Z.aiのコーディングエージェント、4万2411ファイルを“丸呑み” つけを払うのは開発者
ZCodeは開発者のワークスペース全体を、Z.aiにしか開けないアーカイブに詰め込み、アリババクラウドへの送信を564回試みて失敗していた。修正版と監査が示すのは「空のバケット」で、株価は8月下旬、上場価格の約9倍に達していた。
Vincent Jiang · 3 min read
同じ2週間、Z.aiをめぐる2つの物語は並行して走り、交わることはなかった。1つ目は信頼のスキャンダルだ。同社のコーディングエージェント「ZCode」が、開発者のワークスペース全体を暗号化アーカイブに詰め込み、564回のアップロード失敗をログに残していたことが発覚した。送信先はアリババクラウドだった12。
もう1つは収支の話である。自社開発のAIエージェントが10万基を超える中国製アクセラレータの上に推論基盤を築き3、株価は8月下旬までに1月の上場価格の約9倍に達していた4。1つ目のつけを払うのは開発者であり、2つ目こそが事業そのものだ。
取得は無条件、封をした鍵はZ.aiだけが持つ
2026年9月18日、ferstarの名で活動する開発者が、容量の膨れ上がったZCodeのディレクトリをたどり、ある商用プロジェクトの暗号化スナップショット(313メガバイト)に行き着いた。4万2411ファイルで、大半はGitの履歴とキャッシュされたアセットだった125。このアーカイブは564回のアップロード失敗の後、未送信のまま残っていた。538ファイルの公開リポジトリを約15キロバイトに圧縮した2つ目のスナップショットは、アリババのストレージに届いていた12。
中身はAES-256-CTRで封印され、鍵はRSA-OAEPでラップされていた。秘密鍵はZ.aiのサーバーにしか存在せず、ferstarにもZCodeクライアントにも、持ち出された中身を開くことはできなかった126。取得は無条件に実行された。ユーザーに見えていた2つの設定が制御するのは取得後の利用であって、スナップショットを取るかどうかではない1。Z.aiは発生源を、デフォルトで有効になる「コードベースインデックス(Codebase Indexing)」機能だと特定した7。
詰め込まれたアーカイブの大半はGitの履歴とキャッシュされたアセット
- Gitラージファイルキャッシュ196.1MB62.6%
- Gitオブジェクト(全コミット履歴)102.2MB32.7%
- reflogとその他14.7MB4.7%
Data
| Slice | Value | Share |
|---|---|---|
| Gitラージファイルキャッシュ | 196.1MB | 62.6% |
| Gitオブジェクト(全コミット履歴) | 102.2MB | 32.7% |
| reflogとその他 | 14.7MB | 4.7% |
削除を証明するのは、削除した側
バージョン3.14.0では「Repo Wiki」への入り口とリポジトリアップロードの処理が取り除かれ、ソースコードはApache-2.0ライセンスでGitHubに公開された689。省傘下の評価機関、中国情報通信研究院(CAICT)は「zcode-prod」バケットがデータゼロの状態であることを確認し、NSFOCUSもバケットとその中の全オブジェクトが削除済みであることを裏付けた89。Z.aiはデータを「モデル学習に使ったことは一度もない」と説明し、評価報告書の全文公開を約束している69。
公開されたリポジトリにあるコミットは2つだけだ。開発履歴もアップロードのコードも消えており、以前の挙動はもう検証できない16。この仕組みがどれだけの期間動いていたのか、いくつのワークスペースを取得したのか、誰も明かしていない1。中国の大手ロボット企業1社は、社内でZ.ai製ツールの使用を禁止した10。中でも最も重かった、データベースのパスワードを含む6つのワークスペースという企業への告発は、告発した本人が誤った証拠だとして撤回している17。
機械は止まらなかった
ferstarの投稿の前日、Z.aiはGLM-5.3-Flashについて、匿名の「Ox Alpha」として6日間で62兆トークンを処理した後、10万基を超えるアクセラレータクラスタ上で2週間足らずに本番稼働へ移行し、スループットがおよそ3倍になったと明らかにした。数値はいずれも同社の発表による34。7月まで「Knowledge Atlas Technology(智譜)」を名乗っていた同社の株は、公開価格116.20香港ドルに対し、8月下旬には1,100香港ドル近くで取引されていた。2025年は売上高7億2,430万元、純損失47億元だった4。
騒動の渦中にあった週を通じ、9月26日付の香港ストックコネクト資金フロー週報は、同社株を注目銘柄の一つに挙げ続けていた。フローの向きはペイウォールの内側にあり、中国本土の資金が買いに回っていたのか売りに回っていたのかは、そこからは読み取れない11。
保証はすべて、鍵を持っていた側から
信頼の請求書は、ファイル単位にまで明細がつく。複利の積み上がりは、トークン単位にまで刻まれる。削除を保証するのは、かつて鍵を唯一握っていた当事者だけだ。モデル訓練には使っていないという主張も同社の言葉であり、中国情報通信研究院(CAICT)とNSFOCUSの評価報告書全文には公表のめどが立っていない168。報告書が表に出るまで、帳簿は一つの署名で閉じられたままだ。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



