Basetenが3年分のGPUを確保、つけを抱えるのはWhiteFiber転換社債の投資家
WhiteFiberの主力施設「NC-1」キャンパスは8月に課金を開始した。これに加え、新規に締結したGPU契約は5億4000万ドル超に上る。署名済みの契約と毎月の請求額の間を埋めているのは約3億4200万ドルの転換社債で、株価は新たな転換価格を42%下回っている。
Vincent Jiang · 3 min read
WhiteFiberのノースカロライナ州のキャンパス「NC-1」は8月、建設段階から顧客による本格利用へと移行した。課金が始まり、契約電力40メガワット全体が同月末までにランレート(定常)課金に達する見通しだった2。テナントはNscaleと、その投資適格格付けを持つオフテイカー(引き取り企業)だ。期間10年、総額約8億6500万ドルの契約となる2。決算発表を受け、株価はプレマーケット(時間外取引)で13%急騰した1。
買い手は処理能力を確保した
WhiteFiberは5月以降、当初契約期間の総額が5億4000万ドルを超える複数年クラウド契約を新たに結んだ。内訳は、カナダ・オンタリオ州でエヌビディアのGPU「B300」1392基を供給するBasetenとの3年・1億6500万ドル、同じくカナダで「VR200」576基を供給するPrime Intellectとの1億800万ドル、パリ地域での5年・1億6000万ドル超、それにアイスランドでの8750万ドルの配備だ21。すべてが稼働すれば、クラウド事業全体で年換算2億ドル超の売上高になるという2。
公表済みの買い手で最大のBaseten自身も、評価額260億ドルでの資金調達を間近に控えている。6月の評価額の2倍だ。AI推論スタートアップの利益率が薄いのは、主に計算コストが高止まりしているためだ6。Basetenの調達とWhiteFiberの5%転換社債は、同じ取引である。署名したのが机の反対側というだけだ。
NC-1の基幹契約は新規GPU契約4件の合計を上回る
Data
| Value | |
|---|---|
| NC-1・Nscale(10年) | $865M |
| Baseten(3年) | $165M |
| パリ地域(5年) | $160M |
| Prime Intellect(3年) | $108M |
| アイスランド(5年) | $87.5M |
契約と課金の橋渡しは負債
これらの契約が結ばれた四半期の課金売上高は2880万ドルで、前年同期比54%増となり、市場予想(コンセンサス)の1800万ドルを上回った。1株当たり純損失は0.39ドルだった12。ただし売上のうち1230万ドルは、すでに開示済みだった顧客契約の解約に伴う一時的な収入だった2。これを除くと課金売上高は約1650万ドルにとどまり、予想を下回る。決算の上振れを支えたのは、続いている契約ではなく、終わった契約への支払いだった。
転換社債の山、課金売上を圧倒
同じ四半期の設備投資は1億7550万ドルに達し、期末時点の有利子負債は3億2100万ドルだった5。同社は8月21日、2032年満期の5%転換社債3億1000万ドルの発行を転換価格33.84ドルで完了した。あわせて、既存の2031年転換社債1億9820万ドル分について、現金1億1850万ドルと株式630万株を対価とする交換を行った389。現在、約3億4200万ドルの転換社債が、3000万ドルに満たない四半期の課金売上高と対峙している3。
設備投資は直近7四半期のうち6期で課金売上を上回る
- 課金売上高
- 設備投資
Data
| 課金売上高 | 設備投資 | |
|---|---|---|
| 24年10~12月期 | $14.6M | $72.84M |
| 25年1~3月期 | $16.77M | $50.17M |
| 25年4~6月期 | $18.66M | $80.8M |
| 25年7~9月期 | $20.18M | $14.51M |
| 25年10~12月期 | $23.56M | $121.78M |
| 26年1~3月期 | $21.92M | $143.09M |
| 26年4~6月期 | $28.84M | $175.54M |
市場は代償を織り込んだ
株価は発行を発表した日に25.8%急落して20.09ドルとなり4、9月25日の終値は19.62ドルと、新たな転換価格を42%下回った7。個人投資家は、決算の上振れから1日以内に、先行して発行されていた2億3000万ドルの転換社債にいち早く警鐘を鳴らしていた1。アナリスト11人のうち10人は今も「買い」相当の投資判断を維持しており、平均目標株価は40.82ドルだ7。
前受金が負担の一部を担う
建設資金を支えるのは株式だけではない。前受収益は1億4300万ドルに達し、その大半は「NC-1」キャンパスとクラウド展開に向けた顧客からの前受金だ。調整後EBITDAは550万ドルのプラスだった。四半期中にはプロジェクトベースの融資8320万ドルも受けた2。経営陣は「NC-1」を担保とする融資をめぐり、貸し手コンソーシアムと独占交渉中だ。ただし、有利な条件で成立するとは限らず、そもそも成立しない可能性もあると同社は説明している。あわせて、顧客側がハードウエアの資金を負担するマネージドサービスモデルも提案している2。このフライホイール(好循環)が回れば、署名から課金までの間をつなぐのは発行株数の増加ではなく、顧客のキャッシュだ。
第3四半期決算が分かれ道
第3四半期の売上高に関する市場予想は3128万ドル7。ランレート課金に実際に到達したかどうかを占う最初の判断材料となる。パリ地域の展開は9月末のサービス開始を目標としていた2。見るべきは契約ではなく請求書だ。ハードウエアの資金を先に立て替える側が、代金が回収されるまでリスクを背負う。今回はそれを担うのがWhiteFiber転換社債の投資家で、Basetenほか買い手は利ざやを刈り取る側に回る。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.


