サーラス・ロジック、シナプティクス買収提案を認め撤退 オンセミコンダクターは1株123ドルの現金で買収へ

iPhone向けオーディオチップを供給する米サーラス・ロジックが提出したフォーム8-K(臨時報告書)は、同社の提案を起点にオンセミコンダクターの買収条件が約70億ドルの株式交換から1株123ドルの現金へと変わった経緯と、同社が現時点で取引を追求していないことを裏付けた。公的記録に残る最後の提示額は1株102.50ドルだった。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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シナプティクスのラーフル・パテル社長兼最高経営責任者(CEO)
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シナプティクスのラーフル・パテル社長兼CEOは、取締役会がオンセミコンダクターの1株123ドルの現金買収提案を受け入れるまで、サーラス・ロジックの提案への対応に当たってきた。

米サーラス・ロジック+1.49% — 米サーラス・ロジック, up 1.49 percent todayが10月13日、憶測に終止符を打った。ジェフ・ウォラード最高財務責任者(CFO)が署名したフォーム8-Kは、同社が米カリフォルニア州サンノゼのタッチパネルとエッジAI向けの半導体メーカー、シナプティクス−0.70% — シナプティクス, down 0.70 percent todayに「買収提案を行った」こと、シナプティクスと米オンセミコンダクター+1.18% — 米オンセミコンダクター, up 1.18 percent todayの合併関連書類で「当事者A」とされるのが同社であること、そして「現時点では取引を追求していない」ことを明らかにした。一方、こうした書類に記された提案内容の説明が正確だと認めることには応じなかった。1

オンセミコンダクターの株主にとって、当事者Aの提示額は、資金の一部を借入金で賄る1株123ドルの現金価格を市場がどう裁くかの試金石だ。67 サーラス・ロジックの株主に公開記録が描くのは、米アップル−0.11% — 米アップル, down 0.11 percent todayの「iPhone」向けオーディオチップを土台に築き、その外の成長を狙って買収レースに踏み切り、落札を逃し、もう手を引くと宣言した企業の姿だ。12

入札合戦の口火を切った買い手

ブルームバーグが10月10日、買い手はサーラス・ロジックだと報じた。同社はコメントを控えていたが、火曜日提出のフォーム8-Kがその答えとなった。210 一連の書類が描く駆け引きは、報道より何か月も前から始まっていた。

当事者Aの最高経営責任者(CEO)が買収を初めて持ちかけたのは2026年2月12日。相手はシナプティクスのラーフル・パテル社長兼CEOだった。3 当事者Aは3月13日、終値73.87ドルに対して1株95ドル(うち現金35%)を提示し、4月1日には1株102.50ドル(うち現金45%)に増額した。3 シナプティクス側の特別委員会は4月20日、1株120ドルを提示して対抗した。5月11日にはシナプティクス株は126.55ドルまで上昇し、4月1日から74%高となっていた。当事者Aの財務アドバイザーはこの上昇を「重大」と評したが、確約は何もしなかった。3

シナプティクスはオンセミの株式を選んだ

シナプティクスは代わりに、6月25日、米アリゾナ州のパワー半導体メーカー、オンセミコンダクターと契約した。対価はすべて株式で、シナプティクス株1株につきオンセミ株1.35株。企業価値は約70億ドルとなる。4 S-4(登録届出書)の直近の価格算定日である8月4日時点で、この株式対価はシナプティクス株1株当たり109.05ドルの価値だった。3

9月の提示額はいまだ秘密のまま

当事者Aは9月2日、一方的で拘束力のない提案を再び持ち込んだ。その後これを修正し、シナプティクスの取締役会が「優位な提案(Superior Proposal)」と評価する内容に改めた。5 オンセミコンダクターは10月1日、1株当たり123ドルの現金で応じた。総額は約57億ドルで、株式を対価とする当初の取引の約70億ドルを下回る。支えとなるのはモルガン・スタンレー−1.69% — モルガン・スタンレー, down 1.69 percent todayによる24億5,000万ドルのシニア担保付きタームローンだ。76 取締役会は全会一致で対抗提案はもはや優位ではないと判断し、契約に調印した。5

9月の提示価格を明かした開示書類は存在しない。ブルームバーグは現金と株式を組み合わせた内容だと報じた。2 その数字が表に出るまで、オンセミコンダクターの株主は自社の支払う123ドルを、取締役会が優位と判断した唯一の対抗案の額と比べることができない。

サーラスが95ドルで開いた入札を、オンセミが現金123ドルで締めた

$0$50$100$150SYNA終値(3月13日)$73.87サーラスの提示(3月13日)$95サーラスの提示(4月1日)$102.5取締役会の希望額(4月20日)$120オンセミの株式対価(8月4日)$109.05オンセミの現金(10月1日)$123サーラスの9月の提示後
Data
Value
SYNA終値(3月13日)$73.87
サーラスの提示(3月13日)$95
サーラスの提示(4月1日)$102.5
取締役会の希望額(4月20日)$120
オンセミの株式対価(8月4日)$109.05
オンセミの現金(10月1日)$123
日付の付く各段階でのシナプティクス株1株当たり価格(ドル)。市場終値、書面による提案2件、取締役会の対抗提示、6月の株式対価の換算価値、最終的な現金価格を並べた。出典:オンセミコンダクターのS-4(2026年8月21日)、シナプティクスのフォーム8-K(2026年10月1日)3,5

値付けを誤ったのはどちらか

サーラス・ロジックは8か月にわたりシナプティクスの価格を形づくってきた。だが最後の書面提案は、オンセミコンダクターの支払額より20.50ドル低い水準にとどまった。3 表に出た記録はオンセミコンダクターの規律を裏付ける。1株123ドルの現金は、取締役会が4月に自ら求めた120ドルを上回った。同社の説明では、取引完了時にオンセミコンダクターの1株当たり利益(EPS)を押し上げるという。7 代償はレバレッジだ。現金に並んで、24億5,000万ドルの担保付き債務が加わる。6

現金での買収はサーラス・ロジックの手の届かない話だった。6月末時点で現預金8億1,070万ドル、有利子負債1億3,050万ドルだったからだ。8 時価総額は約54億ドルで、シナプティクスの48億ドルを少し上回る程度。書面提案の現金比率が35%、次いで45%にとどまり、残りをサーラス・ロジック株で賄ったのはそのためだ。23

サーラス・ロジックの現預金は8億1,070万ドルへ増加、シナプティクスの時価総額48億ドルの約6分の1

  • 現預金
  • 有利子負債総額
$0M$500M$1,000M24年9月期24年12月期25年3月期25年6月期25年9月期25年12月期26年3月期26年6月期買収提案が終わった四半期:現預金8億1,070万ドル
Data
現預金有利子負債総額
24年9月期$445.76M$152.61M
24年12月期$526.44M$146.48M
25年3月期$539.62M$143.72M
25年6月期$548.87M$141.35M
25年9月期$593.48M$140.47M
25年12月期$778.08M$137.31M
26年3月期$800.93M$133.98M
26年6月期$810.67M$130.46M
サーラス・ロジックが米証券取引委員会(SEC)へ提出した資料に基づく各四半期末の現預金と有利子負債総額(単位は100万ドル)。対象は2024年9月期から2026年6月期まで。買収合戦が終わった時点でシナプティクスの時価総額は約48億ドルあり、現預金が2倍に膨らんでいても全額現金の買収提案は賄えなかった計算になる。出所:サーラス・ロジックのSEC提出資料の四半期数値(2026年10月13日取得)11

結末は委任状勧誘資料が語る

シナプティクスは、合併契約の修正から10日以内に予備的な委任状勧誘資料(プロキシー)をSECへ提出する義務がある。10月13日時点で、提出はまだない。69 その経緯を記す章には、価格の梯子でまだ抜けている一段である9月の条件が載るはずだ。5 S-4(登録届出書)の計算では、102.50ドルは今後12か月の売上高の約3.9倍、123ドルは約4.7倍となる。3 この先は株主投票が控え、取引完了は2027年半ばまでの見通しだ。それまでの間、123ドルは、どの提出書類にも載らない価格と比べて評価され続ける。7

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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