グーグル、「ジェミニ4アルゴン」を100万トークン2ドルで提供 オープンAI・アンソロピックの旗艦は5分の1
グーグルは10月13日、「ジェミニ4アルゴン」を100万入力トークンあたり2ドルで投入した。オープンAIとアンソロピックの旗艦モデルの定価の5分の1だが、料金は11月30日を過ぎると倍になる。この値下げは両社の最上位価格帯を直撃すると同時に、アルファベット自身の利益率にも跳ね返る。
Vincent Jiang · 3 min read
グーグルは10月13日、「ジェミニ4アルゴン」を世界の開発者と企業向けに公開した。2025年11月の「ジェミニ3」以来、初の最先端モデルである。過酷な夏を経て初めて作られたモデルでもある。最高経営責任者(CEO)のスンダル・ピチャイは「ジェミニ3.5プロ」の6月投入を約束し、9月に取りやめた。8月にはディープマインドの共同創業者デミス・ハサビスを同研究所のCEOの座から退け、コライ・カヴクチュオールを後任に据えた1238。アルゴンの導入期価格は100万入力トークンあたり2ドル、100万出力トークンあたり10ドルで、11月30日まで適用される24。トークンはモデルが課金の単位とする文章の断片だ。この価格はオープンAI$1.18T — オープンAI, private, latest valuation $1.18Tの「GPT-6アストラ」とアンソロピック$350B — アンソロピック, private, latest valuation $350Bの「クロードフェイブル5.1」の定価の5分の1で、両モデルの料金は入力10ドル、出力50ドルとなっている156。
5分の1が当てはまるのは旗艦帯だけ
この値下げの実態は、見出しよりも幅が狭い。オープンAIはすでに「GPT-6.1ソル」を、アンソロピックは「クロードソネット5.5」を、同じ入力2ドル・出力10ドルで販売している45。アルゴン自身の通常料金も12月1日に入力4ドル・出力20ドルに倍増し、「クロードオーパス5.5」とメタ−1.99% — メタ, down 1.99 percent todayのアルゴンの前日に公開された「ミューズワンダー」の定価とちょうど同じ水準になる4710。5分の1という値付けが実際に締め付けるのは、入力10ドル・出力50ドルの旗艦帯だ。独立系の評価機関Artificial Analysisのスコアでは、アルゴンは53で「GPT-6アストラ」や「クロードフェイブル5.1」と同点。「クロードオーパス5.5」(58)や「ミューズワンダーフル」(56)を下回る4。
アルゴンは2ドルの中位帯と同水準でスタート、旗艦定価の5分の1
- 入力(100万トークンあたり)
- 出力(100万トークンあたり)
Data
| 入力(100万トークンあたり) | 出力(100万トークンあたり) | |
|---|---|---|
| アルゴン(導入期) | $2/M | $10/M |
| クロードソネット5.5 | $2/M | $10/M |
| GPT-6.1ソル | $2/M | $10/M |
| アルゴン(12月1日以降) | $4/M | $20/M |
| クロードオーパス5.5 | $4/M | $20/M |
| ミューズワンダー | $4/M | $20/M |
| GPT-6アストラ | $10/M | $50/M |
| クロードフェイブル5.1 | $10/M | $50/M |
グーグルの主張と、引けを取る部分
グーグルによると、同社のコーディング基盤「アンチグラビティ(Antigravity)」でアルゴンを使うエンジニアは、4週間でエージェントが書いたコードの提出件数を35%増やし、ロールバック(差し戻し)を30%減らした。社内では10万人を超える従業員が使っているという。名前が公表された初期顧客には、デロイト、レキシスネクシス、アンビエンス・ヘルスケア~$1.25B — アンビエンス・ヘルスケア, private, latest valuation ~$1.25B、アルファベット+0.20% — アルファベット, up 0.20 percent today傘下のアイソモルフィック・ラボ$600M — アイソモルフィック・ラボ, private, latest valuation $600Mが名を連ねる24。グーグル自身の比較表でも、ベンチマークの「FrontierSWE v2」では「GPT-6アストラ」がアルゴンを65.5%対55.0%でなお上回る9。レッドドラゴンAIのサム・ウィットビーンCEOは、アルゴンを「本当に、本当に、本当に良いモデル」と評しつつ、今入手できる中で最良のものではないとみる4。買い手はすでに価格に敏感だった。Rampのカード決済データに含まれる約7万社でのアンソロピック・モデル向け支出のうち、「フェイブル5」が占めたのは発売から2か月で約11%にとどまった6。
値下げを支えるのはアルファベットの損益計算書
アルファベットは2026年第2四半期に1198億ドルの売上収益を計上し、営業利益は408億ドルで、営業利益率は34%だった。設備投資には449億ドルを投じた。設備投資が391億ドルの営業キャッシュフローを上回るのは、2年ぶりの四半期である11。メタが同じ四半期に設備投資へ投じたのは301億ドルだった10。入力10ドル・出力50ドルの値付けをする研究所はどこも非上場。入力2ドル・出力10ドルで最先端モデルを助成する企業は、その原資を上場企業の損益計算書から賄っている。
アルファベットの設備投資、2026年第2四半期に営業キャッシュフローを上回る
- 設備投資
- 営業キャッシュフロー
Data
| 設備投資 | 営業キャッシュフロー | |
|---|---|---|
| 24年7~9月 | $13.1B | $30.7B |
| 24年10~12月 | $14.3B | $39.1B |
| 25年1~3月 | $17.2B | $36.2B |
| 25年4~6月 | $22.4B | $27.7B |
| 25年7~9月 | $24B | $48.4B |
| 25年10~12月 | $27.9B | $52.4B |
| 26年1~3月 | $35.7B | $45.8B |
| 26年4~6月 | $44.9B | $39.1B |
導入期価格の窓は11月30日で閉じる
導入期価格が続くのは7週間だ。この賭けの行方を決めるのは、価格が倍になる前に、開発者が入力2ドル・出力10ドルでワークロードを移すかどうか。オープンAIかアンソロピックが、開発者を引き留めるために旗艦モデルの定価を下げるかどうか。そして、前述の設備投資とにらみ合わせて、アルファベットの次の決算でクラウドの成長がどう映るかだ411。無料ユーザーと「プラス」ユーザーへの提供時期は、いまだ示されていない1。グーグルが2ドルでさばくトークンの一つひとつが、オープンAIが10ドルで守らなければならないトークンだ。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



