東芝の4億ドルHDD賭け、AIストレージ2強の値付けを揺らす

日本経済新聞が「東芝は2027年度までにハードディスク(HDD)の生産能力を倍増する」と報じ、シーゲート株は11%、ウエスタンデジタル株は7%下落した。7四半期続いた品薄価格で、両社の売上総利益率は16ポイント超上昇した。復帰する3番手サプライヤーが今まさに挑む相手は、まさにこの価格だ。

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Vincent JiangVincent Jiang · 2 min read
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白い背景の前に置かれた、カバーを外したシーゲート製HDD。鏡面のプラッタ(記録ディスク)と読み取りヘッド、リボンケーブルが見える
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カバーを外したシーゲート製HDDの内部。東芝の能力倍増計画が狙うのは、AIデータセンターが今や頼りにしているニアライン(nearline)ドライブだ。

東京発の未確認報道1本が、今年最も人気を集めたAI関連株のうち2銘柄を動かした。日本経済新聞は、東芝がフィリピン工場で2027年度までにHDDの生産能力を倍増させると報じた。投資額は約600億円(3億8000万~4億ドル)で、ディスク事業への大型投資は約5年ぶりとなる13。シーゲートは寄り付きで11%安、ウエスタンデジタルは7%安、サンディスクも約1%安で始まった1。昼にかけて下げ幅は広がり、シーゲートは約12%安、ウエスタンデジタルは9.5%安まで売られた。一方、Roundhill Memory ETFはほぼ横ばいで、QQQは1%超と上昇した2。

金曜日の売りは日が進むほど深まった

  • 寄り付き
  • 昼時点
-15%-10%-5%0%シーゲートウエスタンデジタル-7%
Data
寄り付き昼時点
シーゲート-11%-12%
ウエスタンデジタル-7%-9.5%
2026年10月2日の株価騰落率(%)。寄り付きと昼時点。Investing.com(ヤフーファイナンス経由)、24/7 Wall St.1,2

値付け力は粗利率の数字に出ている

何が再評価されたのか。その答えは損益計算書にある。シーゲートの売上総利益率は2024年10~12月期の34.9%から2026年4~7月期には52.3%へ上昇し、ウエスタンデジタルも37.7%から54.1%へ高まった45。直近四半期は両社とも売上高が前年同期比40%超の増加となった45。経営トップたちもはっきり口にしている。シーゲートのデーブ・モズリー最高経営責任者(CEO)は4月、「総出荷台数は実質的に増えていない」と述べ、ウエスタンデジタルのアーヴィング・タンCEOは8月、供給の逼迫は「価格交渉力を高める機会」になると語った2。供給不足を背景に、両株は金曜日の急落までに年初来で約240%、170%の上昇を重ねていた16。

HDD2社、ひとつの品薄プレミアム――売上総利益率は2024年以降16~17ポイント上昇

  • シーゲート
  • ウエスタンデジタル
30%35%40%45%50%55%24年10~12月期25年1~3月期25年4~6月期25年7~9月期25年10~12月期26年1~3月期26年4~6月期
Data
シーゲートウエスタンデジタル
24年10~12月期34.9%37.7%
25年1~3月期35.2%39.8%
25年4~6月期37.4%41%
25年7~9月期39.4%43.5%
25年10~12月期41.6%45.7%
26年1~3月期46.5%50.2%
26年4~6月期52.3%54.1%
売上総利益率(売上高比、%)の暦年四半期別推移。シーゲートとウエスタンデジタルの四半期ファンダメンタルズはSEC提出書類(Sharadar経由)、2026年10月2日取得。4,5

品薄が自らの「代役」を呼び込んだ

ややこしいのは、その利益率を築いたのと同じ品薄が、第3の供給者を業界に呼び戻したことだ。メモリーは深刻な品薄状態にあり、SSDの価格はHDDの約20倍に達している。この価格差がAIデータセンターをニアライン(nearline)ドライブへと向かわせている7。業界の供給容量の1割強を握る東芝は、シェア3割を目標に掲げ、1台あたりの容量を最大40%引き上げる製品を投入する17。この賭けの総額は、シーゲートが直近四半期だけで稼いだ営業利益15億6000万ドルの約4分の1にとどまる4。1割の基数を倍にするのは、2強体制を引き裂く断絶ではなく、品薄価格への対抗提示にすぎない。

長期契約、記録密度、そしてごく小さな投資額

強気筋の答えは、契約はニュースに勝るというものだ。シーゲートによれば、ニアライン(nearline)ドライブの供給能力は暦年の2027年までほぼ全量が割り当て済みで、その大部分は2028年まで埋まっている。ウエスタンデジタルも長期契約で2027年分の供給の大半を確約している7。シーゲートの熱アシスト磁気記録(HAMR)方式による容量44テラバイトのドライブは、上位のクラウド顧客の75%に既に出荷されている8。一方の東芝は、この計画を公式に一切確認しておらず、コメントの求めには応じなかった。同社の2027年度は2028年3月まで続く9。

決着は2029年の価格表がつける

この攻防に決着をつけるのは、2029~31年の価格表だ。ウエスタンデジタルは、商業条件はまだ交渉中だと明かしている8。まず東芝が計画を正式確認するかどうか、次にハイパースケーラー(超大手クラウド事業者)が東芝のフィリピン工場の生産ラインを調達先として認定するかどうかに注目したい。品薄がこのディスクに値を付けた。その値札が競争を招き寄せたのだ。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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