テキサス州、AI向け電力申請474ギガワットを凍結 ガレージの壁の蓄電池は行列に並ばず
ERCOT(テキサス州電力信頼度評議会)への大口負荷の連係申請は州の過去最高ピーク需要の5倍に達し、通電開始は12月の監査まで凍結されている。この逼迫で得をするのは、系統連系の申請なしにピーク電力を供給できる事業者だ。8月に評価額130億ドルとされたBase Powerは、1日約100基の家庭用蓄電池を取り付けている。
Vincent Jiang · 3 min read
鍵のかかった扉の前で待つ、17のデータセンター
大規模データセンター17件は、安定性調査を含めてERCOTが課す関門をすべて通過し、ピーク需要の合計6.6ギガワットで、年内の運転開始が予定されていた1。だが最後の関門、通電の許可が閉ざされている。グレッグ・アボット州知事は8月3日、すべての大口負荷の監査を命じた。ERCOTは12月10日までの完了を目指す1。11月の再選がかかる知事選を控えた9月21日、知事は監査対象を、データセンターが必要となり得る州の許認可のすべてに拡大した2。
申請行列、過去最高ピークの5倍
ERCOTへの系統連系の申請は合計で約474ギガワットに達し、うち約9割がデータセンターだ。過去最高のピーク時需要は、7月21日に記録した8万7533メガワットである13。2024年末、この行列は63ギガワットだった4。専門家は、その残りの相当部分が投機的な申請か重複だとみている1。
AIの申請、系統の過去最高ピークの5倍に
Data
| Value | |
|---|---|
| 申請量(24年12月) | 63GW |
| 過去最高ピーク(26年7月) | 87.5GW |
| 申請量(26年6月) | 474GW |
待つコストと、逃れるコスト
待つことにも、いまや料金表がついた。テキサス州公益事業委員会が9月18日に確定した規則5は10月8日に発効した4。75メガワット以上の負荷には、10万ドルの定額調査料を課し、申請容量1メガワットあたり5万ドルの担保を求める。容量を割り当てられた後に取り下げる事業は、担保の20%を失う5。大規模データセンターを完全に系統連系させるには5~10年かかる4。
逃れるコストは、見かけ以上に高い。1ギガワット級のキャンパス1棟を、14時間続く冬の一夜しのがせるだけでも蓄電池14ギガワット時が要る。6月時点のERCOTの蓄電池設備全体の約半分に相当する4。xAI$200B — xAI, private, latest valuation $200Bのメンフィスのキャンパスは、自らの負荷変動を吸収するだけでもテスラ+1.26% — テスラ, up 1.26 percent todayのメガパック150メガワットを必要とした4。系統を離れて自前の電力をまかなう「島」も網にかかる。9月21日の命令は、自分で発電する事業にまで手が届くよう書かれている25。
行列に並ばない蓄電池群
Base Power$200M — Base Power, private, latest valuation $200Mは各家庭に蓄電池を設置し、夜間に充電した電力を、系統がひっ迫したときに売り戻す。頼るのは、もとから張り巡らされた電線だ。8月3日、アボット知事が監査を命じたまさにその日、同社は評価額130億ドルで10億ドルを調達した。累計調達額は25億ドルで、電力会社との提携は200メガワット超に及ぶ61。日が重なっているのはタイミングで、因果ではない。
同社は1日約100基の蓄電池を設置しており7、3万世帯を超える家庭に電力を供給しているという8。電力協同組合のGVECと組んで運用する一つの蓄電池群は、ERCOTの卸電力パイロット事業を通過し、50メガワット規模へ拡大しつつある4。このひっ迫を最も声高に訴えるのはa16zだ。同社は今回のラウンドに出資しており、その求人ニュースレターはBase Powerの採用を募っている78。
対抗馬の名前も挙がっている。テスラだ。テキサス州民は、パワーウォール27キロワット時を月35ドルで、あるいはBase Powerの蓄電池39.2キロワット時を月19ドルでリースできる。テスラはこれに対抗して価格を3分の2以上引き下げた9。テスラは6.7ギガワット超のパワーウォールを設置済み。Base Powerは1日に8メガワット時を追加しており、年末までにその倍増を目指す9。
勝負の12月
アボット知事側の言い分も、ないわけではない。州の水利用調査で、回答したデータセンターはわずか28%にとどまり、知事は「テキサス州民が最優先だ」と書いた2。12月10日の報告書が信頼に足る事業を承認すれば、バッチ・ゼロ(Batch Zero)は再開する。ただし、2027年4月9日の期限に間に合わないことはすでに確実だ1。見極めの手がかりは、計画担当者が設備増強の規模を算定する際、蓄電池を含む柔軟性を考慮するかどうかにある。現状は、キャンパスの計画負荷の全量を前提に算定している4。
テキサス州で希少なのは、もはや電力ではない。電力を使う許可だ。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



