OpenAI、20ドルのChatGPTログインがDevinなど開発者向けツール16種の課金メーターに

OpenAIは9月29日の開発者向けイベント「DevDay」で「Sign in with ChatGPT」の提供を始めた。契約者がDevinにログインすると、Devinが行うOpenAIへの呼び出しはその人のChatGPT利用枠から差し引かれ、APIの請求は別途来ない。コグニション(Cognition)は9月、評価額480億ドルで20億ドルを調達し、製品は手元に残した。ただ、その利用枠を握るのは、Devinの競合コーデックス(Codex)を擁するOpenAIだ。

原文を読む

Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
Share
2023年6月、エルサレムで握手を交わすイスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領(写真左)とOpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)(写真右)
1 / 7Slide 1 of 7
OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)。DevDayで訴えたのは「契約者はすでにChatGPTの料金を払っている。だからツール側がトークン費用を負担する必要はもうない」という理屈だ。

ログイン1つ、16ツール、2枚目の請求書なし

9月29日のDevDayでOpenAI$1.18T — OpenAI, private, latest valuation $1.18Tは「Sign in with ChatGPT」の提供を始めた。月20ドルのChatGPTプランが、他社の製品の代金を払うようになったのだ1。コグニション(Cognition)~$10B — コグニション(Cognition), private, latest valuation ~$10Bのコーディングエージェント「Devin」にログインすれば、Devinが行うOpenAIへの呼び出しは、プランに付いたChatGPT Workとコーデックス(Codex)の利用枠を減らしていく。APIキーは要らず、請求書は2枚目が来ない12。Devinはローンチ時のパートナー16社の1つで、Notion~$10B — Notion, private, latest valuation ~$10BやVercel、Lovable~$1.8B — Lovable, private, latest valuation ~$1.8Bが名を連ねる13。

1か月で2つの評価額、差はほぼ10倍

コグニションは9月8日、評価額480億ドルで20億ドル超の資金調達を確定させた。評価額260億ドルのラウンドから4か月後のことだ。その土台となる年換算売上高(ランレート)は、同社によれば4億9200万ドルから9億ドル近くへ増えた4。最有力の挑戦者Factoryは9月15日、評価額50億ドルで2億ドルを調達し、4月の評価額の3倍をつけた5。

Devinのメーターを握るのはコーデックスの持ち主

Devinの直接の競合であるOpenAI自前のエージェント、コーデックスは、この課金レールが稼働を始めた同じ朝にDevDayでの機能強化を受けた3。こうしてChatGPTへのログインは、DevinによるOpenAI利用分の課金の受け口となった。コグニション自身がOpenAIとアンソロピック(Anthropic)$350B — アンソロピック(Anthropic), private, latest valuation $350Bへの依存を減らそうと自社モデルの訓練を進めている、まさにそのさなかに4。上場を目指すOpenAIにとって、サブスクリプション経由で課金される仕事のほうがAPIキーより離れにくい3。両社間で実際に何が――あるいは何も――やりとりされるのかは開示されていない。詳細に踏み込んだ唯一の記事は、手数料は発生していないと伝える6。

価格は下がる、倍率はプラットフォーム並み

この連携の対象は有料プランだけだ。Pro(月20ドル)、Max(同200ドル)、Teams(月80ドル+席ごとに40ドル)で、利用上限はユーザーが週単位で設定する。クラウド、デスクトップ、CLIのいずれでも使える6。同じ月、コグニションはSWE-2を、自社の算定ではタスク1件あたりのコストが前世代から81%安い額で投入した。アンソロピックのFable 5.1比では、ベンチマークの点差が1点以内のまま64%安い7。前出の詳細記事はコスト削減を最大70%と数える6。カーソル(Cursor)は、スペースX(SpaceX)+1.40% — スペースX(SpaceX), up 1.40 percent todayが600億ドルを支払う前、売上高20億ドル超で評価額500億ドルを背負っていた。コグニションのマルチプル(収益倍率)は今、それを上回る4。

ログインのメーターは月20~200ドル

$0/mo$50/mo$100/mo$150/mo$200/moChatGPT Pro$20/moChatGPT Teams$80/moChatGPT Max$200/mo
Data
Value
ChatGPT Pro$20/mo
ChatGPT Teams$80/mo
ChatGPT Max$200/mo
「Sign in with ChatGPT」の下でDevinなど他のローンチパートナーへの支払いに充てられるChatGPTプランの月額。クラウド、デスクトップ、CLIで利用でき、Teamsは月80ドル+席ごとに40ドルで、上限は週単位でユーザーが設定する。出所:Startup Fortune6

コグニションの480億ドル、600億ドルの出口と50億ドルの挑戦者に挟まれる

$0B$20B$40B$60Bカーソル(スペースXに売却)コグニション(シリーズE)Factory(9月ラウンド)$5Bカーソルが春に付けた収益倍率を上回る
Data
評価額
カーソル(スペースXに売却)$60B
コグニション(シリーズE)$48B
Factory(9月ラウンド)$5B
自律型コーディングのスタートアップ各社の評価額(単位は10億ドル、2026年)。カーソルはスペースXによる4月の買収額、コグニションは9月8日のシリーズEでの評価額、Factoryは9月15日のラウンドで4月評価額の3倍。出所:TechCrunch、ロイター4,5

強気の根拠と、泥仕合

アルトマンの売り文句は単純明快だった。「ユーザーはすでにAIのサブスクリプションにお金を払っている。だからもう、彼らのトークン費用を負担して使い始めてもらう必要はない」3。FactoryのCEOは、コグニションの売上(営業)担当のポストに就いた顧問を、守秘義務違反だとして解任したと明かした。当の顧問とコグニションはいずれも否定している89。両社に出資するヴィノード・コスラはFactoryを「苦戦する二番手の競合」と評し、セコイア・キャピタルのショーン・マグワイア(Shaun Maguire)は「あいつらを終わらせるための核兵器を握っている」と言い返した8。

見るべきは利用枠、次にサーバーラック

利用枠から差し引かれようと、API経由で請求されようと、トークンが燃やすのは借りたシリコンだ。コグニションは、コアウィーブ(CoreWeave)上でエヌビディア(Nvidia)の「ベラ・ルービン(Vera Rubin)NVL72」サーバーラックを本番環境で使う最初の顧客だ。SWE-2の推論では、トークンのスループット(処理能力)が4.8倍と測定された10。上場銘柄に読み替えれば、ナスダック上場のコアウィーブ+1.05% — コアウィーブ, up 1.05 percent today(ティッカー=CRWV)とエヌビディア−0.47% — エヌビディア, down 0.47 percent todayだ。注目すべきは2点ある。1つはコグニションの次の年換算売上高(ランレート)の発表。もう1つは、16社のローンチパートナーがアンソロピックやグーグルのモデルを自由に動かし続けられるかどうかだ。エージェントは独立のままだ。メーターはそうではない。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

Reader comments

0 comments

    Sign up

    Get your curated digest

    After email confirmation, you will receive a daily digest of the most relevant news that matter to your portfolio