MiniMax、「Space Bunny」の正体を公表 同日から契約者の呼び出し先を無告知で切り替え

2026年10月19日、MiniMaxはモデル市場OpenRouterのランキング首位を走る正体不明モデル「Space Bunny」が自社のものだと公表した。同じ時間帯に、M2.5とM2.7宛ての契約プランによるAPI呼び出しのすべてをM3.1 Flashへの振り替えを始めた。思考(thinking)を止められず、最も高くつく推論努力度(effort)の設定が既定で、課金単価はいまやM3標準料金の半分というモデルだ。API事業が売上高の63%を占める上場AI企業にとって、見るべき数字は契約者1人当たりの消費量である。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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MiniMaxの動画生成AI「Hailuo AI」が生成した動画の一場面。フードをかぶった人物が傘を差し、雨に濡れたネオンの街を歩く。画面の隅には透かしが入っている
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MiniMaxの動画生成モデル「Hailuo AI」による映像の1コマ。右下に透かしが見える。本題は、モデルが何を映し出すかではなく、それを動かすのにいくらかかるかだ

2026年10月19日午後、MiniMaxの公式アカウントが「Welcome back, Space Bunny」とのキャプションを添えた短い動画を投稿した12。Space Bunnyは9月下旬に現れた正体不明のモデルだ。モデル市場「OpenRouter」とオープンソースのコーディングツール「OpenCode」では、登場から3日以内に1日当たりのトークン量で1位に浮上し、DeepSeekのV4.1 FlashやZ.aiのGLM 5.3 Flashとともに上位3位を占めた1。MiniMaxはこのうさぎがM3.1 Flashの初期ビルドであり、正体を伏せたまま200兆トークン超を処理した「ステルス」運用だったと明らかにした3。

誰のコードも求めていない切り替え

同じ日付は、もう一つのひそやかな文書にも刻まれていた。2026年10月19日から、MiniMaxの定額制「Mプラン」と「Tokenプラン」によるM2.5、M2.7宛てのリクエストは、自動的にM3.1 Flashへ振り替えられる。旧名称はそのまま使い続けられ、利用枠も変わらない。ただし両モデルは2026年11月18日をもって完全に停止する4。エラーは何も返ってこない。リクエストは成功し続ける。ただ、応答するモデルは誰も選んでいない。新モデルでは思考を止められない。思考を無効にするフラグを立てるとエラーコード2013付きのHTTP 400が返り、推論努力度の指定を省くと既定で最大になる。しかも思考トークンは同じ利用枠から差し引かれる7。1分当たりのリクエスト上限は500から200に下がった8。

価格表の新行、同日午後に登場

APIアクセスを転売するモデルルーティングサービスのOrcaRouterは同日朝、MiniMaxの商用ページにM3.1 Flashのトークン単価がなく、リリースノートも一切掲載されていないと報じた8。だが午後には、両方ともページに並んでいた。価格表は現在、M3.1 Flashを100万トークン当たり入力0.15ドル、出力0.60ドルとして掲載している。これはMiniMaxがM3に課す入力0.30ドル・出力1.20ドル(入力512kまで)の半額で、512kを超えると同社は倍の0.60ドル・2.40ドルを請求する5。同日付のリリースノートは同モデルを「超効率的なオープンウェイトモデル」と評し6、重みの公開を10月23日と約束した。ただしライセンスは依然、明らかにされていない3。従量課金の利用者には半額の料金が届く。定額制の契約者に届くのは、より速く回るメーターだ。OrcaRouterがあくまで計算として提示した数字によれば、1日4万件のリクエストをこなすワークロードは、既定の設定のまま月に約29億個の思考トークンを追加で消費し、M3の旧出力単価なら約3400ドル分になる7。

M3.1 Flashの出力トークン、M3標準料金の半額

$0 per 1M$0.5 per 1M$1 per 1M$1.5 per 1M$2 per 1M$2.5 per 1MMiniMax-M3.1-Flash$0.6 per 1MMiniMax-M3(入力512kまで)$1.2 per 1MMiniMax-M3(入力512k超)$2.4 per 1M
Data
Value
MiniMax-M3.1-Flash$0.6 per 1M
MiniMax-M3(入力512kまで)$1.2 per 1M
MiniMax-M3(入力512k超)$2.4 per 1M
2026年10月19日に公開されたMiniMax価格表による、100万トークン当たりの従量課金出力単価。入力単価はM3.1 Flashが0.15ドルに対し、M3は0.30ドル3,5,7

トークンの計算、そのまま株価材料

香港上場のMiniMaxグループ(HKEX: 00100)9は、自らをAPI企業へと作り変えた。2026年上半期の売上高は1億1660万ドルで283.1%増となった。API呼び出しと定額制サブスクリプションからなる「オープンプラットフォーム」部門は703.1%増の7390万ドルに伸び、全体の63.4%を占めた9。共同創業者で最高経営責任者(CEO)の闫俊杰(ヤン・ジュンジエ)氏によれば、トークン消費量は7月までに1月の20倍に達したという9。定額料金を据え置いたまま1加入者当たりの消費を押し上げる今回の移行は、まさにこの部門を直撃する。MiniMax側の言い分は事実に基づく。移行日程は明示されており、従量課金の利用者は11月18日まで旧モデルを使い続けられる4。トークン単価も半減した5。ただ、最も高くつく推論努力度の設定が、誰も選ぶ必要のない既定値になっている理由には答えていない。

MiniMaxのAPI部門、2026年上半期に消費者向けアプリを逆転

  • オープンプラットフォーム(エンタープライズ含む)
  • AIネイティブ製品
$0M$20M$40M$60M$80M2025年上半期2026年上半期API部門が消費者向けアプリを逆転
Data
オープンプラットフォーム(エンタープライズ含む)AIネイティブ製品
2025年上半期$9.2M$21.2M
2026年上半期$73.9M$42.6M
MiniMaxの中間決算による、6月30日までの6か月間の売上高(単位は100万ドル)。API呼び出しと定額制サブスクリプションからなる「オープンプラットフォーム」部門は920万ドルから7390万ドルに伸び、売上高の63.4%に達した。AIネイティブ製品は2120万ドルから4260万ドルに増えた。9

今後の焦点

重みは10月23日に公開される。M2.5とM2.7は11月18日で応答を終える。これまで公表されたベンチマークはいずれも開発元による自己申告で、独立機関のスコアは付いていない34。最大の推論努力度が既定値になっていることで1加入者当たりの消費量が増えるのかどうか、それを示す開示はまだない。見るべき数字は1加入者当たりの消費量であり、その数字が姿を現すのは次の中間決算だ。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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