TSMC CEO、インテルのパッケージング顧客の引き受け表明――インテル株は5%超下落
インテルのファウンドリー事業の立て直しは、顧客の2027年の量産立ち上げに合わせて確保したEMIB-Tパッケージの受注が支える。10月15日、世界最大の受託半導体メーカー、TSMCが量産が遅れた場合の「受け皿」に自ら名乗りを上げ、インテル株は5%超下落した。
Vincent Jiang · 3 min read
魏CEOが「イエス」と明言
台湾積体電路製造(TSMC−2.33% — TSMC, down 2.33 percent today)が10月15日に開いた第3四半期決算説明会で、モルガン・スタンレー−0.77% — モルガン・スタンレー, down 0.77 percent todayのアナリスト、チャーリー・チャン氏は魏哲家CEOに、インテル−6.29% — インテル, down 6.29 percent todayのEMIB-Tパッケージを採用しながら供給が足りなくなった顧客をTSMCが引き受けるのかと尋ねた12。EMIB-Tはインテルの先進パッケージ技術「Embedded Multi-die Interconnect Bridge」で、TSMCの「CoWoS」と競合する。「直接答えるのは避けたいが、あえて言えば、イエス、引き受ける」と魏氏は述べ、TSMCが最優先するのは顧客の「製品を円滑に市場投入できること」だと付け加えた1。
先進パッケージは、完成したロジックダイと高帯域幅メモリー(HBM)を1つのAIチップに組み合わせる工程だ。シリコンが完成していても、パッケージ不足は製品投入を遅らせる1。同日午前、インテル株(INTC)は5%超下げた。半導体株が一斉に売り込まれる中で、サムスン電子+2.62% — サムスン電子, up 2.62 percent todayとSKハイニックス−6.61% — SKハイニックス, down 6.61 percent todayは10%超の下落となった17。
インテルの成長の柱、パッケージ受注残
魏CEOが誘いをかける先は、インテルのファウンドリー立て直しの核心そのものだ。グーグルは2028年に第9世代テンソル処理ユニット(TPU)300万個超のパッケージングをインテルへ発注したと報じられている。アマゾン−2.33% — アマゾン, down 2.33 percent todayの「Trainium3」やメディアテクの推論向けチップも同じプラットフォームに載るとの報道があり、シスコとスペースXがインテル・ファウンドリーの顧客であることは確認済みだ3。
インテルのデービッド・ジンズナー最高財務責任者(CFO)は、外部向けパッケージングの見通しを「数億ドル」から「顧客1社当たり数十億ドル」へ引き上げた3。2026年第2四半期の外部向けファウンドリー収益は2億9300万ドルにとどまっており、短期的な成長を支えるのはパッケージの受注残だ3。
「受け皿」を申し出たTSMC、自社はすでに満枠
やっかいなのは、TSMC自身のパッケージこそが供給のボトルネックになっていることだ。CoWoSは2026年いっぱいに加え、2027年も相当先まで受注で埋まっており、リードタイムは52~78週間に達している3。TSMCはグローバル・ファウンドリーズ−5.15% — グローバル・ファウンドリーズ, down 5.15 percent todayに5年間で20億ドルを支払い、CoWoSパッケージ内部の接続層に当たるシリコンインターポーザーを米ニューヨーク州マルタで2028年上半期から生産してもらう56。さらに台湾の基板メーカー、Kinsus InterconnectとEMIBに類似したプログラムを開発中との報道もある4。
それでも魏CEOは、顧客の受け皿となる供給能力を確保すると確約した。TSMCはレチクルサイズ(露光装置が1回の露光で転写できる面積)の5倍の面積のパッケージを「極めて良好」な歩留まりで生産しており、9倍、続いて14倍への拡大も計画している。CoWoSのコスト削減も進めている1。
TSMCの四半期売上高、2年でほぼ倍増 10~12月期の見通しはさらに上
- 売上高
- Estimate
Data
| 売上高 | |
|---|---|
| 24年7~9月 | $24.05B |
| 24年10~12月 | $26.73B |
| 25年1~3月 | $25.42B |
| 25年4~6月 | $31.95B |
| 25年7~9月 | $32.48B |
| 25年10~12月 | $33.45B |
| 26年1~3月 | $35.43B |
| 26年4~6月 | $39.85B |
| 26年7~9月 | $46.12B |
| 26年10~12月 (estimate) | $53.3B |
過去最高益が『受け皿』公約を支える
申し出を支えるのは、絶好調の業績だ。2026年7~9月期の純利益は235億9000万ドルと前年同期比69%増で、6期連続で最高益を更新した。売上高は461億2000万ドルだった17。TSMCは2026年10~12月期の売上高を523億~543億ドルとする見通しを示した。ロイター通信が前年の基数として挙げる337億3000万ドルからの増加となる(チャートはSEC提出資料通りの334億5000万ドルで作成)。2026年通年では約44%の増収を見込み、設備投資は600億~640億ドルで据え置く178。
純利益は6期連続で過去最高を更新
Data
| 純利益 | |
|---|---|
| 23年7-9月 | $6.54B |
| 23年10-12月 | $8.2B |
| 24年1-3月 | $7.05B |
| 24年4-6月 | $7.62B |
| 24年7-9月 | $10.3B |
| 24年10-12月 | $11.07B |
| 25年1-3月 | $10.95B |
| 25年4-6月 | $13.63B |
| 25年7-9月 | $14.84B |
| 25年10-12月 | $15.53B |
| 26年1-3月 | $17.88B |
| 26年4-6月 | $22.16B |
| 26年7-9月 | $23.59B |
対抗材料と10月29日の正念場
魏哲家(ウェイ・チェジャ)の約束は、インテルが供給を果たせばTSMCに何の費用も生まない。インテルのリップブ・タン最高経営責任者(CEO)は7月の決算説明会で、EMIB-Tの注文は増えており、歩留まりと信頼性の目標は達成済みで、顧客の2027年の量産立ち上げに向けて生産を増強していると説明した1。米証券会社キーバンク(KeyBanc)のサプライチェーン調査では、7月中旬時点のEMIB-Tの歩留まりは98%前後とみられる3。
TSMCが2027年1月からウエハー価格を3~6%引き上げるとの報道も、インテルに自社価格を引き上げる余地を与える8。また、Kinsusとのプログラムが7月30日に浮上した際には、先進パッケージ市場は2社で成立するほど大きいとの読みから、TSMCは7.6%高、インテルは約13%高と株価が急伸した4。
インテルは10月29日に2026年7~9月期決算を発表する9。外部向けファウンドリー収益の行方と、EMIB-T受注をめぐる新たな情報の有無が、先進パッケージの受注残の次の値踏み材料になる。今回問われるのは、ファウンドリー最大手があふれた需要の引き取りを申し出た以上、この受注残が希少価値を保てるかどうかだ。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



