HeyGen、音声モデルを無償提供 声のクローンは月99ドル、ライバルElevenLabsの評価額は220億ドル
HeyGenは「世界最高」とうたう音声モデルを自社プラットフォームに無料で組み込み、有料メニューは月99ドルで自分の声をクローンする1項目だけを残した。その9日前、ライバルのElevenLabsは3億ドル規模のテンダーオファー(株式買い取り入札)で企業価値220億ドルと評価された。6億ドルのランレート(年換算売上高)の約37倍だ。
Vincent Jiang · 3 min read
毎日投稿するのはアバター、本人は撮影せず
10月8日以降、ライアン・サーハント氏は1本も自分で撮影しないまま、毎日動画を投稿している。「@HeySerhant」は、不動産仲介業者である同氏のHeyGen~$500M — HeyGen, private, latest valuation ~$500Mアバターとクローン音声を土台に1年間運営するチャンネルで、すべての投稿にAI生成と明記している1。その翌朝、この提携を結んだ会社がチャンネルを支えるモデルそのものをリリースした。「HeyGen Voice」である。同社によれば、このモデルはArtificial Analysisのリーダーボードに初登場1位でランクインし、プラットフォームとAPIで無料提供される2。
無償モデルの9日前、220億ドルの評価額
9月30日、ウェリントン・マネジメントとT.ロウ・プライスが主導する3億ドル規模の従業員向けテンダーオファーで、ElevenLabsの企業価値は220億ドルと評価された。2月のシリーズDの2倍で、既存投資家と従業員が株式を売却した45。CEOのマティ・スタニシェフスキー氏はその6日前、ランレートを6億ドル、うち55%が法人向けと説明していた6。この評価額は売上高の約37倍に当たる。一方のHeyGenは、6月25日に初めて公表した2億ドルのARR(年間経常収益)の数字を今回の発表文で繰り返したが、規模は3分の1。価格がついた直近ラウンドは2024年6月で、評価額は5億ドルだった2310。
ElevenLabsの評価額は20カ月で2回倍増し、220億ドルに
Data
| 評価額 | |
|---|---|
| 2025年1月 シリーズC | $3.3B |
| 2025年9月 テンダー | $6.6B |
| 2026年2月 シリーズD | $11B |
| 2026年9月 テンダー | $22B |
そろって月99ドル、中身は正反対
ElevenLabs~$3.3B — ElevenLabs, private, latest valuation ~$3.3Bの月99ドルの「Pro」プランは、生成音声60万クレジットを販売している。音声クローニング機能は月22ドルの「Creator」プランから付いてくる7。HeyGenはこの値付けを逆にした。モデルは無料とし、音声で唯一の有料項目は、本人が同意して提供した30分~3時間の音声で学習する月99ドルの「Professional Voice Clone」だけだ2。音声モデルはコモディティー化するとの自らの予測を問われたスタニシェフスキーCEOは、品質格差は今後3~5年かけて縮むとの見方を示した6。ライバルは、まさにその縮小を値付けに織り込んだばかりだ。
成長は本物、「1位」の主張は裏付けなし
ElevenLabsのランレートは9カ月で2億5000万ドル増えた。2025年末の3億5000万ドルからの伸びだ95。同社のエージェントが週にさばく会話は1500万件で、2月の3倍となる4。HeyGenも2024年6月のARR3500万ドルから、自称2億ドルへと伸びた103。この2つの数字はいずれも未監査のランレートである。「1位」の主張は、10月10日時点のリーダーボードでは再現しなかった。Artificial Analysisは「Eleven v4 Turbo」をEloスコア1327で1位にランク付けしており、HeyGen Voiceは掲載27モデルの中にない8。同ボードの音声指定(controlled voice)版は読み込めなかった。
ElevenLabsのARR、9カ月で2億5000万ドル増
Data
| ARR | |
|---|---|
| 2025年末 | $350M |
| 2026年1~3月 | $450M |
| 2026年5月 | $500M |
| 2026年9月 | $600M |
無料音声、クラナの電話には出られない
無料開放は個人市場への「くさび」であって、法人向けの代替ではない。エージェント「ElevenAgents」の売上高は2月以降3倍以上に伸び、ElevenLabsはクラナの米国3500万人の顧客に対する電話一次対応を運営している46。ローンチに合わせたHeyGen自身の数字は揺れていた。10月9日は「4000万人を超えるユーザー」2、前日は「3000万人を超える人々」1と、説明は一切ない。アイデンティティーもまた、より鋭いリスクをはらむ。研究者はHeyGenを、最もよく使われるディープフェイクツールの一つに挙げている10。
注目は転換率、カウントダウン、リーダーボード
今後のシグナルは三つある。無料の音声が、月99ドルのアイデンティティー(音声クローン)への転換や、サーハント氏のような年間契約の獲得につながるかどうか。「今後数年で」6という時期のIPO(新規株式公開)が、スタニシェフスキー氏のコモディティー化のカウントダウンがゼロになる前に実現するかどうか。そして、HeyGen Voiceが誰でも検証できる順位を維持できるかどうか。両社の料金は同じ月99ドルだ。一方は音声を売り、もう一方は「あなた」を売る。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



