ニデック、6000億円の融資枠更新を銀行に要請 監査法人の署名はまだない

ニデックは三菱UFJ銀行と三井住友銀行に対し、総額6000億円(約38億ドル)のコミットメントライン(融資枠)の更新を交渉している。東京証券取引所が監査済み財務諸表の提出を求める期限は10月28日で、残り26日。逃せば上場廃止だ。更新の前提となる決算には、PwCジャパンの意見の表明差控え(disclaimer of opinion)が付いたままである。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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タイ政府関係者との2010年の会談で笑う、ニデック創業者の永守重信氏
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ニデック創業者の永守重信氏(2010年)。氏が課した「営業利益率10%」の厳命の下で経営幹部は監査法人から失敗を隠そうとし、永守氏は2月に名誉会長を退任した。

期限の26日前に持ち込まれた要請

ニデックは三菱UFJ銀行と三井住友銀行に対し、総額6000億円(約38億ドル)のコミットメントラインの更新を打診している。金額を含め、何も決まっていない1。要請の背後で時計は進む。東京証券取引所は10月28日までに監査済み財務諸表の提出を求め、果たせなければ上場廃止につながる。同社銘柄は2025年10月から特設注意市場銘柄に指定されたままだ2。

株主はすでに痛手を負った

ニデックは2026年3月期、配当を実施しなかった。すでに払い出した229億6000万円の配当は、分配可能額を超える超過配当となっている3。コミットメントラインは資金供給の約束だ。その約束がいま後ろ盾にしようとしているのは、帳簿をどの監査人も適正と認めない借り手である。

監査法人が拒み続ける理由

PwCジャパンは2026年3月期の決算について意見の表明差控えとした。十分な監査証拠が得られないこと、費用の不適切な計上が続いていること、以前の不適切行為に関わった役員が報告経路に残っていること——を理由に挙げた257。計上済みの減損が十分な金額かどうかも検証できないとしている5。

創業者の永守重信氏は、350社余りある子会社のすべてに営業利益率10%を求めた。経営幹部らが未達を隠そうとするなか、永守氏は社内でくすぶる会計不正への疑念をPwCに隠そうとした5。永守氏は2月に名誉会長を退任した5。

売上は伸びても、6320億円の減損

ニデックの2026年3月期は、最終損益が5646億円の赤字となった。EV駆動事業を中心に6320億円の減損を計上したためだ。一方で売上高は3.9%増の2兆7090億円と伸びていた24。営業損益は1282億円の黒字から5190億円の赤字に転じた4。

今週計上した1兆1000億円の減損のうち、約4800億円は会計不正に由来する5。打撃は、新たなトップを置くことになった事業部門に最も重くのしかかった3。

ニデックの6320億円減損、うち4880億円はモーター3部門

¥0B¥100B¥200B¥300BACIM¥298.8BNPe(車載モーター)¥116.3BNMOJ¥73.1B
Data
Value
ACIM¥298.8B
NPe(車載モーター)¥116.3B
NMOJ¥73.1B
2026年3月期の部門別減損損失(単位:億円)。通期で計上した6320億円のうち、大きい順に3部門で計4882億円を占める。ACIMは家電・商用・産業モーター部門、NPeは車載モーター部門。出所:Ainvest、2026年10月2日2,3

強気材料もある

機械は今も売れている。第3四半期の営業利益は31%減の284億円だったが、売上高は4.8%増え、AIコンピューティングを支えるデータセンター向け冷却事業がけん引した42。2027年3月期の会社計画は売上高2兆8000億円、親会社株主に帰属する利益1000億円4。大和は、減損等を除けば事業はなお営業黒字を確保していたとみている2。

新CEOには、財務報告をめぐる問題で辞任した岸田光哉氏の後を受けたMichio Kaida氏が就いた8。Kaida氏は木曜日に陳謝し、今月中に監査済み財務諸表を提出すると約束した。PwCジャパンは、10月末までに監査意見をまとめられるよう作業を進めているとしている6。Kaida氏はまた、家電・自動車からエネルギーインフラ、AI関連製品、半導体へ経営資源を移している6。

株価は木曜日、10.8%安の2100円で終えた。この1週間で約27%下落し、時価総額は約160億ドルに縮んでいる45。だが、署名がなされるまで、この数字のどれも意味を成さない。

署名なきまま10月28日を迎えれば

更新の条件は明らかになっていない。監査済みでない帳簿の後ろだてに銀行2行がどんな対価を求めるのか――そこが読み解く手がかりになる。6000億円の融資枠が未実行のままなのか、すでに会社の資金繰りを支えているのかも、公表された情報からは分からない。オアシス・マネジメントは保有株式を約8%まで積み増しており、銀行の辛抱に代わる選択肢として、ベインやKKR級による非公開化が常に浮上している5。この融資枠は、いまだ誰も目にしたことのない署名への賭けだ。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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