米デジタル・リアルティ、データセンター受け入れ同意へ デソト全世帯に年最大1000ドル
米カンザス州デソトの全世帯が、電気・水道などの公共料金と不動産税のクレジット(還元)として年最大1000ドルを10年間受けられる案が示された。市議会が同社による税優遇地区(規模は未公表)の設置要請を審議する見通しの、その数週間前のことだ。AI(人工知能)インフラの建設ラッシュでは住民の同意が値段の付く項目になりつつあり、11月19日の公聴会がその価格を決める一助となる。
Richard Tang · 3 min read
世界最大のデータセンター開発業者であり、保有施設は300カ所超2、時価総額は670億ドル超4というデジタル・リアルティ+0.86% — デジタル・リアルティ, up 0.86 percent todayが、小さな町の同意に現金の値段を付けた。カンザスシティ近郊にある人口約7000人の町、カンザス州デソト1では全世帯を対象に、電気・水道などの公共料金と不動産税のクレジット(還元)として10年間、年最大1000ドルを支給する案が示されている3 4。クレジットの詳細は10月11日に公表された3。同社がその前の週に発表した2000万ドル規模の地域投資の一部だ1。
だが、肝心の大きな数字はこの発表にはない。市議会は11月19日、事業に伴う税収増還元地区(TIF)をめぐる公聴会を開く見通しで1 3、同社は事業の総費用も、求める優遇策の内容も公には明らかにしていない2。
出すのはクレジット、求めるのはTIF
税収増還元地区は、開発が新たに生み出す税収を開発者のコスト補てんに回す仕組みだ2。デジタル・リアルティは8月、旧サンフラワー陸軍弾薬工場の跡地をすでに含む既存地区の適用を申請した。デソト市がパナソニックの電池工場の誘致を狙い2021年に設けた地区である2。データセンター団地の第1期「アストラ・ノース」は、最終的に1400エーカー(約567ヘクタール)へ広げる予定の敷地のうち、おおむね280エーカー(約113ヘクタール)を占める2 4。
住民はこの順番に気付いた。5月には、健康被害、騒音、水の使用、電気料金への懸念から2年間の建設一時停止(モラトリアム)を求める請願に650筆を超える署名が集まった1。「見た目には賄賂です」。トニ・コールドウェルさんは地元テレビ局KSHBにそう語った3。サラ・バンディクリーさんは「彼らが税の優遇を求める前」に打ち出されたこのタイミングを意図的だと指摘した3。
住民の同意に値段が付く
流れをたどればこうなる。AIのワークロードが動くのは、クラウド事業者が借り受ける巨大なサーバー棟、いわゆるハイパースケール型の建物だ。デジタル・リアルティは、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)−2.33% — アマゾン・ウェブ・サービス(AWS), down 2.33 percent today、マイクロソフト−2.35% — マイクロソフト, down 2.35 percent today、エンヴィディア−1.59% — エンヴィディア, down 1.59 percent todayといった顧客のためにそれを建設している3 4。かつての制約は土地と電力だった。だが今、実質的な制約はしだいに住民の同意の方へ移りつつある。CBSニュースの最近の世論調査では、自らの地域へのデータセンター建設に反対する米国人が賛成する人を上回った4。また、デソトの提案は住民に直接金銭を支払う例としてカンザスシティ都市圏で最初期のものの一つだと、地元テレビ局KSHBは伝えている3。
その同意が何のために買われているのかは、同社自身の建設支出が示している。支出は第2四半期に9億2000万ドルに達し、2025年末の5億4200万ドルから増加した6。地域投資の総額は、この建設ペースのおよそ2日分にすぎない。だからこそ、世帯への直接支払いは同社にとって合理的であり、支払う金銭そのものよりも提示する数字のほうが重要なのだ。
2000万ドルのデソト提案、デジタル・リアルティの建設ペースでは約2日分
Data
| 設備投資 | |
|---|---|
| 24年7~9月 | $0.78 |
| 24年10~12月 | $0.22 |
| 25年1~3月 | $0.73 |
| 25年4~6月 | $0.77 |
| 25年7~9月 | $0.61 |
| 25年10~12月 | $0.54 |
| 26年1~3月 | $0.86 |
| 26年4~6月 | $0.92 |
この価格がデソトで通るなら、同社の開発パイプラインにある町はどこでも、自らの値段を言い出せるようになる。そこまではあくまで想定であり、公聴会こそが試金石だ。
11月の採決が値段を決める
このクレジットは、請願の背景にある水、騒音、電気料金への懸念に対する答えを何も買ってはいない1。建設許可はいまだ出ておらず、市当局は、この開発で不動産税や市の公共料金が上がることはないと説明する5。同社は敷地の完成時に約250人の恒久的な雇用を、加えて数千人規模の建設雇用を約束している1 4。着工は2027年の見通しだ1 3。
データセンターの建設は進めるべきで、そのそばで暮らす住民には、受け入れの見返りとして明示的な対価を支払うべきだ。デソトはいま、その価格を公の場で探っている。一方には世帯当たり1000ドルという提示額、もう一方には規模が明かされていない税優遇地区。11月19日の公聴会が決めるのは、この価格が定着するかどうかだ――この町で、そして次に交渉するすべての町で。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



