ファースト・ソーラー、中国特許庁が無効判断した特許でJAソーラーとコーニングのフェニックス工場を提訴
JAソーラーと、フェニックスの2ギガワット規模組立工場を稼働するコーニングの子会社が、2030年まで有効な特許の新たな標的となった。トルイスト(Truist)は、年初来32%安の株価を270ドルとみる。
Vincent Jiang · 3 min read
訴訟は4件目、コーニングも被告に
米国を代表する太陽光メーカー、ファースト・ソーラー−3.39% — ファースト・ソーラー, down 3.39 percent todayは10月1日、JAソーラーの関連4法人とAmerican Panel Solutionsを、米国特許9130074号の侵害で米デラウェア州連邦地裁に提訴した。この特許はトンネル酸化膜パッシベーション接点(TOPCon)型結晶シリコンセルの製造方法を保護する。TOPConは従来のPERC方式に取って代わり、世界のサプライチェーン(供給網)で急速に広がっている12。
American Panel Solutionsはガラス・素材大手コーニングの完全子会社で、コーニングが2025年7月にJAソーラーから買い取ったフェニックスの2ギガワット規模モジュール工場を運営している。中国系資本の米国内工場が税額控除規制で圧迫される中での買収だった13。ファースト・ソーラーは損害賠償に加え、係争モジュールの輸入・組立・販売を禁じる恒久的な差止命令を求めている14。
JAソーラーとAmerican Panel Solutionsは、2025年2月以降で提訴対象となった4組目のメーカーグループだ。ジンコソーラー(JinkoSolar)、カナディアン・ソーラー(Canadian Solar)、トリナ・ソーラー(Trina Solar)に続く1。2026年2月には、輸入差し止めが可能な米国際貿易委員会(ITC)に申し立て、AxitecからVSUNまで10グループを被告に挙げた。ただしファースト・ソーラーは9月に申し立てを取り下げ、連邦地裁での訴訟に切り替えた。一連の権利行使は、トリナ・ソーラーのテキサス工場を買収したT1 Energyにも及ぶ14。
原告は訴訟対象の製品を自ら作らない
ファースト・ソーラーが米国内で製造しているのはカドミウムテルリド(CdTe)の薄膜モジュールであって、その薄膜を駆逐した結晶シリコンセルではない25。係争特許は、同社が2013年に買収したセル技術の新興企業TetraSunとともに手に入れたもので、2030年まで、さらにその先も有効だ。このため訴訟の1件ごとが、競合方式の2020年代残りの米国売上高に対する請求となる12。
だが、訴訟の土台となる特許自体が争われている。2026年5月、中国特許庁はジンコソーラーの無効審判請求を受け、074号特許の全請求項を無効とする審決を下した。ジンコソーラーとカナディアン・ソーラーは、米国での再審査でも同じ結論を求めている1。一方、米国特許商標庁(USPTO)の特許審判部(PTAB)は2025年11月20日、ジンコソーラーによる、特許の有効性を争う手続き「当事者系レビュー(Inter Partes Review)」の申立てを却下した1。
強気見通しと特許、同じ2020年代が舞台
トルイスト(Truist)+0.52% — トルイスト(Truist), up 0.52 percent todayのアナリスト、クリストファー・サザー氏は10月12日、ファースト・ソーラー株の投資判断を「中立」から「買い」に引き上げ、目標株価を229ドルから270ドルに引き上げた。根拠に挙げたのは、2030年代まで続くとみられる価格の下支えと、12月上旬から外国産シリコンモジュールに適用される232条ベースの輸入下限価格(1ワットあたり44セント)だ56。同社の現行モジュール「Series 7」は2028年まで受注で埋まっており、リターンは2020年代後半の受注残に懸かる56。基盤事業そのものが不安材料というわけではない。粗利益率は第2四半期に57.3%と、12四半期ぶりの高水準を付けた7。
株価は10月13日に4%高となり、186.21ドルまで上昇した。とはいえ年初来約32%の下落を経て、なお29%安い水準にとどまる。トルイストの強気論の拠り所は関税と受注残であって、訴訟ではない56。翌14日、モルガン・スタンレー−0.77% — モルガン・スタンレー, down 0.77 percent todayは金利の上昇を株価評価のリスクとして指摘した。この日の株価は4.01%下落した8。10月15日には、ケン・グリフィン氏関連のシタデル(Citadel)事業体がスケジュール13Gで540万9576株、発行済み株式1億746万9788株の5.0%に当たる保有を開示し、通常の投資活動による受動的な(パッシブ)保有であると証明した9。
トルイストの新目標株価、現値を45%上回る
Data
| 株価 | |
|---|---|
| 10月13日の株価 | $186.21 |
| トルイスト旧目標 | $229 |
| トルイスト新目標 | $270 |
訴訟が積み重なる中、粗利益率は12四半期ぶりの高水準に
Data
| 粗利益率 | |
|---|---|
| 23年7~9月期 | 47% |
| 23年10~12月期 | 43.3% |
| 24年1~3月期 | 43.6% |
| 24年4~6月期 | 49.4% |
| 24年7~9月期 | 50.2% |
| 24年10~12月期 | 37.5% |
| 25年1~3月期 | 40.8% |
| 25年4~6月期 | 45.6% |
| 25年7~9月期 | 38.3% |
| 25年10~12月期 | 39.5% |
| 26年1~3月期 | 46.6% |
| 26年4~6月期 | 57.3% |
デラウェア州連邦地裁の差止命令が出れば、その効力はフェニックス工場での組立てや販売にまで及ぶ。逆に米国で特許が無効とされれば、2030年までの損害賠償やライセンスを求める請求は幕を下ろすことになる1。目を向けるべきは再審査の審理経過だ。特許の存続期間は2030年までだが、その命運を左右する無効化の挑戦はすでに動き出している。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



