BofA証券がソイテック株を「買い」へ格上げ、目標株価は300ユーロ――シリコンフォトニクスが根拠、グローバルファウンドリーズの約10億ドル半導体プラットフォームでは基板提携先に指名
グローバルファウンドリーズは10月9日、総額約10億ドル規模の「FDX Fusion」プログラムで、フランスの研究機関CEA-Letiとともにソイテックを基板パートナーに指名した。同じ日、BofA証券はシリコンフォトニクスを材料にソイテック株を「買い」へ格上げし、目標株価を300ユーロに引き上げた。ただし、新たなFD-SOI(完全空乏型SOI)ウエハーの需要がドレスデンの工場に届くのは2028年。しかも独政府が承認すればの話だ。
Vincent Jiang · 3 min read
ドレスデンの新プラットフォーム、土台はフランスのパイロットライン
グローバルファウンドリーズ−2.43% — グローバルファウンドリーズ, down 2.43 percent todayは2026年10月9日、ドレスデンでの11億ユーロ規模の増設工事の上棟を迎えた。あわせて次世代の完全空乏型SOIプラットフォーム「FDX Fusion」を発表した。対象は同社が「フィジカルAI」と呼ぶ分野で、ドレスデンでの製造は2028年から始める 12。基板は、フランスの研究機関CEA-Letiとソイテック+4.95% — ソイテック, up 4.95 percent todayとともに、仏国内のパイロットラインで開発する。その中身は、歪みを加えた厚さ70オングストロームのシリコン膜で、電子移動度を約25%高める狙いだ。グローバルファウンドリーズはこのプラットフォームに約10億ドルを投じる見通しで、うち2億5000万ドルは第1弾の装置群に充てる 3。
BofA証券の300ユーロ論、根拠は光であってドレスデンではない
株価を動かした格上げが描くのは、別の事業だ。BofA証券はソイテック株を「中立」から「買い」へ格上げし、目標株価を152ユーロから300ユーロへ引き上げた。根拠に挙げたのは、シリコンフォトニクスの主要材料で9割超のシェアを握ることだ。主要顧客とのテイク・オア・ペイ(買い取り保証)契約を前提に、フォトニクス向けウエハーの売上高は2027年3月期~2029年3月期にそれぞれ172%、74%、57%伸びるとの想定を示した 4。ソイテック自身も9月、2027年3月期にフォトニクス向けウエハーが2.5~3倍に増えるとの見通しを出していた 4。
株価は7.25%高の163.45ユーロまで上昇し、1年間では269%の値上がりとなった。今期のコンセンサス予想利益の約206.5倍という水準にある 5。だが、その土台は薄い。2026年3月期の売上高は5億9200万ユーロで、売上総利益率は16% 6。BofA証券が300ユーロに至る道筋に据えたのは売上総利益率で、3年間で29%、39%、44%と高まると予測する 4。
BofA証券の300ユーロ目標、2029年3月期までに売上総利益率ほぼ3倍を要求
- 売上総利益率
- Estimate
Data
| 売上総利益率 | |
|---|---|
| 2026年3月期 | 16% |
| 2027年3月期 (estimate) | 29% |
| 2028年3月期 (estimate) | 39% |
| 2029年3月期 (estimate) | 44% |
BofA証券の300ユーロ目標は転換価格超え、株価はまだ届かず
- Estimate
Data
| Value | |
|---|---|
| 株価(10月9日) | €163.45 |
| 転換価格 | €206.46 |
| BofA証券の目標株価 (estimate) | €300 |
FD-SOI路線は時期が2028年、条件は独政府の承認
FDX Fusionは、BofA証券の300ユーロ・シナリオから抜け落ちた柱だ。報じられた格上げ理由の中に、この路線の役割を示す記述はない 4。グローバルファウンドリーズ自身の発表文はBMW、ボッシュ、CEA-Leti、インフィニオン、NXP−1.50% — NXP, down 1.50 percent today、シーメンス、テスラ+2.08% — テスラ, up 2.08 percent todayのコメントを引用する一方、ウエハー供給企業の名は挙がっていない 2。ソイテックの役割を伝えているのは、グローバルファウンドリーズの欧州ファブ(工場)を統括し、パイロットラインについて説明したマンフレート・ホルストマンだ 3。このプログラムでソイテックの売上高がどれだけ増えるか、規模を示した公開資料は存在しない。
デモンストレーター用シリコンは2027年初めに顧客評価へ、最初のプロセスデザインキット(PDK)は2027年半ばに提供される予定だ 2。グローバルファウンドリーズはこのプラットフォームの獲得可能市場を2030年までに180億ドル超とする(同社の試算) 7。開発は欧州共同利益のための重要プロジェクト(IPCEI)の先端半導体技術プログラムを通じて進めるが、独連邦政府の承認を前提とし、着手はその承認次第だ 18。
上昇の途上で5%を下回るまで売った株主も
リレーティング(評価見直し)にすべての投資家が乗ったわけではない。JPモルガン・チェースは9月30日、市場売却によってソイテックの資本の5%を下回ったと仏金融市場庁(AMF)に届け出た。手元に残った株式は170万2796株で、資本の4.75%、議決権の3.80%に相当する 9。9月18日に発行した5億ユーロの転換社債はクーポン0.50%、転換価格は206.46ユーロで、10月9日の株価を約26%上回る 10。
成否を分ける2つの関門、独政府と2027年のシリコン
注目すべきは、まず独政府によるIPCEI計画の承認、次に2027年初めのデモンストレーター用シリコンだ。それまでの間、株価の高倍率を支えるのはフォトニクスであり、転換価格はコミット済みの資金が置かれている水準を示している。今回のリレーティングはフォトニクスの物語だ。FD-SOIの続編は独政府次第で、姿を現すのは2028年になる。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.


