シリコム、5割増収へ7070万ドルの在庫を先行構築――株価25.9%急落、10月29日決算が正念場
イスラエルのネットワーク機器メーカー、シリコムは自ら示した収益急増の見通しに備え、7070万ドルの棚卸資産を前もって構築した。その後、会社側からの発表がないまま株価は5営業日で25.9%下落した。10月29日の決算発表は、この在庫が「待機中の収益」なのか「すでに使われた現金」なのかを決める。
Vincent Jiang · 3 min read
サーバー向けネットワークカードとエッジアプライアンスを手掛けるイスラエルのシリコム+5.28% — シリコム, up 5.28 percent today(ナスダック上場)の株価が急落している。2026年10月19日午後の取引では41.08ドルと、直近5営業日で25.9%の下落となった。10月6日に付けた過去52週間の高値63.00ドルからの調整が深まった形だ12。会社側からの情報はない。同社のニュース配信で最新の項目は、10月29日の第3四半期決算発表の日程を知らせる通知にとどまる1。下落は市況に連動した。アナリストらはこの週のハイテク株売りを5年超ぶりの規模と評しており、AI関連融資への懸念からコアウェイブ−0.11% — コアウェイブ, down 0.11 percent todayとネビウス+2.78% — ネビウス, up 2.78 percent todayがそれぞれ25%超下げている1。それでも同社株は年初来179%上昇しており、時価総額は2億3600万ドルにある1。
増収の備えは“前払い”済み
2026年7月29日、最高経営責任者(CEO)のリロン・アイゼンマン氏は通期の収益見通しを8200万〜8300万ドルから9300万〜9500万ドルへと引き上げた。増収率にして50%超である。従来分は第1四半期の決算説明会で設定したもので、第3四半期は2500万〜2600万ドル、上限ベースで約66%の増収を見込む345。部品は、売上請求書よりも先に届いていた。2026年6月30日時点の棚卸資産は7070万ドルに達し、2025年末の5270万ドルから膨らんだ。上半期の営業キャッシュフローは1620万ドルの流出で、前年同期は350万ドルの流入だった6。現金・預金・有価証券は約7400万ドルから約5500万ドルに減った46。在庫積み増しの負担の一部は仕入れ先が担っている。買掛金は2520万ドルへと2倍以上に膨らんだ6。それでも上半期は450万ドルの損失となり、在庫を積み増す傍らで270万ドルの在庫評価損も計上した6。

5四半期連続の増収、その先に待つ2550万ドルのハードル
- 収益
- Estimate
Data
| 収益 | |
|---|---|
| 2025年1〜3月期 | $14.39M |
| 2025年4〜6月期 | $15.02M |
| 2025年7〜9月期 | $15.61M |
| 2025年10〜12月期 | $16.91M |
| 2026年1〜3月期 | $19.1M |
| 2026年4〜6月期 | $23.81M |
| 2026年7〜9月期(予) (estimate) | $25.5M |
買い手の名簿は1社だけ
米ボストンに拠点を置き26億7000万ドルを運用するポートラン・キャピタル・マネジメントは2026年9月23日、12万6321株を1株48.58ドルで買い増し、発行済み株式の5.06%に達した。株価41.08ドルの今、この保有分は含み損だ9。GuruFocusの集計では、シリコム株を保有する著名投資家(グル)はポートラン1社のみという9。会社関係者(インサイダー)は直近12か月間で370万ドル分の株を売却し、買いはゼロだった10。うち8月には101万ドルの売却があった2。第3四半期の予想を公表しているアナリストは1人だけだ。その数値は収益2550万ドル(63%増)、1株当たり0.04ドルの損失を見込む8。
経営陣が語る倉庫の事情
積み増しは意図的なものだと会社は言う。納期を守るため、リードタイムの長いメモリチップを前もって購入しているという。その土台は無借金の貸借対照表で、流動比率は3.06。経営陣は手持ち資金について、少なくとも12か月分は十分とみている46。9月2日までにデザインウィン(採用獲得)は8件に達し、2025年通期の実績に並んだ。このうち、フル稼働時に年間500万ドル超で初期注文済みのティア1(大手)クラウド型サイバーセキュリティ顧客は年末前に立ち上がる11。会社は下期に四半期ベースの非GAAP(non-GAAP)利益を約束している3。
収益は65%増、貸借対照表上の現金は半減
- 収益
- 貸借対照表上の現金
Data
| 収益 | 貸借対照表上の現金 | |
|---|---|---|
| 25年1~3月 | $14.39M | $51.17M |
| 25年4~6月 | $15.02M | $52.3M |
| 25年7~9月 | $15.61M | $38.42M |
| 25年10~12月 | $16.91M | $35.16M |
| 26年1~3月 | $19.1M | $30.03M |
| 26年4~6月 | $23.81M | $25.15M |
決算発表が決めるもの
焦点は3つある。収益がガイダンス下限の2500万ドルをクリアするかどうか。棚卸資産が出荷につながるか、それとも積み上がり続けるか。そして、アイゼンマンCEOが「定例の事務手続き」と評したシェルフ登録(shelf registration)をめぐる何らかの動きがあるかどうか――。CEO自身、その資金はAI推論向け需要の急増にも充てられ得ると認めていた4。棚卸資産は「賭け」だ。10月29日がその決済日となる。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



