デル株、年初来347%高 メモリー費を顧客に転嫁した1920億ドルの業績見通し マイクロンは2028年まで逼迫

デルは10月6日、571.75ドルで終え、年初来347%高となった。みずほ証券の目標株価は650ドルだ。ただ、その土台となる1920億ドルの通期見通しには価格面の押し上げがある。デル自身の最高執行責任者(COO)が増収の一部を買い手に転嫁したメモリーコストと結びつけて説明し、マイクロンはメモリーの逼迫が2028年まで続くとの見方を示している。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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2025年12月、ホワイトハウスでの行事で演壇から講演するデル・テクノロジーズのマイケル・デル最高経営責任者(CEO)
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2025年12月2日、ホワイトハウスで撮影したデル・テクノロジーズのマイケル・デルCEO。同社株が年初来347%上昇した背景には、AIサーバー需要と、COO自身が認めるメモリー費の価格転嫁がある。

9月の発言、10月の市場が値付けし直す

デル株は10月6日、571.75ドルで終えた。年初来347%高で、直近高値の588.40ドルに迫る水準だ。みずほ証券のビジェイ・ラケシュ氏が目標株価を600ドルから650ドルに引き上げた1ことが後押しとなった。目標株価の根拠は9月1日の決算だ。1四半期のAIサーバー受注609億ドル、950億ドルの受注残、そして2027会計年度の通期見通し1920億ドル1。ただ、その但し書きはデル自身のものだ。ジェフ・クラークCOOは増収の一部は、投入コストの上昇に伴う価格調整によるものだと説明した2。

今四半期を象徴するのは、AIサーバー受注609億ドルに対し総売上高は470億ドルという対比だ13。需要が供給を上回っていることを示す。クラークCOOの発言は、そのもう半分を付け加える。顧客が支払う金額の一部は、値段を付け直されて転嫁されたメモリー逼迫そのものだという2。

見通しは数量だけでなく、価格にも支えられる

価格転嫁が実際に届いていることは、利益率の数字に表れている。インフラ部門の営業利益率は15%に達した。前四半期の10.5%からの上昇で、デルはメモリー部品コストの大幅な上昇にもかかわらず「規律ある価格設定」を維持したとしている4。クラークCOOが挙げる品薄部品のリストは、DRAMとNANDに始まる3。

マイクロンは、メモリーとストレージの需給が暦年の2027年と2028年には2026年より大幅に逼迫するとの見通しを示している。同社の2027会計年度の生産量の75%超は、すでに確約済みだ5。デルが売上高1920億ドル、調整後EPS(1株当たり利益)25.50ドルへと引き上げた通期見通し(従来は1650億〜1690億ドル、17.90ドル)2は、まさにそうした市場の中で書かれたものだ。

利益は現金に先行する

純利益は前年同期の11億6000万ドルから3倍超の41億3000万ドルに増えた2。一方、営業キャッシュフローは25億ドルから22億ドルに減少した4。棚卸資産は1月以降で倍増して213億ドルに膨らみ、金融子会社の売掛金も143億ドルから204億ドルへ増えた。この融資分を加え戻した調整後フリーキャッシュフローは81億ドルだった4。この形の成長は、現金を生む前にまず現金を消費する。

売上高は倍増も営業キャッシュフローは横ばい

  • 売上高
  • 営業キャッシュフロー
$0B$20B$40B$60B24年7~9月期24年10~12月期25年1~3月期25年4~6月期25年7~9月期25年10~12月期26年1~3月期26年4~6月期$47B$2.2B
Data
売上高営業キャッシュフロー
24年7~9月期$24.4B$1.6B
24年10~12月期$23.9B$0.6B
25年1~3月期$23.4B$2.8B
25年4~6月期$29.8B$2.5B
25年7~9月期$27B$1.2B
25年10~12月期$33.4B$4.7B
26年1~3月期$43.8B$4.1B
26年4~6月期$47B$2.2B
四半期別の売上高と営業キャッシュフロー(単位:10億ドル)。四半期の表記は暦年基準で、2026年7月31日に終了した四半期が「26年4~6月期」に当たる。出所:デル・テクノロジーズ、米証券取引委員会(SEC)提出書類の四半期別数値(2026年10月7日取得)8

売上総利益率はAIサーバー拡大で低下、価格転嫁の進展で回復

16%18%20%22%24%25年度Q325年度Q426年度Q126年度Q226年度Q326年度Q427年度Q127年度Q2価格がメモリーコストに追いつく
Data
売上総利益率
25年度Q322%
25年度Q423.7%
26年度Q121.1%
26年度Q218.3%
26年度Q320.7%
26年度Q420.2%
27年度Q117.8%
27年度Q220.9%
デルの会計四半期別に見た連結売上総利益率(売上高比)。表記はデル自身の会計年度基準で、「27年度Q2」は2026年7月31日に終了した四半期を指す。出所:デル・テクノロジーズのSEC四半期提出書類8

受注残は2026年のメモリー価格で値付けされている

価格転嫁は出荷済み分の利益率を守る。だがリスクは、まだ出荷されていない分にある。受注残の公表顧客には、16億ドルのハードウェア発注をまとめたクラウドインフラ企業のIrenが名を連ねる。その契約が交わされたのは、マイクロンがさらに逼迫する一方とみる市場だ 25。投資判断「保有」、目標株価550ドルのTDコーウェンは、受注残が大手ネオクラウド顧客に依存しているとし、メモリー逼迫を2027年のリスクと指摘する 6。投資判断「イコールウェイト(中立)」、目標株価511ドルのモルガン・スタンレーは、デルは明らかに実行力で先行しているとしながら、それでもHPE(ヒューレット・パッカード・エンタープライズ)を好む 6。投資家SNS「Stocktwits」上の個人投資家センチメントは弱気優勢だ 6。一方、シルバーレイクによる第3四半期に計10億7000万ドルの売却は、2013年組成のファンドが予定どおりに出口を進めているとの見方に合致し、デルへの判断とまでは言えなさそうだ 7。

次の決算が決めるもの

第3四半期の業績見通しは、売上高490億ドル、調整後EPS(1株当たり利益)6.50ドルを見込む。市場コンセンサスは売上高414億2000万ドル、4.49ドルで、いずれも大きく上回る 2。AIサーバー売上高は約190億ドルで、直前期出荷分の164億ドルから増える 3。通期740億ドルのAI目標を達成するには、今後は1四半期あたりほぼ210億ドルが必要になる 4。デルは1920億ドルの見通しの中の数量と価格の内訳を公表していない。この不開示こそが答えを物語っている。

第3四半期の見通し、両指標とも市場予想を大きく上回る

  • デルの見通し
  • 市場コンセンサス
$0$20$40$60売上高調整後EPS$6.5
Data
デルの見通し市場コンセンサス
売上高$49$41.42
調整後EPS$6.5$4.49
デルの2027会計年度第3四半期の業績見通しと市場コンセンサスの比較。売上高(10億ドル)と調整後EPS(ドル)。出所:RocketNews(2026年10月3日)2

数量が頭打ちで価格が見通しを支えるなら、市場は部品の請求書に成長株の倍率を払っていることになる。コンピューターは本物だ。その中のメモリーの請求書も本物だ。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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