欣興電子、AI向け基板を最大4割増強 顧客の出資なし、全額自前

サムスン電機の50億ドル規模の基板増強にビッグテックの顧客が共同出資することで合意してから数日、欣興電子(Unimicron)は同じ需給ひっ迫に対する自社の答えに数値を付けた。2027年までにABF基板の生産能力を3~4割増やす。買い手の資金は付かない。株価はすでにアナリストの平均目標株価を上回っている。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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台湾にある欣興電子のシャンイン(Shanying)工場の入り口
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台湾の欣興電子(Unimicron Technology)シャンイン工場の正門。AI向け基板の需給ひっ迫に対する同社の答えは、2027年までにABF基板の生産能力を3~4割増強する計画で、顧客の資金は入らない。

タイヤ大手の土地を、自前の金で買い取り

欣興電子の最新の基板用地は、もともとブリヂストンの所有だった。同社は9月30日、タイヤ大手の台湾子会社から湖口の土地と建物を購入したと開示。価格は100億台湾ドル超で、約3億1365万米ドルに相当する12。この開示にも、続いて出た生産能力増強の発表にも、顧客からの前受金や割当て契約、供給契約への言及はない13。

2027年までに能力を3~4割増やす

この購入は、AI向けパッケージ基板の需給ひっ迫に対して欣興電子が初めて数値を付けて示した増強計画の一環だ。2027年までにABF基板の生産能力を3~4割引き上げる。手段は新工場の新設、既存ラインの最適化、旧来のBT基板設備の転用で、グアンフー(Guangfu)第2工場は2027年後半に量産に入る。この数値は9月16日付のゴクスタイン・メディア(Gokhshtein Media)の報道が初出で、10月2日に市況系メディアが伝えた3。同社自身が公表した2026年の予算は過去最大の340億台湾ドルで、大半をABFに充てる34。

テックタイムズ(Tech Times)が引用した調査会社トレンドフォース(TrendForce)の推計では、その後、2026年の計画は537億台湾ドルを超え、増額分の80~85%がABFに向かう5。利益率のエンジンはすでに回り始めている。4~6月期の売上高は429億台湾ドルで、売上総利益率は24.8%。2024年10~12月期の11.6%から大きく持ち直した3。上期(1~6月)の利益は182億台湾ドルに達した2。

競合では顧客が生産枠の確保に金を払う

同種の増強計画はどこも、今や顧客の資金付きで進んでいる。サムスン電機の取締役会は9月29日、6兆7800億ウォン(約50億ドル)の支出を承認した。開示資料は、世界のビッグテック顧客が資本の一部を提供し、将来の数量を保証すると明記している65。同社はすでにエヌビディア、グーグル、アマゾンに供給しており、トップクラスの半導体顧客と長期供給契約を交渉中だと説明する7。

イビデンは5000億円(約31億ドル)の投入を決め、生産能力を2024年の2.8倍へ引き上げる48。半導体の買い手各社は業界全体で、前払い金を払って供給を確保している5。一方、欣興電子の発表にはこれに相当する条項が一つもない。開示された内容を見る限り、賭けの全額を負担するのは株主だ13。

年間投資額では互角、出資面では単独――欣興電子の増強に共同出資する買い手はいない

$0B$0.5B$1B$1.5B$2Bサムスン電機(2026年~2028年5月)$1.66B買い手が共同出資欣興電子(2026年の設備投資)$1.07B顧客の資金ゼロイビデン(2026年度~2028年度)$1.03B景碩科技(Kinsus、3年間)$0.24B
Data
Value
サムスン電機(2026年~2028年5月)$1.66B
欣興電子(2026年の設備投資)$1.07B
イビデン(2026年度~2028年度)$1.03B
景碩科技(Kinsus、3年間)$0.24B
発表済みの基板増強計画を計画年数で割った年あたりの投資額(米ドル換算、レートは各媒体が用いたものによる)。サムスン電機は2028年5月までに50億ドル。イビデンは3事業年度で31億ドル。欣興電子は過去最高の2026年計画で340億台湾ドルだが、テックタイムズ(Tech Times)が引用したトレンドフォース(TrendForce)は2026年の設備投資を537億台湾ドル超、年額約17億ドルとみる。景碩科技(Kinsus)は3年間で7億2200万ドル。3,4,5,6,8

設備投資では越えられないフィルムの壁

3社の増強計画が積層に使う素材は同じだ。味の素はABFフィルムの95%超を握り、第2四半期までフル稼働が続いたうえ、5月には顧客に約30%の値上げを通知した48。サプライチェーン(供給網)分析では、基板の供給不足は現状で約10%、2027年に約21%、2028年には40%超に達する見通しだ48。欣興電子のラインが予定どおり稼働すれば、株価の前提となっているまさにその不足の解消に一役買う。だが、フィルムの制約が解けない限り、新ラインは積層材を待つだけだ。

ボールグリッドアレイ(BGA)型半導体パッケージの断面図。シリコンダイと、その下の積層基板、はんだボールを示す。
ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージの断面。シリコンダイは積層基板に搭載される。この積層基板こそ、本記事で各社の増強計画が拡張を競うAIサプライチェーンの層だ。 · TubeTimeUS

各社の増強計画がこぞって追う不足率、2028年に4倍へ

  • ABF基板の供給不足率(予測)
  • Estimate
0%10%20%30%40%2026年後半2027年2028年
Data
ABF基板の供給不足率(予測)
2026年後半 (estimate)10%
2027年 (estimate)21%
2028年 (estimate)40%
2026年9月に業界メディアが引用したサプライチェーン(供給網)分析による、ABF基板の需給不足率(需要に対する割合)の予測値。企業のガイダンスではない。4,8

株価はすでにコンセンサス超え

同社株は10月2日午前、1,265台湾ドルで推移した。前日比4.12%高、時価総額は1.99兆台湾ドル。年初から10月1日の終値までに452%上昇した結果、株価は同社をカバーする19人のアナリストの平均目標株価1,264.21台湾ドルをすでに上回っている32。生産能力のストーリーはグアンフー(Guangfu)第2工場の2027年後半の量産立ち上げが決める。もう一つを決めるのは検察だ。製品の原産地をめぐる違反疑惑の捜査が続いており、8月には捜索が入った2。市場は、不足を終わらせると約束した会社に、2028年の不足価格を払っている48。

Deepdive

AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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