バークレイズ、デル・HPE・ネットアップを中立に格下げ AIハード好況はメモリー価格サイクルと指摘

米バークレイズのティム・ロング氏は10月14日、デル、HPE、ネットアップの投資判断を「イコールウェート(中立)」に引き下げた。セクターの収益急増をAI需要ではなくメモリーコストの価格転嫁とみたためだ。同じ朝、米ゴールドマン・サックスは顧客に、メモリー価格に引っ張られるAI起因のインフレがピークに近いと伝えた。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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デル・テクノロジーズ創業者で最高経営責任者(CEO)のマイケル・デル氏
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マイケル・デル氏。同社のAIサーバーの採算構造が、バークレイズの格下げ判断の核心にある。

米バークレイズのアナリスト、ティム・ロング氏は2026年10月14日、米デル・テクノロジーズ−3.92% — 米デル・テクノロジーズ, down 3.92 percent today、米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE)−2.85% — 米ヒューレット・パッカード・エンタープライズ(HPE), down 2.85 percent today、ネットアップの投資判断を「オーバーウェート(買い)」から「イコールウェート(中立)」に引き下げた12。対象3社は今年に入って株価がそろって2倍以上に上昇したエンタープライズ(法人向け)ハードウェア銘柄で、同行自身の投資判断基準でいえば「買い」から「中立」への変更に当たる。14日朝の取引でデルは8.8%、HPEは5.1%、ネットアップは3.5%それぞれ下げた1。格下げの理由は単刀直入だった。「現在の堅調なエンタープライズ収益は、この段階でのエンタープライズAIへの移行というより、メモリーコストの影響を大きく反映したものとみている」とロング氏はリポートに記した2。

バークレイズ「AI需要でなくメモリーコストが要因」

ロング氏がカバーするエンタープライズ関連の7銘柄は今年約140%上昇し、米S&P500種の14%を大きく上回る。グループの2027年予想利益を基準にした株価収益率(PER)は約21倍で、過去5年の平均である約15倍を大きく上回る水準にある1。この日の取引開始時点で年初来の上昇率はデルが355%、HPEが186%、ネットアップが123%だった2。同氏はデルの目標株価を603ドルから574ドルに引き下げ1、HPEは83ドルから77ドルに下げ、ネットアップは219ドルに据え置いた8。

デルは年初来355%高、市場は14%高

0%100%200%300%400%デル355%イコールウェート(中立)に格下げHPE186%ネットアップ123%S&P500種14%
Data
Value
デル355%
HPE186%
ネットアップ123%
S&P500種14%
2026年の株価上昇率(10月13日終値ベース)。S&P500種はバークレイズの引用値。出所:バロンズ[2]、Yahoo Finance経由のベンジンガ[1]1,2

ゴールドマンも同じサイクルのピーク接近を指摘

同じ朝、ゴールドマン・サックスのエコノミストらは、AI起因のインフレについて「おそらくピークに近い」との判断を示した4。同氏らの試算では、米連邦準備制度理事会(FRB)が最重視するインフレ指標であるコアPCE(個人消費支出)への寄与は約45ベーシスポイント(1bp=0.01%)。2026年末に50bp近くでピークを迎え、2027年末には10bpまで低下する見通しだ。「われわれの業種アナリストは、メモリーとコンピューターの価格上昇ペースが大幅に鈍ると見込んでいる」ためという4。同じ朝に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)は3.7%となり、8月の3.4%を上回った。9月に利上げを実施し、年内の追加利上げの可能性を残すFRBにとって、圧力が続く結果となった34。

このインフレ効果のうち約半分は実体のあるコスト圧力で、残りの大半はソフトウェア価格の計測誤差によるものだ45。価格転嫁は一直線に進む。メモリーメーカーが設定した高い価格をデルとHPEがシステム価格に上乗せして顧客へ転嫁し、その伸びが売上高として計上される1。こうしてサーバー事業は、年間売上高が750億ドルへと3倍に達し得る一方、営業利益率は5%前後にとどまる1。

デルの決算書類が示す価格転嫁の実態

デルの2027会計年度第2四半期(7月期)は売上高が470億ドルと前年同期比58%増となった。背景にはAIサーバーの受注609億ドルと受注残高950億ドルがあるが、これらは受注済みの需要であって、収益認識された売上高ではない6。ロングは今会計年度、AIサーバー売上高が約3倍の750億ドルに達し、営業利益率は5%程度にとどまると予想。2028会計年度には1000億ドルへの上振れもあり得るとみている1。

決算書類は利益がどこから生まれたかを示している。7月期の売上総利益率は売上高比20.9%と、2024年2月に終了した四半期の24.7%を下回った。一方、営業利益率は11.5%と過去3年で最高となった7。営業費用は売上高比率で2024会計年度の15.6%から低下を重ね、2027会計年度には8%程度になる見込みだ1。ロングは市場予想の上振れは続くとしつつ、「その規模ははるかに小さくなるはずだ」と記した1。

AIの急拡大が押し上げたのはデルの営業利益率、売上総利益率ではない

  • 売上総利益率
  • 営業利益率
5%10%15%20%25%24年Q324年Q425年Q125年Q225年Q325年Q426年Q126年Q220.9%
Data
売上総利益率営業利益率
24年Q322%7.1%
24年Q423.7%9%
25年Q121.1%5%
25年Q218.3%6%
25年Q320.7%7.8%
25年Q420.2%9.3%
26年Q117.8%8.3%
26年Q220.9%11.5%
数値は暦年四半期ごとの売上高比(%)。デルは会計年度の呼称が暦年より1年先のため、図の「26年Q2」は同社の2027会計年度第2四半期にあたる。出所:デルのSEC提出書類[7]7

受注残高の強気論と、カギを握る数字

強気シナリオの核は契約済みの需要だ。受注残高は950億ドルで、会社側のガイダンスは今会計年度のAIサーバー売上高が740億ドルに達することを示唆している6。市場アナリストの見方も依然として「買い」が多数で、平均目標株価は599.69ドルと、株価をかろうじて上回る水準にある2。ただし、勝負を決める数字はメモリーだ。ゴールドマン・サックスの業種アナリストが予想する4とおり、2027年に契約価格が下がれば、価格転嫁がほどけるにつれて伸びが鈍る売上高を、予想2027年利益の21倍という水準でこのグループを抱える投資家がリスクにさらされる。メモリーメーカーのマイクロン−3.91% — マイクロン, down 3.91 percent todayとサンディスクが価格下落の打撃を受け、機器の買い手の支払いは減る3。注視すべきは2027年に向けてのメモリー価格と、デルの次の決算である。受注残高が利益率5%で売上高に転換するのか、それともしないのか。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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