バイトダンス、中国データセンター24ギガワットの2割を賃借 それを示す開示はない
セミアナリシス(SemiAnalysis)が1000施設規模で実施した集計では、中国の稼働中データセンターは米国に次ぐ規模で欧州を上回り、AI需要を背景に埋まりつつある。アリババグループ、テンセントホールディングス、百度(バイドゥ)は初めて同一四半期にフリーキャッシュフロー(FCF)のマイナスを記録した。業界で引き合いに出される「空き」は、前回ブームの遺物だ。
Vincent Jiang · 3 min read
中国のAIインフラを施設単位で数えた初の集計が、この市場を巡る二つの安易な前提を一挙に覆した。一つは規模だ。中国は業界の想定をはるかに上回る。もう一つは空きだ。空いている部分は今回のブームではなく、前回のブームに属する1。
稼働容量で米国に次ぐ
中国のデータセンター収容能力をめぐる従来の推計は、発表によって最大15倍の開きがあった。最大のテナントが10-K(米国の年次報告書)を提出しておらず、最大手級の施設保有者のうち数社は上場したことがないためだ1。調査会社セミアナリシスは60社を超える事業者にわたる1000施設超を洗い出し、稼働中の容量を24ギガワット超と集計した。56ギガワットの米国に次ぎ、欧州・中東・アフリカ(EMEA)や中国以外のアジアを上回る。さらに、更新の止まったパイプライン(計画案件)約20ギガワットと、発表済み案件の30ギガワットが控える1。
データセンター収容能力、中国は米国に次ぐ
- 収容能力
- Estimate
Data
| 収容能力 | |
|---|---|
| 米国 (estimate) | 56GW |
| 中国 | 24GW |
| 中国を除くアジア太平洋 (estimate) | 15GW |
| EMEA (estimate) | 14GW |
空きを指摘する側の論拠は前回ブームのもの
空きを指摘する側の証拠は確かに存在する。市場の電力料金は1キロワット当たり月約80ドルから半減し、GDSは8月、この価格調整の消化にはさらに18カ月かかると投資家に説明した1。ただしこれが示しているのは、一線都市近郊にあるテレコム(通信)時代のリテール(小口)型在庫で、稼働率は30~50%にとどまる1。AI向け設備はホールセール(大口)型で埋まる速度が速く、30~50%という旧来の水準に対して稼働率は70%超に戻った。コロケーション(サーバー収容)首位企業ですら、自社のリテール部門は60%前後だ1。VNETの4~6月期決算もこれと符合する。供用中のホールセール型容量は1007メガワットで稼働率73.9%、上半期の受注獲得は862メガワットに達した2。内モンゴル自治区烏蘭察布(ウランチャブ)周辺では2016年以降、約100施設のデータセンターが開業または着工し、計12.5ギガワットの計画を抱える。その大半は過去1年のものだ3。建設ラッシュは、空きのすぐ隣で進んでいる。
3巨頭、利益を超える支出へ
セミアナリシス(SemiAnalysis)の集計では、アリババグループ、テンセントホールディングス、百度(バイドゥ)の4~6月期の設備投資は3社合計で200億ドルと前年同期の2倍超に達し、3社のフリーキャッシュフロー(FCF)が同じ四半期にそろってマイナスに沈むのも初めてのことだった1。決算資料は3社のうち2社についてこれを裏付ける。テンセントは設備投資が前年同期比176%増の528億元(約78億ドル)に膨らみ、FCFは138億元のマイナスに転じた。2005年以来初めてのマイナスである45。アリババは677億元の設備投資を行い、FCFで447億3000万元を失った。3800億元の投資計画はちょうど折り返し点にいる6。
国家統計局の統計にも、同じ分断が経済全体に映っている。1~7月のインターネット企業の設備投資は81.8%増となった一方、固定資産投資全体は6.7%減に落ち込んだ5。
中国の大型投資4社、設備投資2年でほぼ3倍へ
- 設備投資合計
- Estimate
Data
| 設備投資合計 | |
|---|---|
| 2024年 | $35B |
| 2025年 | $50B |
| 2026年(見通し) (estimate) | $100B |
誰も追えないテナントが、非上場のオーナーに支払う
最大の投資家はバイトダンスだ。同社は2026年の設備投資目標を2000億元(約296億ドル)超に引き上げ、半分を半導体に充てる5。セミアナリシスの推計では、同社が利用するデータセンターは供用済みの国内収容能力の約5分の1を占め、そのほぼすべてが賃借によるものだ。非公開企業1社がホールセール(大口)型市場全体のアンカーテナント(基幹テナント)を務める1。同社のチャットボット「豆包(ドウバオ)」は今月、1日あたりの利用者数が2億人を突破した7。米国上場のオーナー2社であるGDSとVNETは上半期に1.3ギガワットのホールセール型受注を獲得したが、2024年以降のバイトダンスとアリババの発注を取り込めたのは3分の1弱にとどまる1。
カネは送電網に流れ、限界は半導体が決める
もう一人の集金役は国家。第15次5カ年計画は送電網投資を40%増の7460億ドル超へと引き上げる。国家電網1社だけで、2030年までに4兆元の投入を確約している18。カネでは解決できないのがシリコンだ。2025年8月から、データセンターには国産チップを50%使う義務が課されている。バイトダンス、アリババ、テンセント向けに輸出が承認されたエヌビディアのH200チップ40万個が存在するのは、国産チップではまだ最先端モデルの学習を担えないからだ5。セミアナリシスは今回の整備について「電力ではなくチップが律速する」と評する1。
日付の決まったシグナルは2つある。アリババとテンセントのフリーキャッシュフロー(FCF)マイナスが7~9月期も続くかどうか。そしてVNETが現金72億元と長期債務192億元を抱えながら、今年100億~120億元の設備投資を賄い切れるかどうかだ2。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



