オラクル、5年以内のデフォルト確率を2割と市場が織り込む

オラクルのクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)は8日、終値で261ベーシスポイント(bp)と過去最高を付けた。AI(人工知能)関連信用の1日での再評価はブロードコムやスペースXにも及び、両社のCDSも最高値を更新した。オラクルの答えは借入を減らすことではない。アポロとゴールドマン・サックスが、チップを買い付けてオラクルにリースする会社に出資する構えだ。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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2025年1月、米国のAI投資に関するホワイトハウスの記者会見で発言する、オラクル創業者で最高技術責任者(CTO)のラリー・エリソン氏
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2025年1月、米国のAI投資に関するホワイトハウス記者会見に登壇したオラクル創業者で最高技術責任者(CTO)のラリー・エリソン氏。オラクルの設備増強を支える借入金こそ、信用市場のトレーダーが値付けし直している対象だ。

AIにカネを貸す側は、デフォルト(債務不履行)が起きるのを待つことをやめた。10月8日、オラクル−5.21% — オラクル, down 5.21 percent today債のデフォルトを保障するコストは10.5bp上昇して261bpと、過去最高の終値をつけた。ブロードコム−3.95% — ブロードコム, down 3.95 percent todayとスペースX−1.85% — スペースX, down 1.85 percent todayのスワップもそれぞれ史上最高値を付けた1。同日の株価はオラクルが5.5%、ブロードコムが4.4%、スペースXが4.2%下落した1。

こうした価格が示すのは、オラクルが5年以内にデフォルトする確率2割超、スペースXが約16%、そして時価総額世界一のエヌビディア−2.80% — エヌビディア, down 2.80 percent todayが7%超という水準だ1。ブルームバーグの報道によれば、問題は信用品質の実際の悪化というより、市場の飽和にあるという1。それでも市場は、その可能性に値段をつけている。

CDS価格、オラクルの5年以内のデフォルト確率を2割超と示す

  • 暗示的な5年以内のデフォルト確率
  • Estimate
0%5%10%15%20%オラクルスペースXエヌビディアCDS終値261bpは過去最高
Data
暗示的な5年以内のデフォルト確率
オラクル (estimate)20%
スペースX (estimate)16%
エヌビディア (estimate)7%
CDS価格から導いた5年以内のデフォルト確率(2026年10月8日)。ブルームバーグはオラクルが2割超、スペースXが約16%、エヌビディアが7%超と報じた。棒グラフは報じられた水準を示す。出所:ブルームバーグ(Yahoo Finance経由)1

引き金は売上高の修正

この再評価は、オープンAI$1.18T — オープンAI, private, latest valuation $1.18Tが9月末時点の年換算売上高は約500億ドルだと投資家に伝えたのと同じ日の出来事だった。伝えられた数字は、数週間前に出回っていた680億ドルではなかった。大きい方の数値には提携先の総売上高が含まれており、アンソロピック$350B — アンソロピック, private, latest valuation $350Bと比較しやすくするためだった234。トレーダーがAIの信用リスクのバロメーターとするオラクル1の株価は現在、2025年10月の高値から56.8%下落した水準にある2。米国債10年物の利回りが一時5.36%に達したことも、圧力に拍車をかけた3。

答えは社債ではなくリース

ブルームバーグの集計では、オラクル、ブロードコム、スペースXを中心に今年価格が決まったAI関連の新規債務は5000億ドル近くに上る。米高格付け(ハイグレード)社債では250億ドル超の大型起債が9件と過去最多で、大半をハイテク関連が占める1。ブロードコムは単独でも、今後数年にわたり約6000億ドルを調達する可能性がある1。オラクルの総債務は2024年11月の995億ドルから1691億ドルへ膨らみ、直近4四半期のフリーキャッシュフローはマイナス287億ドルだった5。

オラクル、設備投資が営業キャッシュフローを5四半期連続で上回る

  • 設備投資
  • 営業キャッシュフロー
$0B$10B$20B$30B24年1~3月24年7~9月25年1~3月25年7~9月26年1~3月26年7~9月設備投資285億ドルに対し営業キャッシュフローは231億ドル
Data
設備投資営業キャッシュフロー
24年1~3月$1.7B$5.5B
24年4~6月$2.8B$6.1B
24年7~9月$2.3B$7.4B
24年10~12月$4B$1.3B
25年1~3月$5.9B$5.9B
25年4~6月$9.1B$6.2B
25年7~9月$8.5B$8.1B
25年10~12月$12B$2.1B
26年1~3月$18.6B$7.2B
26年4~6月$16.5B$14.6B
26年7~9月$28.5B$23.1B
オラクルの四半期別設備投資と営業キャッシュフロー(暦年ベースの2024年1~3月期~2026年7~9月期、単位は10億ドル)。設備投資が営業キャッシュフローを上回る状態は直近5四半期続いており、この差が借入の背景にある。直近4四半期の資金不足は、本文で触れたマイナス287億ドルのフリーキャッシュフローと一致する。出典:オラクル、SEC(米証券取引委員会)提出書類の四半期データ(2026年10月9日取得)9

そうした事情を背景に、アポロやゴールドマン・サックス−0.37% — ゴールドマン・サックス, down 0.37 percent todayとの交渉が進められている。外部投資家が別会社に資金を出し、その会社がチップを購入してオラクルへリースする構想だ6。この仕組みが実現すれば、オラクルの当面の借入需要は減り、信用格付けへの圧力も和らぐ1。ブロードコムはオープンAIのカスタムチップ向けに500億ドル超の資金を手配しており、スペースXはエヌビディア製プロセッサー向けに400億ドルの調達を求めている67。

リスクは消えず、移るだけ

この仕組みには、利益を得る側もいる。アポロとゴールドマン・サックスは、リスクを自ら保有するのではなく、仕組みの組み立て役に回る6。こうした変動について、ウェーブレングス・キャピタル・マネジメントのアンドリュー・ダッソリ最高投資責任者(CIO)は「トレーダーに好機をもたらす」と話す1。リスクを負うのは、債券を買い受けた者だ。その裏では、モルガン・スタンレー−1.03% — モルガン・スタンレー, down 1.03 percent todayの試算で2028年までに1兆5000億ドルの外部資金を要する設備増強が進む7。

これらの借り手の大半は黒字を確保しており、ひずみの正体は信用力の悪化というより、市場の飽和によるものだ1。この手法はすでにジャンク債(ハイイールド債)市場にも広がっている。クリーンスパークがメタ−0.26% — メタ, down 0.26 percent todayの子会社にリースしているデータセンターは、投資家がプレミアム(利回りの上乗せ)をさらに押し上げる中、9月に発行した22.8億ドルの社債に約100億ドルの注文を集めた8。残るリスクは集中だ。T・ロウ・プライスのポートフォリオマネジャー、スティーブン・コーレンスタインの言葉を借りれば「現在のバリュエーションでは十分に織り込まれていない可能性がある相関リスク」である1。

ブロードコムの資金調達は年内の締結が見込まれ、オラクルも今年中に成約をまとめたい考えだ6。請求書の支払期日が来るわけではない。シンジケート団に分散されるだけだ。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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