現代自動車と起亜自動車、米VAST Dataに出資 コアウィーブが11億7000万ドルを投じたAIストレージ企業
両自動車メーカーは2026年10月13日、出資を公表した。コアウィーブやDigitalOceanに続き、VASTのAIオペレーティングシステム(AI Operating System)を活用する陣営に加わる。同日、エヌビディアはその上に位置するGPUオーケストレーション層をオープンソース化した。上の層が無料になった今、資金は下のデータ層に集中しつつある。
Richard Tang · 3 min read
AIにデータを供給する層の一端を、現代自動車と起亜自動車が買い取った。両社にコアウィーブ−16.66% — コアウィーブ, down 16.66 percent todayとDigitalOcean−12.81% — DigitalOcean, down 12.81 percent todayを加えた4社の株主は、これで1つの非上場企業へのリスクを共有することになった。ソウル市場に上場する両自動車メーカーは10月13日、米ソフトウェア企業VAST Data~$9.1B — VAST Data, private, latest valuation ~$9.1Bへの戦略的投資を公表した。同社のAIオペレーティングシステムが、今後は両社の運転支援、言語モデル、ロボットの業務を担う 1。出資額は明らかにされていないが、重要なのは金額よりも、それが発するシグナルだ。AIを律する制約は、GPUからデータ層へと移った。
ボトルネックはデータ層に移動
推論は、インフラに求められる役割を変えた。質問に答えるモデルには、クエリ(検索要求)を受けた瞬間に、権限を損なわない適切なコンテキストが必要になる。オブジェクトストレージ、ベクトルデータベース、ETLツール(システム間でデータを整理して移動させるソフトウェア)をつなぎ合わせたパイプラインは、しばしば同期を外れてずれがたまる。元データとエンベディング(埋め込み表現)、アクセス制御が一致しなくなるのだ。VASTのシステムエンジニアリング担当バイスプレジデント、ヴォーン・スチュワート氏は、このずれを、各層の最良製品を組み合わせる「ベスト・オブ・ブリード」型の構成に対する批判の論拠に挙げる 4。
VASTの答えは、ストレージ、データベース、ベクトル検索を1つのシステムに集約し、データが届いた瞬間にインデックスして検索できるようにするものだ 3。成果は具体的だ。現代自動車傘下の自動運転会社42dotは、同プラットフォームを利用した研究でセンサーと映像のデータ量を半減させた 1。DigitalOceanは起動時間を2分から15秒に短縮した 3。
上場4社、その足元の非上場1社
AIクラウドのコアウィーブは2025年11月、VASTに11億7000万ドルの投資を確約しており、同社を自社AIクラウドの主要なデータ基盤と位置づける 2。小規模開発者向けクラウドの上場企業DigitalOceanは、AIネイティブクラウド全体でAI OSの展開を進めている。今週立ち上げたエージェント向けデータサービスもVASTの上に構築した 37。
現代側の狙いもクラウド事業者と同じ論理だ。現代自動車グループによると、現代自動車と起亜自動車は年間700万台超の車両を販売しており、データフライホイール(Data Flywheel)が今やその車両群をデータ源に継続的な学習ループを回している 8。単一アーキテクチャへの集約は、効率化の主張にほかならない 1。ただ、こうした集中はロックイン(囲い込み)批判を招きかねない。これに対するスチュワート氏の反論は、AI開発者は性能の伴わないソフトウェアにほとんど我慢せず、すぐに消して入れ替えてしまう、というものだ。ストレージ業界のロックインの時代とは、明確に一線を画す 4。
| 会社名 | VAST Dataとの関係 | 開示金額 |
|---|---|---|
| コアウィーブ | 2025年11月に11億7000万ドルの投資を確約。VASTを自社AIクラウドの主要なデータ基盤と位置づける | 11億7000万ドル |
| DigitalOcean | AIネイティブクラウド全体でAI OSの展開を進めている。新たなエージェント向けデータサービスもVASTの上に構築 | 非開示 |
| 現代自動車 | 2026年10月13日に戦略投資を開示。AI OSが運転支援、言語モデル、ロボット関連の業務を担う予定 | 非開示 |
| 起亜自動車 | 同じ10月13日の開示で現代自動車と共同出資 | 非開示 |
エヌビディア、その上の層を無償公開
現代の開示と同日、エヌビディア−3.55% — エヌビディア, down 3.55 percent todayはGPUオーケストレーションプラットフォーム「Run:ai」をオープンソースとして公開した。サブスクリプション契約は不要だ 5。エヌビディアは一つ下の層でもVASTと組む。9月に発表された機密計算ランタイム「DataEnclave」で、パートナーにはエヌビディアとコヒール(Cohere)が名を連ねる。モデルは保護された仮想マシン内で動作し、鍵は遠隔からの暗号学的検証(アテステーション)を経て初めて解放される 4。
競合のWEKA~$1.2B — WEKA, private, latest valuation ~$1.2BとDDNはロード時間の速さを競う。WEKAは自社ベンチマークで、GPUメモリーへのロードは3.5秒と主張する 5。同社は今週、ドバイの販売代理店と契約を結び、中東全域でソフトの展開を広げていく 6。
法的に持ち出せないデータ
エヌビディアがRun:aiを無償で公開できるのは、オーケストレーションがコードだからだ。データ層は無償では提供できない。世界のデータの約半分は機密性が高く規制対象のため、企業のデータセンターやコロケーション施設にとどまり、その多くは法的に持ち出せない 4。そのデータをAIで使えるようにした者が報酬を得る。その報酬をいま集めているのは、4月の資金調達で評価額300億ドルに達した 4 非上場企業だ。同社に依存する上場企業こそ、投資家が実際に値付けできるエクスポージャーである。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



