TSMC、グローバル・ファウンドリーズに20億ドル AI向けパッケージング能力を確保、生産開始は28年

TSMCは5年間で総額20億ドルを支払い、ニューヨーク州マルタで生産するCoWoS向けシリコンインターポーザーを調達する。ただし本格的な量産開始は2028年になる。発表を受けてグローバル・ファウンドリーズ株(GFS)は4.06%高の50.02ドルと急伸し、BNPパリバが今週月曜に「ニュートラル(中立)」判断で示した目標株価51ドルの1ドル足らず下まで買われた。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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グローバル・ファウンドリーズの最高経営責任者(CEO)、ティム・ブリーン
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グローバル・ファウンドリーズのティム・ブリーン最高経営責任者(CEO)。同社は2026年10月8日に発表した5年間・20億ドルの合意に基づき、ニューヨーク州マルタの工場でTSMCのAI向けパッケージング供給網に組み込むシリコンインターポーザーを生産する。

グローバル・ファウンドリーズ−3.12% — グローバル・ファウンドリーズ, down 3.12 percent todayは10月8日、TSMC−1.41% — TSMC, down 1.41 percent todayとの間で5年間・総額20億ドルの製造契約を結んだと発表した 1。ニューヨーク州マルタにある自社工場でシリコンインターポーザーを生産する。インターポーザーはGPUダイとメモリーを1つのパッケージに収めるためのシリコン基板で、TSMCがAI向けパッケージングで量産展開する主力技術「CoWoS」に組み込まれる 13。同社はマルタをこの供給網における米国内初のインターポーザー供給拠点と位置づけ、量産は2028年上半期に本格化するとしている 1。

この発表を受けてグローバル・ファウンドリーズ株(GFS)は4.06%高の50.02ドルに上昇し、時価総額は268億ドルとなった 2。上昇前の水準は約257億5000万ドルで、1日のうちに約10億ドル増えた計算だ。

最先端から撤退したファウンドリー、TSMCの供給側へ

グローバル・ファウンドリーズは2018年8月、開発費用を負担できないと判断して7nm(ナノメートル)プロセスから撤退し、AMD−1.60% — AMD, down 1.60 percent todayは数か月のうちに7nmチップレットの生産をTSMCに移した 4。1年後の2019年には米国とドイツでTSMCを特許侵害で訴え、TSMCも逆提訴したが、同年10月に両社は特許の存続期間全体を対象とするクロスライセンスで和解した 4。2025年11月には窒化ガリウム(GaN)技術のライセンス契約も結んでいる 4。

供給のボトルネックは、その後さらに工程の下流へ移っている。世界最大の半導体後工程(パッケージング・テスト)会社、ASE(日月光半導体)は7月、2026年の設備投資を20億ドル増額して約105億ドルに引き上げ 5、AI向けパッケージングの生産ラインは8月も満杯が続いた 6。満杯のラインが示すのは、AIチップの順番待ちが発生しやすいのはウェハーではなくパッケージ工程だということだ。そう読むなら、TSMCがやったのは、最先端から撤退したファウンドリーから工場スペースを借りることだけだ。

20億ドルが明かさない中身

年ごとの金額配分、単価、生産能力、顧客名のいずれも出ていない。両社とも、契約の商業的詳細は一切明らかにしていない 3。技術面の準備だけは整っている。同社のインターポーザープラットフォーム「65PKG」は技術成熟度指標(TRL)の最高位「TRL9」に達し、量産向けの認定を済ませている 3。総額20億ドルを5年で均等に割っても年間約4億ドルで、同社が2025年に計上した売上高は67億9000万ドルだった 49。

7nm撤退から6年、売上高はなお2022年度のピークに届かず

$0B$5B$10B2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度$6.79Bピーク年度、81億ドル
Data
売上高
2020年度$4.85B
2021年度$6.59B
2022年度$8.11B
2023年度$7.39B
2024年度$6.75B
2025年度$6.79B
グローバル・ファウンドリーズの年度別売上高(単位は10億ドル)。米証券取引委員会(SEC)提出の資料に基づく。売上高は2022年度に81億ドルでピークに達し、2025年度は67億9000万ドルだった。TSMCとの契約による上乗せは均等割りで年約4億ドルだが、始まるのは2028年の量産立ち上げ以降になる。出所:同社のSEC提出資料による年次決算数値 [9]。9

BNPパリバは10月5日(月)、グローバル・ファウンドリーズ株の投資判断を「アウトパフォーム」から「ニュートラル(中立)」へ引き下げ、目標株価を80ドルから51ドルに切り下げた。アナリストのカール・アッカーマン氏は、成長のけん引役はすでに株価に織り込まれているとの見方を示した。同氏はシリコンフォトニクスの売上高見通し(今年は4億〜5億ドル)について、いまだ実証されていない能力移管が前提だと問題視する一方、米国内の生産能力にはプレミアムがつくことは認めた 7。発表当日の急騰でついた株価は、引き下げ後の目標株価に98セント及ばなかった。

1日の急騰で、格下げ後の目標株価に肉薄

$0$20$40$60$80BNPの目標株価(引き下げ前)$80BNPの目標株価(引き下げ後)$51株価(10月8日)$50.02TSMCとの契約発表
Data
Value
BNPの目標株価(引き下げ前)$80
BNPの目標株価(引き下げ後)$51
株価(10月8日)$50.02
2026年10月5日にBNPパリバが投資判断をアウトパフォームからニュートラル(中立)へ引き下げる前後のグローバル・ファウンドリーズ株の目標株価と、契約発表日の2026年10月8日の同社株価。単位は1株あたり米ドル。出所:Pluang [2]、Seeking Alpha(MSN経由)[7]。2,7

急騰を『本物』にする条件

仕組みとしては双方に得がある。TSMCは自前で工場を建てずに米国内のCoWoS能力を確保し、グローバル・ファウンドリーズはすでに操業している工場で、新たな能力への投資を賄う需要を得る 1。もっとも、数字の裏付けは薄い。10月8日に1日で約10億ドル増えた時価総額に対し、売上の上乗せは均等に割っても年約4億ドルで、しかも始まるのは2028年だ。

TSMC自身の広報サイトには、10月8日時点でこの契約に関する発表は掲載されていなかった 8。今後の焦点は、マルタ工場に紐づく生産能力の確約と価格、四半期ごとの生産数量の開示、そして2028年前半という量産開始時期を守り切れるかどうかだ。こうした数字が出そろうまで、市場は2026年のニュースを2028年の売上と突き合わせて値付けを続けている。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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