アヤー・ラボの社員らが50億ドル超の評価で株を売却、1人目の社員はこのほど8800万ドルを調達しメモリーウォールに挑む
アンテロ・ピークが主導した2億2500万ドルのセカンダリー(既存株)取引で、アヤー・ラボの評価額は50億ドル超となった。3月時点から3割の上振れで、2025年の推定売上高の約55倍に相当する。その3週間後、同社の1人目の社員が8800万ドルを携えて新興ヴォランティスを旗揚げ、すぐ隣のテーマであるメモリーウォール(memory wall)に光技術で挑む。
Vincent Jiang · 3 min read
初期株主が出口へ
2026年9月10日、アヤー・ラボがシリーズEの1億5000万ドル規模の追加調達を発表する傍らで、会社に新規資金を1ドルももたらさないもう一つの取引も成立していた。アーティザン・パートナーズのアンテロ・ピーク・グループが主導し、初期の従業員と投資家から合計2億2500万ドル相当の株式を購入。セコイア・グローバル・エクイティーズ、アーク・インベスト、グレイクロフトも参加した。評価額は50億ドル超で、アヤー・ラボ自身が3月につけた評価額から3割上振れる水準だ12。この光半導体メーカーを築いた人々が株を売り、ファンドが代金を支払った。
半年違いの二つの評価額
シリーズEは2026年3月3日に完了した。ニューバーガー・バーマンが主導する5億ドル調達で、評価額は37億5000万ドル、累計調達額は8億7000万ドルとなった2。今回の追加により、2026年の一次(プライマリー)調達額は6億5000万ドル、累計は10億ドル超に達し、エヌビディア、AMD、インテル、メディアテック、アルチップが名を連ねる戦略投資家陣に緯穎科技(ウィウィン)(TWSE: 6669)が加わった12。緯穎科技は年内の早い時期にも出資しており、3月には資金とともに、1024基超のアクセラレータへ拡張できる光接続ラック構想を打ち出した2。
最高の評価額も、新たな信頼は買えない
この50億ドルのうち、アヤー・ラボに届いたのは1ドルたりともない。全額が売り手側に渡った。評価倍率も推計頼みだ。あるトラッカーは2025年の売上高を9160万ドルと推計しており、この売却価格は前年売上高の約55倍という計算になる3。本当に意味があるのは1億5000万ドルの方だ。マーク・ウェイドCEOによれば、顧客の本格導入が2028~29年に始まるため、この資金で2027年末までに全製品を量産向け認定(クオリフィケーション)まで仕上げる必要があるという。あわせてベンガルールにも設計拠点を開設した1。
アヤーのセカンダリー取引価格、外販型フォトニクスの公表評価額をすべて上回る
Data
| Value | |
|---|---|
| Celestial AI(マーベル買収の下限) | $3.25B |
| アヤー・ラボ(3月・一次調達) | $3.75B |
| Lightmatter(報道値) | $4.4B |
| アヤー・ラボ(9月・セカンダリー) | $5B+ |
1人目の社員は、もう一つの壁へ
アヤー・ラボの1人目の社員で、かつてはエンジニアリング担当副社長を務め、その前はマイクロンでHBM(高帯域幅メモリー)の開発を率いたロイ・ミード氏が、2026年10月1日、ヴォランティスの共同創業者兼最高技術責任者(CTO)として再び姿を現した5。同社は同日、8800万ドルのシリーズA調達を発表し、ラッキー・グルーム氏とアブストラクト・ベンチャーズが共同リードを務めた。調達総額は9700万ドルに達し、初の統合型推論エンジンを2027年に顧客へ提供するとしている4。
アヤー・ラボはチップとチップをつなぐ。ヴォランティスが光を向けるのはメモリーウォールだ。同社のリンクはヒ化ガリウム上のマイクロVCSEL(面発光レーザー)を使い、200ミリメートル超に達する。銅配線は5ミリメートル前後で力尽きる。220個を超えるメモリーチップレットを束ねられるという6。出資者にはサム・アルトマン氏、ジェフ・ディーン氏、調査会社SemiAnalysis創業者のディラン・パテル氏が名を連ねる。A-1は20兆パラメーター超のモデルを毎秒1万トークンで動かし、1ドルあたりに処理できるトークン数はエヌビディアの「ルビン」の15倍だと主張する。この最後の数字は会社側の主張で、顧客が裏付けたものではない74。
一つの物差し、三つの値
アンテロ・ピークのクリス・スミス氏は、光によるスケールアップについて「2020年代末にかけて本格的に拡大する態勢が整っている」と述べた。同氏の言葉を借りれば「重大な転換点」だという1。市場は半分だけ頷いている。マーベル・テクノロジー(MRVL)は2025年12月、Celestial AIを最低32億5000万ドル、マイルストーン達成で最大55億ドルで買収することで合意。一方、LightmatterのシリーズDでの評価額44億ドルは、単一の報道を根拠とする数字だ85。ただ、セカンダリー(既存株)取引が値をつけるのは、実際に動いた株だけだ。アヤー・ラボは自らのゴールに届くため、なお1億5000万ドルを必要としていた。
決着は二つの日付
焦点は、アヤー・ラボが2027年末までに量産向け認定を取れるか、そしてヴォランティスが2027年に顧客へ初のエンジンを届けられるかの二つだ14。マーク・ウェイド氏がこの期間を守れば、9月に売った人々は高い値を取り逃したことになる。守れなければ、50億ドルという値を手にしたのは彼らだけだった、ということになる。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



