米国防総省、ライダスに3億1800万ドル――米軍電子カルテを「明け渡す」ため
米国防総省が10月13日付で公表した契約ダイジェストで、ライダスは米軍の電子カルテ「MHSジェネシス」を2028年1月末まで稼働させ続ける3億1790万ドルの単一調達(ソールソース)によるつなぎ契約(ブリッジ契約)を受注した。その間に国防総省傘下の国防保健局(Defense Health Agency、DHA)は、システムの本来の持ち主である技術各社との直接契約を進める。DHA自身の契約文言は、業務をその期限に向けて縮小していく内容だ。
Vincent Jiang · 3 min read
米国防総省が10月13日付で公表した契約ダイジェストで、国防総省も顧客に持つソフトウエア・ITサービス大手のライダス+0.07% — ライダス, up 0.07 percent today(NYSE: LDOS)が、米軍が運用する電子カルテ「MHSジェネシス」の3億1790万ドルの契約を受注した12。調達方法は競争入札を経ない単一調達で、国防保健局(DHA)が1社だけを選んだ2。契約金は2026会計年度の運用・維持費から支出され、システムの再統合、ソフトウエアライセンス、ホスティングの費用を2028年1月末まで賄う12。
業界メディアには、これを売上として計上する見出しを打った媒体もある。「ライダス、DHAのMHSジェネシス・ブリッジ契約3億1800万ドルを計上」3。だが、契約自体の文言はむしろ逆を向いている。DHAは同契約について「終了日までに業務範囲を徐々に縮小する」と明記。業務を他のサービス提供者へ移管し、システムの技術保有者との直接関係を築くために存在するとしている1。
DHA、オラクル・ヘルスなど5社から直接調達へ
ライダスは2015年から、43億ドルの国防総省契約の下でジェネシスを運営してきた。その役割は「リード・システムズ・インテグレーター」で、他社の製品を一つの稼働するシステムに組み上げる主契約企業(プライム)を指す45。カルテ本体を構築したのは当初のソフトウエアメーカー、サーナーだ。現在はオラクル・サーナー+1.00% — オラクル・サーナー, up 1.00 percent todayが基本システムを供給している45。DHAは6月、この仲介役を外して技術保有各社と直接契約する計画を公表し、完了目標を2027年夏に定めた14。
技術保有者は次の5社(カッコ内は識別用のティッカー)。オラクル・ヘルス(ORCL)、フィリップス・ノースアメリカ−0.93% — フィリップス・ノースアメリカ, down 0.93 percent today(PHG)、アメリカン・ウェル+5.39% — アメリカン・ウェル, up 5.39 percent today(AMWL)、ヘンリー・シャイン−2.79% — ヘンリー・シャイン, down 2.79 percent today(HSIC)、ソルベンタム・ヘルス・インフォメーション・システムズ+0.22% — ソルベンタム・ヘルス・インフォメーション・システムズ, up 0.22 percent today(SOLV)14。
ブリッジ契約は年間売上高の2%未満、本題は「出口」の方だ
上限額はライダスの直近四半期の売上高45億6000万ドルの約7%に相当し、過去4四半期で計上した176億ドルに占める割合は2%未満だ6。投資分析サイトのGuruFocusによれば、時価総額150億2000万ドルの同社株は、過去実績ベースの株価収益率(PER)が11.16倍で、過去5年の中央値18.27倍を下回る水準にある2。この割安感は今回の発注より前からあった。市場がつなぎ契約の報道に先立って、政府向けシステムインテグレーションというモデルの値付けを見直し始めていたことを示唆するからだ。
つなぎ契約の全額でもライダスの1四半期の約7%
Data
| 四半期売上高 | |
|---|---|
| 23年7~9月 | $3.92B |
| 23年10~12月 | $3.98B |
| 24年1~3月 | $3.98B |
| 24年4~6月 | $4.13B |
| 24年7~9月 | $4.19B |
| 24年10~12月 | $4.37B |
| 25年1~3月 | $4.25B |
| 25年4~6月 | $4.25B |
| 25年7~9月 | $4.47B |
| 25年10~12月 | $4.21B |
| 26年1~3月 | $4.4B |
| 26年4~6月 | $4.56B |
ライダス、内製化には限界と主張
トム・ベル最高経営責任者(CEO)は投資家に対し、政権はシステムインテグレーションを内製化(インソーシング)し、商用技術は直接購入したい意向だと説明し、「多くの省庁でこの流れが続くと見ている」と付け加えた4。さらに「すべてを内製化して、業務全体をこなすのに必要な人員を確保できるとは考えにくい」とも述べた4。ライダスは7月31日、足場を確保した。国防保健局(DHA)が29件の提案から選んだ12社の一角として、ジェネシスを含む同局の医療IT全般を対象とする5年・3億ドルの製品展開契約を獲得したためだ47。
最初の直接契約が試金石
米国防総省の契約ダイジェストで注視したいのは、国防保健局(DHA)が2027年夏という目標に向け、5社の技術保有者のいずれかに初めて直接契約を発注するかどうかだ1。つなぎ契約は2028年1月末で尽きる1。米国防総省はライダスに3億1790万ドルを支払い、ライダス自身を不要な存在にしようとしている。その日程表は国防保健局(DHA)が公表したものだ。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



