PJMのバックストップ入札が始まらなかった日、アマゾンは原発の電力を20年分買った
コンステレーション・エナジーは、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)によるPJMの6831メガワット(MW)分のバックストップ調達(backstop procurement)の凍結を受けて2カ月ぶりの安値を付けた。だが直後、米メリーランド州唯一の原発でアマゾン向けの20年・690メガワットの契約を発表した。30億ドルの増強を賄う内容だ。止まったばかりの容量市場に応えるのは、相対取引市場だ。
Vincent Jiang · 3 min read
売りが反転したのは午後4時
コンステレーション・エナジーは9月30日、約4%下落して2カ月余ぶりの安値を付けた。FERCがPJMの6831メガワットの容量不足に備えた単発の調達を2027年2月28日まで停止したためだ1。同社は午後4時、アマゾンとの20年契約を発表した。契約はメリーランド州唯一の原発カルバート・クリフスの690メガワットを対象とし、190メガワットの出力増強(アップレート)と出力1790メガワットの同原発全体への30億ドル超の投資を含む2。株価は時間外取引で一時5%高となった3。
凍結された入札、争点は費用負担
バックストップ入札はちょうど同日に開かれ、10月21日まで実施される予定で、新設電源に最長15年の契約を提供するはずだった4。FERCは中核の設計を認めつつ、費用の分担方法をめぐって5カ月間の停止とした。ローラ・スウェット議長は「同地域の電力供給の信頼性は瀬戸際にある」と警告した。リンジー・シー委員は「新たな需要に起因する費用を既存の顧客に負担させるべきではない」と記した5。PJMの前回の入札はすでに1メガワット・日あたり325ドルの上限価格で成立し、発電事業者に164億ドルが支払われていた6。
アマゾンの当初計画、選挙で頓挫
アマゾンはかつて、原発の敷地そのものに建てようとしていた。総面積240万平方フィート(約22万平方メートル)のデータセンター団地の計画だ。だが、データセンターへの怒りが色濃く出た6月の予備選挙でカルバート郡の有権者が郡委員3人を落選させ、計画は8月に撤回された7。今回の契約に団地は要らない。カルバート・クリフスの発電電力はすべて、引き続きPJMの系統へ流れる2。PJM自身が提出した書類も、相対契約はバックストップの調達目標を縮小させると説明している4。

この流れ、始まってまだ9日
グーグルは9月21日、米ジョージア州のボグル、ハッチ両原発を対象に、出力増強のうち約96メガワット分を後押しすることで合意した。その枠組みとなるのが、州規制当局に申請された新たな料金制度だ8。アマゾンの今回の契約は、こうした後押しの2例目にあたる。しかも舞台は、市場を挙げた調達が直前に止まったPJMの管内だ。
契約で確保した下限、凍結された入札
株価の明暗がその隔たりを物語る。年初来の下落率は、コンステレーション・エナジーが31%、NRGエナジーが42%、タレンは約21%の下落だ1。同社は今、カルバート・クリフスで20年契約による収入の下限を確保したうえ、運転期間をさらに20年延ばす認可更新への道筋も持つ2。一方のNRGとタレンが抱えるのは、TDコーウェンの言う「深刻な」不確実性だ1。
卸電力3社、年初来21〜42%下落 最も落ちたのはNRG
Data
| Value | |
|---|---|
| NRGエナジー | -42% |
| コンステレーション・エナジー | -31% |
| タレン | -21% |
契約価格は公表されていない。契約で新たに加わるメガワットが届くのは2030〜32年で、凍結されたバックストップが対象としていた供給年度より後だ2。相対取引という道は確かに存在する。ただ、遅く、小さい。
アマゾンの相対取引での回答、PJMの凍結分の10分の1
Data
| Value | |
|---|---|
| PJMバックストップ不足分 | 6,831 MW |
| カルバート・クリフス(現状) | 1,790 MW |
| アマゾン20年契約 | 690 MW |
| 新規出力増強 | 190 MW |
修正申立ての期限は2月28日
PJMは、FERCの指示を反映させていると説明している5。注目は、再提出されるバックストップ調達の条件と、カルバート・クリフスの認可更新手続きだ。FERCは調達を凍結できても、契約を凍結することはできない。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



