アンソロピック、投資家の2兆ドルは欲しい 議決権はいらない
アンソロピックの共同創業者7人が株主に求めているのは、議決権の50.1%だ。各自の持ち分は約2%にとどまる。買い手が1.8~2兆ドルと値踏みする上場を前にした動きで、強気・弱気どちらの陣営も値をつけていないのは、この議決権だけである。
Vincent Jiang · 3 min read
創業者7人、持ち分各2%、議決権は過半
アンソロピック$350B — アンソロピック, private, latest valuation $350Bは株主に対し、7人の共同創業者に大半の議決事項で合わせて50.1%の議決権を与える複数議決権株式の承認を求めている。創業者各自の持ち分は約2%にすぎない1。この株式に経済価値の上乗せはなく、「ファウンダーLLC」に収められる。LLCが保有するのはクラスF株式1株で、7人の多数決で指図される。7人のうち3人が最低持ち分を維持する限り効力は続き、2人以下になると失効(サンセット)し始める23。同じ手法で支配権を維持してきたのがマーク・ザッカーバーグ氏とエバン・スピーゲル氏だ。集団による類似例として最も近いのがパランティア+0.53% — パランティア, up 0.53 percent todayである12。
目論見書自体が買い手に警告する
アンソロピックの未公表の目論見書は、この仕組みが「短期的、中期的、長期的な財務上の利益や事業業績と相反する可能性がある」こと、さらに「当社のクラスA普通株式の価値に悪影響を及ぼす可能性がある」ことを自ら認めている3。とはいえ、50.1%の議決権は取締役会の扉の前で止まる。取締役の選任が明記された例外だからだ4。7議席のうち過半を指名するのは長期利益信託(Long-Term Benefit Trust)で、メンバーには米連邦準備制度理事会(FRB)議長を務めたベン・バーナンキ氏も名を連ねる。創業者側の割り当ては2席から3席に増え、従業員には票が割れた際に決着をつける株式クラスが与えられる24。議席を数えれば、保有規模を問わず、外部株主が指名する議席はゼロだ。
アンソロピック取締役会の7議席、外部株主の指名はゼロ
Data
| Value | |
|---|---|
| 長期利益信託 | 4 |
| 共同創業者7人 | 3 |
| 外部株主全体 | 0 |
すでに投じている資金にも議決権はない
最大の外部株主であるアマゾン+0.43% — アマゾン, up 0.43 percent todayは、アンソロピックへの出資を1904億ドルと計上している。うち925億ドルは議決権のない優先株式で、上場時に同じく議決権のない普通株式へ転換される5。上場を支える需要は、無償では手に入らない。アカマイは55億ドルの設備投資と株式の5%に相当する新株予約権(ワラント)を含む116億ドルの契約を結び6、ブロードコム+1.49% — ブロードコム, up 1.49 percent todayは420億ドルを貸し付けた。さらに1100億ドル相当の計算資源(コンピューティング)が、2036年までアマゾンに向かう5。
値踏み合戦、議決権の錠は蚊帳の外
上場への出資を検討する投資家の提示価格は1.8兆~2兆ドル。下限でも、スペースX+3.99% — スペースX, up 3.99 percent todayが6月に上場した際の1.77兆ドルを上回る5。New Constructsはアンソロピックの価値を1500億ドルと算定し、今回の上場を「2026年で最もばかげたIPO」と評する。その論拠は、2兆ドルの評価がエヌビディア+1.58% — エヌビディア, up 1.58 percent todayの直近利益1900億ドルの2倍に相当する一方、アンソロピックの2025年の収益は46億ドル、純損失は420億ドル(うち340億ドルは現金支出を伴わない金融費用)という点にある57。同社の予測実績は両刃の剣でもある。2020年にはドアダッシュ+0.12% — ドアダッシュ, up 0.12 percent as of its last quoteの失敗を予言し、外れたからだ7。強気派は収益が12倍に増えたことを反論に使う3。いずれの陣営も利益を論じるが、議決権に値段をつける陣営はない。
OpenAIは減速、アンソロピックはハンドルを握る
サム・アルトマンは安全性を理由に、2026年の上場を「賢明ではない」と退けた。ダリオ・アモダイ自身も、AI企業は「ペースを緩めなければならない」と書いた8。アンソロピックは逆に加速する。10月14日に投資家向け説明会、10月25日ごろにS-1(有価証券登録届出書)の公開、そして感謝祭前の上場――と一気に進む5。一般投資家が資金提供を求められているのは、どの外部株主も――1900億ドルを投じた大口でさえ――舵を取れない会社の、今年最大の上場だ。10月14日の焦点は、一株一議決権を当然の前提とする資金が、意味のある票を決して手にできない株式にどれだけのディスカウントを要求するかである。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.


