コインベースの先物、満期が消えた CMEの先物には残る
米商品先物取引委員会(CFTC)の部局書簡により、米国の先物取引所ならどこでも、株価指数先物から満期日を外して永続(パーペチュアル)先物にできるようになった。転換期限は10月20日。市場が注目する個別株の申請はなお審査中で、CMEグループはすでにこの制度を巡って法廷闘争中だ。
Vincent Jiang · 3 min read
15日の導火線がついた書簡
2026年10月5日、米商品先物取引委員会(CFTC)の市場監視部(Division of Market Oversight)は、コインベース・デリバティブスによる10月1日付の要請に回答した。指定契約市場(Designated Contract Market)に指定された取引所であれば、幅広い株価指数の先物から満期日を外せるようになった。最長25年先に満期を迎える上場契約も対象に含まれる1。この緩和措置は、自己認証(セルフサーティフィケーション)による規則変更後に設けられる10営業日の待機期間を免除する。効力は10月20日までだ1。
建玉の保有者には保護がある。転換に先立ち、取引所は未決済の建玉を持つトレーダーに不利益の有無を尋ね、少なくとも5暦日前に通知し、旧来の条件のまま決済する道を開かなければならない。職員は再価格付けは「予測不可能な場合もありうる」と記した1。
ビットコインから米株価指数へ、18週間
一つの審査が通るたび、次の申請へと駆り立てられた。5月29日、CFTCはビットコインの永続先物を認め、その他すべては委員会による全面審査に回した1。書簡によれば、コインベースが満期を最長25年先まで設けていたのは、この不確実性への備えだったという1。
カルシは商品による迂回策を取った。8月18日に申請したのは、米国の大手企業500社で構成されるMerQube指数に連動する幅広い株価指数の永続先物で2、10月2日に承認されたとみなされた。市場監視部はこれを、同種の契約が先物取引に当たることの裏付けととらえている1。
申請ラッシュは9月18日にも及んだ。コインベース、カルシ、クラーケンの親会社Payward(申請はBitnomial経由)の3社が個別株とETFを対象とする永続先物を申請し、いずれもなお審査中だ13。カルシの対象リストは、時価総額が1銘柄あたり1000億ドルを超える58銘柄に上る4。
誰のカネが動くのか
CMEグループは満期付きの道を進んだ。7月27日に77種の個別株先物を上場し15、内訳は55銘柄と小型のマイクロ契約22種だ5。この設計が売り物にしているのは暦そのものだ。銘柄ごとに連続する四半期限月を2本ずつそろえ、保有者には毎四半期、ポジションをいったん決済して建て直す必要がある。そのたびに乗り換え(ロール)コストとスプレッドリスクを負う5。
負担は証拠金に表れる。買いか売りか、限月を単独で持つポジション(アウトライト)には名目額の15%の証拠金がかかり、乗り換え(ロール)を実行する限月間スプレッド(カレンダースプレッド)には高い方の脚の5%がかかる5。永続(パーペチュアル)先物ならロールも満期も消え、代わりに払うのはファンディングコストだ1。
この攻めは、縮む土台の上でかかっている。コインベースの四半期売上高は2024年10~12月期の22億7000万ドルから2026年4~6月期の12億2000万ドルへと落ち込み、直近3四半期は米国会計基準(GAAP)で純損失が続く67。賭けの対象はデリバティブで、海外ではレバレッジ10倍の商品がすでに動いている6。クラーケンは2025年の暗号資産の永続(パーペチュアル)先物の出来高を60兆ドル超とみる。あくまで同社の数字だ1。
コインベースの四半期売上高、24年10~12月期のピークからほぼ半減
Data
| 総売上高 | |
|---|---|
| 24年7~9月期 | $1.21B |
| 24年10~12月期 | $2.27B |
| 25年1~3月期 | $2.03B |
| 25年4~6月期 | $1.5B |
| 25年7~9月期 | $1.87B |
| 25年10~12月期 | $1.78B |
| 26年1~3月期 | $1.41B |
| 26年4~6月期 | $1.22B |
規制当局は二つ、法廷は一つ
この書簡に縛られるのは市場監視部(Division of Market Oversight)だけで、CFTC全体ではなく、職員側は取りやめる権利を留保した1。CMEグループは6月18日、永続(パーペチュアル)先物はドッド・フランク法上のスワップだと主張してCFTCを提訴した。CFTCの9月2日付の却下申立ては、競争を害するという主張を「から騒ぎ」(much ado about nothing)と一蹴した6。
コインベースは管轄をヘッジしている。9月1日付の米証券取引委員会(SEC)への届出は2000年商品先物取引近代化法を根拠とし、CMEグループが攻撃の対象とする自己認証(セルフサーティフィケーション)の道筋とは別だ6。証券側のルートでも動きがあった。OKXとニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社、インターコンチネンタル・エクスチェンジ(ICE)の合弁OKXICEは10月4日、24時間365日で取引できるトークン化株式の市場を届け出た。対象は60銘柄超で、セレブラスが異議を唱えている89。
勝負を決めるのは書類
注目すべきは書簡ではなく、書類の方だ。10月20日期限の規則40.6の改正届出が、転換対象の契約を指定する1。個別株とETFの永続(パーペチュアル)先物の申請は、見通しの立たないまま保留が続く13。
CMEグループの個別株先物は上場から1か月が経ったが、商品単位の出来高や建玉は公表されていない5。そのため、既存契約が置き換えられるとの思惑の値付けは、データではなく机上で行われている。CMEは時間を売る。CFTCのスタッフは、その不在を競合に売ることを認めたばかりだ。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



