AI向けレーザーで受注倍増 アイクストロン、26年見通しは据え置き
第3四半期(7~9月)の受注額(速報値)が約2億7500万ユーロと前年同期の2倍超となったのを受け、独レーザー製造装置メーカーの株価は10月16日、約10%急騰した。2026年の見通しは動いておらず、市場が値付けをし直しているのは2027年だ。
Vincent Jiang · 3 min read
前日13%急落、翌朝10%急騰
半導体レーザー素子の内部に結晶層を成長させる製造装置を手がけるアイクストロン+6.17% — アイクストロン, up 6.17 percent today(FSE: AIXA)は10月15日、2026年第3四半期(7~9月)の受注額が約2億7500万ユーロ(3億900万ドル)になったと速報で明らかにした。アナリスト予想(コンセンサス)は2億1460万ユーロ、前年同期は1億2400万ユーロだった17。営業利益は約5700万ユーロで、営業利益率は31%(前年同期は13%)。売上総利益率は約48%だった1。
市場は2度、大きく揺れた。株価は10月15日、AI関連株の急落に巻き込まれて13%近く下落。翌16日朝には独店頭取引市場トラデゲート(Tradegate)で約10%急騰し、独主要証券取引所クセトラ(Xetra)での前日終値30.98ユーロから34.14ユーロへ上昇した23。過去12か月のレンジは依然として11.68~62.66ユーロだ3。
上振れても26年見通しは動かず
投資家が真っ先に確認する売上高は約1億8400万ユーロで、会社側が示した1億8000万ユーロ(±2000万ユーロ)の範囲に収まったにとどまった1。2026年の見通しは動いていない。売上高5億6000万ユーロ(±3000万ユーロ)、営業利益率17~20%とする4。第1四半期(1~3月)は売上高5940万ユーロで2230万ユーロの営業赤字を計上した。JPモルガンのクレイグ・マクダウェル(Craig McDowell)氏は、製品ミックスが正常化するにつれ第4四半期(10~12月)の売上総利益率は軟化し、通期はこの範囲内に収まるとみている42。
受注は別の筋書きを語る。受注額は顧客が発注を確定させた時点で計上され、装置が製造・出荷されて売上高として計上されるより相当早い。直近3四半期では1億7140万ユーロ、2億1450万ユーロ、2億7500万ユーロと増え続け、第3四半期売上高の約1.5倍に達した145。フェリックス・グラヴェルト最高経営責任者(CEO)も自らの発言の照準を来年に合わせた。受注について「2027年の事業見通しを明確に強化する」1と述べた。
受注額は1年で倍以上に膨らみ、売上高を上回る
- 受注額
- 売上高
Data
| 受注額 | 売上高 | |
|---|---|---|
| 2025年第3四半期 | €124 | €119.6 |
| 2026年第1四半期 | €171.4 | €59.4 |
| 2026年第2四半期 | €214.5 | €115.1 |
| 2026年第3四半期 | €275 | €184 |
品不足は一段、川上へ
受注台帳を埋めるのは一つの製品需要だ。AIデータセンターのラック間でデータをやり取りする光リンク向けのレーザー製造装置だ。光半導体・通信機器向けは装置売上高に占める割合が2025年上半期の9%から1年後には54%に膨らみ、一方、パワー半導体向けは71%から22%へと縮小した4。
光半導体・通信向け、1年で装置売上高の1割から過半へ
- 光半導体・通信
- パワー半導体
Data
| 光半導体・通信 | パワー半導体 | |
|---|---|---|
| 2025年上半期 | 9% | 71% |
| 2026年上半期 | 54% | 22% |
川下はすでに売り切れている。ルーメンタム−5.77% — ルーメンタム, down 5.77 percent todayのマイケル・ハールストン(Michael Hurlston)最高経営責任者(CEO)は10月9日、AI向け光部品について「完全に売り切れている」と述べ、一部製品では需要の約7割が来年まで満たされないと明らかにした。エヌビディアはルーメンタムとコヒーレントにそれぞれ20億ドルを出資して供給を確保しようとしている6。アイクストロンはこうしたメーカーに製造装置を売っており、入金は早い。前受金は6月末時点で1億9700万ユーロに達し、受注残高4億5690万ユーロの43%を占めた4。
強気材料は2026年ではなく2027年
市場で見方が割れているのは方向性ではなく、その時期だ。JPモルガン+1.11% — JPモルガン, up 1.11 percent todayは今回の事前発表が短期・中期の双方で業績予想の引上げにつながるとみている7。ジェフリーズ−0.72% — ジェフリーズ, down 0.72 percent todayのオム・バフダ(Om Bakhda)アナリストは、今回の受注の加速は2027年の売上高が現在の予想を相当に上回ることを示唆すると指摘する2。ドイツ銀行だけは投資判断「中立」を維持し、目標株価は44ユーロとしている3。
10月29日、受注台帳の中身が問われる
10月29日の正式決算では、9カ月間の業績数字とともに、受注残高がどれだけ売上に転じるかの最初の試金石が示される1。焦点は、受注残高が売上総利益率48%前後を保ったまま売上高へと結実するかどうかだ。
リスクは需要の集中にある。受注台帳を支える需要の担い手はAI向けレーザー一つで、CPO(コ・パッケージド・オプティクス。レーザーを独立したモジュールではなくスイッチチップに組み込む方式)への移行や、一社の顧客による発注時期の見直しがあれば、業績の実現は後ずれしかねない5。エヌビディア−1.59% — エヌビディア, down 1.59 percent todayはレーザーメーカーの囲い込みに1社あたり20億ドルを投じている。今回のアイクストロンの四半期決算が示すのは、品不足が一段、川上——レーザーを作る装置——へ移った、ということだ6。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



