ビザの新ステーブルコイン決済レール、取扱高の0.14% それでも株価は1年ぶり高値
米ビザの送金部門ビザ・ダイレクトは10月15日、ステーブルコイン「USDC」を原資とする越境送金の商用提供を開始し、19日には新たな提携先2社を加えた。ブロックチェーンデータ企業のAlliumは新レールの規模を年間換算で200億ドルと試算する。カード取扱高14.2兆ドルに比べれば微々たるものだが、株価は1年ぶりの高値で引けた。
Vincent Jiang · 3 min read
10月15日、ビザ+0.02% — ビザ, up 0.02 percent todayはステーブルコインでの資金供給をパイロット(試験運用)の実験室から表舞台へ移した12。世界最大のカードネットワークの送金部門であるビザ・ダイレクトが商用運用を開始した。資金移動業者やフィンテック企業は、サークルが発行する米ドル建てステーブルコイン「USDC」を使い、越境送金の原資をあらかじめチャージできる。送金は180カ国以上を対象に24時間受け付けられ、受取側は現地通貨で受け取る27。商用化して最初に稼働した処理会社Inyo Globalについて、共同創業者のロブソン・ダンタス氏は「既存のパイプ(送金網)に資金を流す、より速い方法にすぎない」と話す2。この切り替えを率いるのは、ビザ・ダイレクトのグローバル責任者、ヴィラ・プラトノバ氏だ2。
売上計上を前に、株価は1年ぶり高値
市場は、売上が計上されるより先に答えを出した。ビザ株は10月16日に402.61ドルで終え、1年ぶりの高値を更新した。直近12カ月の調整後利益を基準とする株価収益率(PER)は30.9倍だった34。キーバンクは10月19日、目標株価を425ドルから465ドルへ引き上げ、ドイツ銀行も16日に430ドルから470ドルへ引き上げた。さらに10月9~15日にも4行が目標株価を切り上げている4。その土台にあるのは、2025会計年度に1億7500万店の加盟店で14.2兆ドルを処理した決済ネットワークだ5。会計年度第4四半期決算は10月27日に発表される34。
銀行6行、10月9~19日にビザの目標株価を引き上げ
- 旧目標株価
- 新目標株価
Data
| 旧目標株価 | 新目標株価 | Change | |
|---|---|---|---|
| ベアード(10月9日) | $420 | $430 | +2.4% |
| BNPパリバ(10月12日) | $425 | $455 | +7.1% |
| ゴールドマン・サックス(10月13日) | $438 | $439 | +0.2% |
| バーンスタイン(10月15日) | $450 | $475 | +5.6% |
| ドイツ銀行(10月16日) | $430 | $470 | +9.3% |
| キーバンク(10月19日) | $425 | $465 | +9.4% |
新レールは取扱高の0.14%
ブロックチェーンデータ企業のAlliumは2026年第3四半期の決済レポートで、ビザのステーブルコイン決済額を年換算で200億ドル超と推計した6。この額を14.2兆ドルで割ると、話題を集めたこの立ち上げは、前会計年度の取扱高の0.14%にすぎない56。リスクとしてより鋭いのは手数率の格差だ。ステーブルコイン送金のコストは0.01~0.10%で、カード決済は1.5~3.5%。1万ドルのカード決済には約150~250ドルの手数料がかかる7。マスターカード−0.17% — マスターカード, down 0.17 percent todayは対抗して、決済レールごと買い取る道を選んだ。相手はステーブルコインのインフラ企業BVNKで、買収額は最大18億ドル。3月に発表し、8月に完了した。ビザが自社のスイッチを入れたのと同じ木曜日、初のBVNK統合となる「グローバル・マネー・プラットフォーム」(Global Money Platform)の稼働を始めた78。一方のビザは借りる戦略だ。8月から稼働する決済プロバイダーのZero Hashに続き、Inyo Global、StraitsX、Meshが並ぶ259。
決済は45%増、供給は横ばい
需要は本物だ。1~9月のステーブルコイン決済額は45%増の4820億ドルに達した一方、供給額は0.4%増の3050億ドルにとどまった。決済件数は71%増え、1件あたりの平均送金額は544ドルから462ドルに減った6。ビザはステーブルコイン連動型のカードプログラムを160以上運用し、取扱高は200%近く増えた。業界全体でも、ステーブルコインを原資とするカード利用額は当四半期に約10倍の39億ドルに膨らんだ6。10月19日にはStraitsXが、年換算60億ドルのカード利用を基盤に、100以上の市場でステーブルコイン担保型のカード発行を始めた9。Meshはウォレット残高を、ビザの加盟店であればどこでも使えるようにした5。
強気材料はほかにもある
10月、ビザが手にしたのはステーブルコインだけではない。10月13日には中国人民銀行が国内決済の準備を認め4、7月の人員削減には5億6300万ドルの費用が伴う4。さらに純利益率は8四半期連続で47.5~55.3%の間で推移している10。それでも、ゼロに丸めてしまうほど小さい基盤での200%増には、14.2兆ドルを動かす力はない。手数率1.5~3.5%の決済レールから上限0.10%程度のレールに移った1ドルは、ネットワークに支払う額が、置き換えたカードより少なくなる57。
純利益率は8四半期連続で47.5~55.3%で推移
Data
| 純利益率 | |
|---|---|
| 24年度3Q | 55.3% |
| 24年度4Q | 53.8% |
| 25年度1Q | 47.7% |
| 25年度2Q | 51.8% |
| 25年度3Q | 47.5% |
| 25年度4Q | 53.7% |
| 26年度1Q | 53.6% |
| 26年度2Q | 48.4% |
初の答え合わせは10月27日
提供開始、提携先の追加、そして買い気が初めてそろうのが会計年度第4四半期の決算だ3。決着を左右するのは2つの開示になる。1つはステーブルコインの取引額の数字が出てくるかどうか。もう1つは、新しい決済レールがいくらを生むのかをビザ自身がどう語るかだ。連邦のステーブルコイン法「GENIUS法」(GENIUS Act)は2027年1月18日に施行される2。プラトノバ氏は来週、米国の大手決済カンファレンス「Money20/20 USA」で導入の状況を発表する2。同社株にはカードネットワーク並みの株価倍率が乗る。だが、カードの手数料が最大3.5%であるのに対し、新レールが取れるのは最高でも0.1%だ37。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



