ツァイ会長、欧州にオープンウェイト売り込み――アリババの安全性開示は238リリース中7件

ジョー・ツァイ会長はオープンウェイトを、欧州がAIで自立する道として売り込む。同じころ、アリババクラウドはスペインで太陽光発電の調達を交渉し、新たな3カ国でも初のクラウドリージョンを準備している。売り込みの裏にある開示の記録は、238リリースのうち公表された安全性評価結果は7件というものだ。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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アリババグループのジョー・ツァイ会長
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アリババのジョー・ツァイ会長は10月7日、トリノでオープンウェイトを「欧州のAI自立への道」として売り込んだ。

「欧州に足りない」インフラ、アリババが建設を進める

ジョー・ツァイ会長は10月7日、トリノで起業家らに語り、オープンウェイト(open weights)は欧州がAIで自立するための「唯一の道」だと訴えた1。モデルを手にし、地元の工場データで学習させ、自社のデータセンターで動かす――ツァイ会長の言葉を借りれば、これで企業はもとの開発者に依存しなくなるという1。

具体策は演説と同じ週に動き出した。アリババ+2.90% — アリババ, up 2.90 percent todayはマドリード南郊プエルトリャーノのデータセンターへの給電に向けて太陽光発電事業者ソラリア(Solaria)と予備的な協議を始めており、他の供給業者にも接触している2。クラウドリージョンは6月に稼働したフランスに続き、トルコ、フィンランド、オランダでも初のリージョンが12カ月以内に設けられる13。呉泳銘(エディ・ウー)CEOは2032年までに世界で20ギガワット超の設備能力を目指すと表明し、業界の需要は「われわれの供給能力をはるかに上回っている」と述べた34。

年250億ドルの流入、四半期109億元の流出

大規模設備投資の原資はEC(電子商取引)事業が生むカネだ。年間約250億ドルのフリーキャッシュフローを背景に、設備投資は3年連続で倍増。四半期利益はすでにその負担で75%目減りした1。それでも米ジェフリーズは10月8日、アリババを最推奨銘柄に選び、今四半期はAIクラウド・コンピューティング収入が5割超増の605億元に達する一方、AIラボは109億元の損失になると予測した5。

巨額のカネが買おうとしている市場は価格競争そのもので、最も安い席を占めるのは中国勢だ。アンソロピック$350B — アンソロピック, private, latest valuation $350Bはハイク5.5を入力100万トークン当たり0.10ドルに引き下げた。Qwen3.7 Flashの提示価格は0.03ドルだが、この料率が適用されるのは入力3万2000トークンまでで、超えた分は0.10ドルとハイク5.5と同じ水準になる6。

Qwen3.7 Flash、ハイク5.5の3分の1価格――ただし3万2000トークンまで

$0$0.05$0.1アンソロピック ハイク5.5Qwen3.7 Flash(3万2000トークンまで)Qwen3.7 Flash(3万2000トークン超)$0.1$0.03
Data
入力100万トークン当たりの価格
アンソロピック ハイク5.5$0.1
Qwen3.7 Flash(3万2000トークンまで)$0.03
Qwen3.7 Flash(3万2000トークン超)$0.1
2026年10月時点の入力100万トークン当たりの提示価格。Qwen3.7 Flashの0.03ドルは最初の入力3万2000トークンにのみ適用され、超えた分はハイク5.5と同じ0.10ドルになる。出典:The New Stack(6)6

238リリースで安全性評価結果は7件

中国のモデルリリースは2021年以降で857件――安全性評価結果を手に提供開始したのは9件

02004006008001,000リリース数857公表された安全性評価結果あり31提供開始時に結果あり9アリババだけで3件
Data
Value
リリース数857
公表された安全性評価結果あり31
提供開始時に結果あり9
中国の大手AI開発企業9社(バイトダンス、アリババ、テンセント、百度(Baidu)、DeepSeek、Moonshot(月之暗面)、智譜AI(Zhipu)、MiniMax、StepFun(階躍星辰))のリリース数、2021年~2026年9月15日。「結果」は、開発者が公表した、当該リリースに紐づく定量的な安全性評価の所見を指す。出典:SemiAnalysisのリリース調査7

SemiAnalysisの集計では、2021年以降に中国の大手9社が出したリリースは計857件に上る。何らかの公表された安全性評価結果を伴うのは31件で、提供開始時点で結果があったのは9件だけだ7。アリババ1社に限れば、238リリースに対して結果は7件、提供開始時点では3件。危険能力(dangerous capability)評価を添えて提供された中国のフロンティア級テキストモデルは、これまで一度もない7。

ブリュッセルが義務を決める基準はライセンスではなく計算能力

9月29日にワシントンがまとめた合意はあくまで任意で、新たな義務は何も生まない8。一方のブリュッセルには、リリース前の評価を求め、EU市場へのアクセスを制限し、事業者の所在地を問わず売上高の最大3%の罰金を科す権限がある。情報提供の要請を拒否、あるいは評価を妨害すれば、それ自体が罰金の対象だ9。システミックリスク関連の義務は、訓練に使う計算能力が10の25乗FLOPに達すると発動する7。欧州で販売する汎用AIモデルはすべて、AIオフィス(AI Office)向けに訓練データを文書化しなければならない10。

両陣営の議論はかみ合わない。ツァイ会長は、米国のクローズド系ラボがすでに公表しなくなったのは、共有したくないからだ、と主張する1。北京通用人工知能研究院の朱松純氏は、人類絶滅論を「オッペンハイマー流のマーケティング」と呼ぶ7。評価の妨害に罰金を科す規制当局が相手にするのは、5年間で提供開始時点の安全性評価結果が3件のラボだ7。

マドリードの政令が先、次は10~12月期決算

ブリュッセルが計算能力を基準に課す義務の照準をオープンウェイトの中国製モデルに合わせる、と示す材料は今のところない。中国企業を親に持つEU子会社がスペインの設置要件(establishment test)を満たさない、とする見方も出ていない2。だが義務がいったん効いてくれば、四半期109億元のAIラボ損失を賄う国際部門こそ、値付けを見直される部門になる。日程は決まっている。マドリード政府は年内の規則公布を目指しており2、その後はアリババの10~12月期決算が控える。米ジェフリーズは成長が加速するとみている5。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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