クアルコム、アップル穴埋めへデータセンター売上高を1年で16倍に

クアルコムの最高財務責任者(CFO)は、データセンター向け売上高が今期の約3億ドルから来年度には50億ドルへ急増し、データセンターと自動車で縮小するアップル分を「今後12カ月」ですべて埋めると説明した。アマゾンから入る最初の1ドルは10〜12月期まで待たねばならず、「最大600億ドル」の見出しの実態は、発注に応じて権利が確定する新株予約権だ。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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2024年、リスボンで開かれたウェブサミットで講演するクアルコムのクリスティアーノ・アモン最高経営責任者(CEO)
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2024年にリスボンで開かれたウェブサミットで講演するクアルコムのクリスティアーノ・アモンCEO。同社CFOは2027会計年度のデータセンター向け売上高目標を50億ドルに掲げた。

クアルコムのアカシュ・パルキワラ最高財務責任者(CFO)兼最高執行責任者(COO)は10月1日、アップルを失った後の会社の行方に数字と期限を与えた。来年度のデータセンター向け売上高は約50億ドル。今期は約3億ドルだ。縮小を続けるアップル向け事業は、本人の言葉を借りれば「今後12カ月以内に」データセンターと自動車ですべて置き換わる1。彼が数えているその会計年度は、すでに始まっている。

アップルの穴は今期に開く

離脱はもはや仮定の話ではない。アップル製品向け売上高は7〜9月期から10〜12月期へかけて約50%減る。新型iPhoneのモデムに占めるクアルコムのシェアも、想定していた2割を「著しく下回る」水準になる211。売上高全体は4〜6月期に前年同期比4%減の99億5000万ドルと、2期連続で前年を下回った34。スマートフォン向けチップ売上高は20%減3。

売上高は123億ドルでピークに、2期連続で減少

$8B$9B$10B$11B$12B$13B23年10〜12月24年4〜6月24年10〜12月25年4〜6月25年10〜12月26年4〜6月$9.95Bガイダンス:アップル向けチップ売上高は7〜9月期比で半減
Data
売上高
23年7〜9月$8.63B
23年10〜12月$9.94B
24年1〜3月$9.39B
24年4〜6月$9.39B
24年7〜9月$10.24B
24年10〜12月$11.67B
25年1〜3月$10.98B
25年4〜6月$10.37B
25年7〜9月$11.27B
25年10〜12月$12.25B
26年1〜3月$10.6B
26年4〜6月$9.95B
四半期別売上高(10億ドル単位、暦年ベースの四半期)。クアルコムの会計年度は9月下旬に終了する。出所:クアルコムのSEC提出資料(Sharadar経由)4

アマゾン契約の実態

9月8日のアマゾンとの契約には、「最大600億ドル」という見出しが付いた6。だが、クアルコムが提出した中身はもっと狭い。新株予約権(ワラント)は2500万株分。行使価格は1株161.26ドルで、約40億ドルに相当する。権利は、商用契約の締結と、アマゾンが2036年9月3日までにサーバー向け半導体などの技術を最大600億ドル購入するのに応じて、段階的に確定する57。

最初の売上は10〜12月期に計上される68。仕組みはThe Inferenceが9月27日に分析したものだ。クアルコムが自社株でアマゾンに支払い、アマゾンにクアルコムのチップを買ってもらう——そうした構造である。

「最大600億ドル」は上限、来期の目標は50億ドル

  • Estimate
$0B$20B$40B$60Bアマゾン購入上限(2036年まで)$60B発注があって初めて権利確定データセンター目標(2027会計年度)$5Bアマゾン向け新株予約権$4Bデータセンター売上高(2026会計年度)$0.3B
Data
Value
アマゾン購入上限(2036年まで) (estimate)$60B
データセンター目標(2027会計年度) (estimate)$5B
アマゾン向け新株予約権$4B
データセンター売上高(2026会計年度)$0.3B
単位は10億ドル。上限は、クアルコムのSEC提出資料に基づく2036年9月3日までのサーバー向け半導体や技術の潜在的な購入額。新株予約権は発注の成立に応じて段階的に権利が確定する。出所:CNBC、Code24、CNBC-TV181,5,6

すでに実在する部分

経営陣の主張には実質が伴う。2つのハイパースケーラーがすでに発注書を出しており、ウエハーの生産も始まっている8。メタは2028年からサーバー向けCPU「Dragonfly」を採用する5。

データセンター向け売上高の目標は2029会計年度までに150億ドルへと積み上がる。市場は1兆ドル規模で、クアルコムはその5%の獲得を目指す158。自動車向けは直近の四半期に売上高15億9000万ドルと過去最高を記録し、61%増となった3。最高経営責任者(CEO)のクリスティアーノ・アモンは7月、「われわれはいわば、データセンターでアップルを置き換えた」と語った2。

データセンター向け売上高、2029会計年度には50倍へ

  • データセンター向け売上高
  • Estimate
$0B$5B$10B$15B2026会計年度2027会計年度2029会計年度$0.3B
Data
データセンター向け売上高
2026会計年度$0.3B
2027会計年度 (estimate)$5B
2029会計年度 (estimate)$15B
会計年度別のデータセンター向け売上高(単位は10億ドル)。2027会計年度と2029会計年度の数値は経営陣の目標で、推計として表示。2026会計年度はCFOによる約3億ドルの見積もり。出所:CNBC-TV18、CNBC、Foreign Policy Journal1,5,8

残る課題

自動車向けは実績のある柱だが、期末の年換算売上高で70億ドルから100億ドルへ伸ばすには2029年までかかる1。初めて手掛けるカスタムのサーバー向け半導体は、チップ部門の粗利益率を48〜50%という基準から1.5〜2ポイント押し下げる2。

参入も出遅れている。GPUの事実上の標準はいまだエヌビディアが握り、グーグルとメタのカスタムチップ採用枠はブロードコムとマーベル・テクノロジーが既に押さえている6。パルキワラ氏の反論は、演算処理はあらゆるワークロードにGPUを当てるかたちではなく、用途に特化した分解型・低電力の推論へと移っていくというものだ1。50億ドルという数字を検証する材料は、見出しの額面ではなく、このメカニズムの方である。

更新されたアップルとの特許ライセンス契約は2027年4月1日に発効し、2026年の新型投入で終わるモデム供給とは別枠だ10。バーンスタインの推計では、年15〜17億ドルの「通行料」が毎年入り続ける9。これはライセンス部門の話で、チップの売上高はそれでも去っていく。

最初の検証は11月4日

クアルコムは11月4日に決算を発表する。バーンスタインのステイシー・ラスゴン氏は、ライセンス契約の期間と条件に加え、10〜12月期の業績見通しが示される場になるとみる9。CFO自身の数字でいえば、年50億ドルの達成は四半期平均12億5000万ドルを続けることを意味する。現在のこの事業は四半期7500万ドル前後のペースだ1。この算術の答えを決めるのは、プレスリリースではなくアマゾンの発注台帳である。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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