眠らないウォール街、決済ドルを選ぶ席にサークル
サークル(Circle)、リップル、スタンダードチャータードの投資部門SCベンチャーズが、仮想通貨取引所OKXに出資した。出資前評価額は250億ドルの据え置き。その数日前、OKXと米インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)の合弁会社は米優良株63銘柄のトークン化株式取引を申請したばかりだ。トークンは決済用ステーブルコインで決済され、当初報じられた3種のうち1種をサークルが発行する。
Vincent Jiang · 3 min read
7カ月たっても同じ評価額
OKXは10月6日、サークルとリップル、スタンダードチャータードのSCベンチャーズ、ロンドンのクオントファンドQube Research & Technologiesの4社が3月の資金調達ラウンドの追加枠に出資前評価額250億ドルで参加したと明らかにした2。各社の出資額は公表していない。ニューヨーク証券取引所を傘下に持つICEは3月、まさにこの評価額で約2億ドル分の株式を取得していた1。OKXを率いるスター・シュー氏は「必要に迫られて資金調達したわけではない」と話す2。
新たな株主の視線の先
新たな株主の眼差しが向かう先は、ICEとOKXが折半出資する合弁会社OKXICEだ。元ニューヨーク州知事のアンドリュー・クオモ氏が共同議長を務める3。10月4日付の同社の届出は、9月17日に発効した米証券取引委員会(SEC)の「イノベーション免除」(Innovation Exemption)を適用し、エヌビディア、アップル、コカ・コーラなど63社のトークン化株式を、OKXのブロックチェーン「Xレイヤー」上で24時間取引する内容だ。トークン1つひとつに、本来の株式と同じ配当と議決権が伴う134。
ドル発行のライバル、プールは一つ
届出は、トークンを「対応する決済用ステーブルコインとのペアで」取引すると説明する。特定のドルが選ばれたわけではない4。報じられている当初の3種は、サークルの「USDC」、グローバルダラー(Global Dollar)の「USDG」、テザーの「USDT」だ3。リップルの「RLUSD」は現在OKXの売買板で取引されているが、3種には名を連ねていない2。ドルを発行する2社のライバルは今、両社の製品のどちらを選ぶかを決める場を共同所有する取引所の株主でもある23。
発行会社側には対抗手段がある。上場を望んでいない会社は30日以内に異議を唱えることで、自社株の取引を阻止できる。AIチップメーカーのセレブラスはすでにこの権利を行使した35。もっとも、OKXの決済アプリが最大10%という最上位の利回りを提供しているのは「USDC」ではなく「USDG」だ2。
なぜサークルは選ばれたいのか
売上高のほぼすべては、USDCの裏付けとなる準備金の利息収入だ。2026年4〜6月期は7%増の7億130万ドルに伸びたものの、市場予想の7億1750万ドルには届かなかった。準備金の運用利回りは0.66ポイント低下して3.5%となり、株価は年初来約20%下げている6。新たな株式市場の決済通貨となること――それこそが、この状況をある程度好転させてくれる需要だ。
気まずい問題もある。200億ドルを超えるUSDCがコインベースの製品の中にあり、流通するUSDC全体の30%超に上る7。コインベースはその準備金収入の一部を受け取っており、米国以外の顧客には自社のトークン化株式をすでに販売している75。
サークルの売上高、26年4〜6月期に持ち直すも26年の両四半期は25年10〜12月期のピーク下回る
Data
| 売上高 | |
|---|---|
| 24年7〜9月 | $445.76M |
| 24年10〜12月 | $435.37M |
| 25年1〜3月 | $578.57M |
| 25年4〜6月 | $658.08M |
| 25年7〜9月 | $739.76M |
| 25年10〜12月 | $770.23M |
| 26年1〜3月 | $694.13M |
| 26年4〜6月 | $701.32M |
小さな市場、もろいルール
そのすべてが載っているのは、集計サイトRWA.xyzによれば約32億ドル、1カ月で15%増というトークン化株式市場だ9。イノベーション免除は法律ではなく、当局の命令にすぎない。2031年9月に失効し、各取引所の扱える銘柄は主要75社まで、銘柄ごとの売買は前月売買高の0.25%までに制限される。クオモ氏自身、次の連邦議会による精査を見込んでいる5。評価額が250億ドルのままだったことこそ、この7カ月の仕事に対する市場自身の評価だ1。
11月に決まる
取引の開始は11月上旬以降となる。エンヴィディア、アップル、コカ・コーラの3社はいずれも、30日以内に異議を唱えて参加を拒める35。その後の焦点は、プールが実際に取り扱うステーブルコインの顔ぶれと、リップルのドルが次の選考に残るかどうかだ。眠らない市場はいまだ、決済にどのドルを使うかを選ばなければならない。その選定のテーブルは、評価額250億ドルのまま席を売ったばかりだ。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



