であり、バーンスタインの140ドルが買っているのはウィークス氏の説明だ15。
私もウィークス氏と同じ側に立つ。ただし、本人が口にしなかったひねりをひとつ添えて、だ。価格が5倍に上がることが確定している以上、昨日の価格で結ばれた契約は買い手にとって安く、履行する側には高くつく。だからこそ、ATM方式の株式売出しも顧客からの前受金も株式の希薄化も、光通信セグメントの成長率より重い存在になる。最初のホップである「価格」から歩き出し、最後のホップ――6年がかりの建設資金を誰が賄うのか――まで、順にたどってほしい。
同じ供給不足でも、ウォール街の目標株価は80ドル超の開き
Data
| Value | |
|---|---|
| シティ | 220 |
| UBS | 201 |
| トゥルイスト | 182 |
| バーンスタイン | 140 |
メタは水曜日に、コーニングは10月27日に決算を発表する1。供給不足ストーリーの正否を告げるのは、その後に提出される四半期報告書(10-Q)だ1。
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