VAST Dataの最大顧客、VASTの「データ層」を自前で構築へ
VAST Dataが2026年4月に評価額300億ドルで実施した資金調達は、最大顧客CoreWeaveへの依存を土台にする。そのCoreWeaveがこのほど自社プラットフォームにストレージを組み込み、VASTを4提携先の1社として位置づけた。ネオクラウド(neocloud)のCoreWeaveは金利2.875%の転換社債で駆け上がりの資金を賄い、VASTの新しい顧客は9.95%の金利で借り入れる。
Vincent Jiang · 3 min read
競合のステージに「パートナー」のバッジ
9月30日、サンフランシスコで開かれたCoreWeaveのカンファレンス「Fully Connected」で、VAST Dataはクラウドストライク、Reflection、ClickHouseと並び、厳選された統合ネットワークの主要パートナー4社の一角として名を連ねた12。同じステージでは、コンピューティング、ストレージ、モデルのサンドボックス、Weights & Biasesのツール群を単一の環境にまとめたプラットフォーム「CoreWeave Forge」が、4500社の顧客向けに発表された2。かつてCoreWeaveが買っていたストレージを、いまCoreWeaveが売っている。
300億ドルの評価額を支えるもの
VASTは2026年4月、評価額300億ドルで10億ドルを調達した。評価額は2023年時点の91億ドルの3倍を超え、うち5億ドル超は従業員と初期投資家に向かうセカンダリー(既存株売却)分だった34。同社の主張では、累計受注額は40億ドル超、コミット済みの年間経常収益(ARR)は5億ドル超という34。その土台には、CoreWeaveが2025年11月に締結した11億7000万ドルの契約が横たわる。VASTがCoreWeaveクラウドの主要なデータ基盤となり、CoreWeaveがVASTの最大顧客になると報じられた契約だ。ただしこの額は単一の報道に依拠し、この契約がARRのどれだけを占めるかを示す提出書類はない3。
顧客側がデータ層に進出
カンファレンス開催の数日前、CoreWeaveは自社のAIオブジェクトストレージにリージョン横断の書き込み高速化とアーカイブ階層を追加し、データをGPUの近くに置けるようにした1。「待機するGPUは無駄なGPU」——それがVASTのテーゼであり、そのクラスタでVASTの名を広めた当の顧客が、いまそれを社内で再構築した。
プラットフォーム攻勢の裏で燃える資金
CoreWeave、設備投資が8四半期連続で売上高を上回る
- 売上高
- 設備投資
Data
| 売上高 | 設備投資 | |
|---|---|---|
| 24年7~9月 | $0.58B | $1.22B |
| 24年10~12月 | $0.75B | $3.5B |
| 25年1~3月 | $0.98B | $1.41B |
| 25年4~6月 | $1.21B | $2.45B |
| 25年7~9月 | $1.37B | $2.39B |
| 25年10~12月 | $1.57B | $4.06B |
| 26年1~3月 | $2.08B | $7.7B |
| 26年4~6月 | $2.58B | $6.42B |
CoreWeaveの設備投資は、決算が出ている直近8四半期のすべてで売上高を上回った。2026年4~6月期だけでも、設備投資64億ドルに対して売上高は26億ドルだった9。続く9月17日には資金調達が行われた。当初30億ドル規模から増額した利率2.875%、2033年償還の37億ドル転換社債に加え、最大3500万株を対象とするATM(At the Market)増資プログラムも打ち出した51。経営陣によれば、3~6カ月契約の短期取引は現在、1メガワット当たり4000万ドルで成立しているという1。
VASTの業績は依然堅調
VASTはフリーキャッシュフローがプラスで、売上高は前年比でおよそ3倍に伸びている。コンフィデンシャルAI製品「DataEnclave」は、2027年1~3月期にシスコとスーパーマイクロを通じて出荷される36。パートナーネットワークの構築はVASTの駆逐を意味しないし、Forgeは開発者向けのレイヤーであって、ペタバイト級のファイルシステムでもない。だが両社のロードマップが今追っているのは同じ約束だ。すなわち、コンピュート(計算資源)から決して離れないデータである。
同じ資金、二つの金利
VASTの最も新しいチャネルパートナーであるSharonAIはDataEnclaveをオーストラリアとアジア太平洋地域で展開しており、その資金を賄うため10月1日、GPUを担保に9.95%の金利で3億5600万ドルを借り入れた78。VASTの拡大を支えるのは9.95%の借入金、CoreWeaveを支えるのは2.875%の社債だ58。データ層を手中に収めるのは、最も安く借りられる者になる。次の読みどころはVAST自身で、銀行筋には2026年下半期かそれ以降にIPO(新規上場)が実現する可能性があると伝えられている3。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



