小包税は逆効果 中国勢、英で倉庫640万平方フィートを獲得
中国のEC企業が賃借する英国倉庫の面積は18カ月でほぼ3倍に膨らんだ。大型倉庫の賃貸成約面積に占める割合は4%から11%に拡大し、米国勢を抜いた。PDDホールディングスはこの倉庫整備をセグメント別に報告しない。整備を支えるのは株主で、在庫を抱えるのは出店者だ。
Vincent Jiang · 3 min read
小包はダービー近郊の倉庫へ移った
かつて中国の倉庫から英国の郵便受けへまっすぐ飛んでいた格安品は、いまはダービー近郊で出番を待つ。その待ち場所は、シェインが6月に賃借した64万5000平方フィートの物流センターだ1。過去18カ月間で中国のEC企業は、英国で平均20万平方フィートの賃貸契約を21件結び、さらに7棟の専用倉庫を建設させた 1。
その合計は640万平方フィートで、英国の大型倉庫の賃貸成約面積の11%に当たる。直前の18カ月は4%、さらにその前は1%未満だった1。米国企業の440万平方フィートを上回る1。ナイトフランクはこの動きを「アマゾンに挑む」準備の表れと読む1。
中国勢、英倉庫の賃借で米国勢を上回る
Data
| Value | |
|---|---|
| 中国勢(直前18カ月) | 2.2M sq ft |
| 米国勢(過去18カ月) | 4.4M sq ft |
| 中国勢(過去18カ月) | 6.4M sq ft |
税が効いたのは小包だけ
倉庫群は、こうした販売者を止めるために作られた税に対する回答だ。英国は135ポンド以下の輸入品への免税枠を2028年10月に廃止する。大手小売業16社が早期実施を求め、6カ月前倒しされた2。EUは2026年7月1日から、150ユーロ未満の小包に1個あたり3ユーロを課し始めた 3。
小包は急減した。オランダで46%、ベルギーで53%の減少 4。ラトビアでは低額輸入品の申告件数が6月の71万件超から、以後は月に約52万5000件へ落ち込んだ 5。だが取引は消えていない。オランダ税関の報告では、企業はまとめて輸入し、EU域内で保管する方式に切り替えつつある4。
テムはEU域内に構えた自社運営倉庫10カ所を通じて、欧州向け注文の8割を現地で配送することを目指す。EU向け輸送量のうち航空貨物が占める割合は35%まで低下した3。関税は販売者を止められなかった。止めたのは小包であり、販売者は物流網を買い取った。
つけはPDDのセグメント開示の外に落ちる
テムはPDDホールディングスの傘下だが、同社はテムを単独のセグメントとして開示していない。セミマネージド(半委託)モデルへの移行で、現地在庫を抱えるのはプラットフォームではなく出店者だ8。PDDの財務諸表を見ると、この倉庫整備のごく一部しか同社に載っていない。6月30日時点の使用権資産は約6億ドル。現金・短期投資は673億ドルに達する6。
英国で最大の賃貸契約は、物流会社ブレックマン(Bleckmann)が中国系顧客数社のために結んだ、マグナパーク・ノースの76万1000平方フィートだ1。規模の大きい契約の大半は、高速道路が交わるミッドランズの「ゴールデントライアングル(黄金の三角地帯)」に集中する。この税の最も明確な勝者は、同地域の不動産オーナーだ1。

割安な株価と政界の強硬派
第2四半期決算には、そのひずみが表れた。売上高は8%増の1124億元、営業利益も8%増。だが純利益は12%減。「その他の損失」が11億ドル振れたためで、その理由は説明されていない67。市場はこの転換を、52週安値の77.81ドル。過去12カ月の利益を基準にしたPER(株価収益率)は約8.4倍で、同業他社は23倍という水準で値付けしている。保有するヘッジファンドは66社から52社に減り、浮動株の3.28%が空売りされている8。強気派は、潤沢な現金と115.50ドルのコンセンサス目標株価を対抗材料に掲げる8。
PDDの売上高は伸び続けるも、純利益はついてこない
- 売上高
- 純利益
Data
| 売上高 | 純利益 | |
|---|---|---|
| 23年7~9月期 | $9.43B | $2.13B |
| 23年10~12月期 | $12.51B | $3.28B |
| 24年1~3月期 | $12.02B | $3.88B |
| 24年4~6月期 | $13.37B | $4.41B |
| 24年7~9月期 | $14.16B | $3.56B |
| 24年10~12月期 | $15.16B | $3.76B |
| 25年1~3月期 | $13.18B | $2.03B |
| 25年4~6月期 | $14.52B | $4.29B |
| 25年7~9月期 | $15.21B | $4.12B |
| 25年10~12月期 | $17.71B | $3.29B |
| 26年1~3月期 | $15.41B | $1.82B |
| 26年4~6月期 | $16.54B | $4B |
英国政界の流れは逆だ。カーンズ氏は「シェインの安物を英国にあふれさせる」ことが英国民の懐を潤すのかと問いかけ1、小売業界団体は2028年10月という時期すら遅すぎると突き上げている2。
注目は小包ではなく倉庫
640万平方フィートのうちどれだけがテム向けなのか、それを示す情報源はない1。それこそがポイントだ。PDDが単独のセグメントとして開示しないこの転換を測れる唯一の公的な物差しが、賃貸契約の積み上げなのだ8。次の観測ポイントは、ナイトフランクが次回発表する賃貸成約面積と、交渉中で2026年11月からの導入が見込まれるEU圏一律の2ユーロの取扱手数料だ3。
| 変更内容 | 地域 | 時期 |
|---|---|---|
| 150ユーロ未満の小包への1個当たり3ユーロの賦課金 | EU | 2026年7月1日発効 |
| 小包への2ユーロの取扱手数料(交渉中) | EU | 2026年11月から導入見込み |
| 定額賦課金を本格的な関税に切り替え | EU | 2028年7月 |
| 135ポンドの免税枠を撤廃 | 英国 | 2028年10月 |
EUでは2028年7月、定額賦課金に代わって本格的な関税が導入される。英国が135ポンドの免税枠を撤廃するのはその3カ月後だ13。PDDがテムを単独のセグメントとして開示しない限り、倉庫の動きがすべてを物語る。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



