無名の米ワイオミング州ファンド、急騰204%の頂でテクノプローブ株3%を相対取得
イタリア証券取引委員会(コンソブ)への届出で、米ワイオミング州に住所を置く私募ファンドが、約13億ユーロの相対(オフマーケット)ブロック取引でテクノプローブ株の議決権3.18%を取得していたことが分かった。テラダインのCEOが同社の取締役を辞任して数日後で、JPモルガンが目標株価45ユーロを提示したのと同じ朝の出来事だ。
Vincent Jiang · 3 min read
気配板に載らぬ10億ユーロ級ブロック
10月6日、誰かがテクノプローブ株の3%を相対でクロスした。ボルサ・イタリアーナ(イタリア証券取引所)の気配板には注文が一つも出ていない。コンソブのフォーム120によると、ジェフリー・ダフ・ボールドウィン氏は議決権の3%届出基準を超える3.18%を保有し、相対で取得した3537万株を握っている1。当日朝の株価は37.16ユーロで、年初来204.43%高だった1。
大半はファンド名義
届出日の株価で計算すると、3537万株×37.16ユーロで約13億ユーロになる1。このうちボールドウィン氏自身の名義は5万4000株にとどまり、3531万株はVector Line Capital Fund II LP名義だ1。9人のアナリストがすでに「買い」評価をつけており、平均目標株価は42.11ユーロだった1。
買い手の痕跡はワイオミング州ジャクソンのフォームDだけ
Vector Line Fund IIはデラウェア州設立で、住所を米ワイオミング州ジャクソンのウォータークレス・レーンに置く。米証券取引委員会(SEC)への届出は、2026年5月15日付のフォームD(免除対象オファリングの届出)と9月17日付の修正の2件しかない2。その修正から3週間後、同ファンドは年初から株価が3倍になったAI向けテスト株の10億ユーロ級ブロックを握っていた。
タイミングには引っかかるものがある。9月29日、2023年からテラダインの社長兼CEOを務めるグレッグ・スミス氏が、個人的な理由でテクノプローブの取締役を辞任した。後任が決まるまで在任する形だが、非独立取締役で株式は保有していなかった34。テラダインの10%出資は、2023年に自社のデバイスインターフェース事業をテクノプローブへ移管した一連の契約に伴うものだ5。フォーム120には買い手が記されている。売り手は記されていない。
JPモルガンが示す「新規マネーの中身」
同じ朝、JPモルガンのクレイグ・マクドウェル氏は投資判断をオーバーウェイト(増持)で開始し、目標株価を45ユーロとした。2028年のEBIT(利息・税引前利益)推計の28倍を下敷きにした水準だ67。その土台にあるのは、売上高が2025年の6億2800万ユーロから2027年に16億6000万ユーロへ増え、調整後EBITが1億3600万ユーロから8億1000万ユーロへ膨らむという見通し。垂直型MEMSテストで60%のシェアを握るという主張、そして2027年1~3月期末までに年16億ユーロのランレート(年換算の供給ペース)を賄える生産能力である7。
JPモルガンの45ユーロ、「EBIT2年で6倍」が前提
- 売上高
- 調整後EBIT
- Estimate
Data
| 売上高 | 調整後EBIT | |
|---|---|---|
| 2025年度 | €628m | €136m |
| 2026年度(推計) (estimate) | €1,090m | €449m |
| 2027年度(推計) (estimate) | €1,660m | €810m |
カギは株価ではなく推計の実現
JPモルガン自身も、この倍率には半導体製造装置の同業他社に比べたプレミアム(割高)が乗っていると認めており、その成長と利益率が実現して初めて正当化されるとしている7。アナリストのコンセンサス判断は、レポート公表前の段階ですでに「買い」だった1。つまり、買い手の優位は株価の割安さではなく、推計の実現にある。だが、どの届出を見ても、テラダインが1株でも売却したことを示す記録はない。取締役会を去った理由は、公式にはあくまで個人的なものだ3。
急騰でアナリストの上値余地は大半が消えた
- Estimate
Data
| Value | |
|---|---|
| 10月6日の株価 | €37.16 |
| 平均目標株価(アナリスト9人) (estimate) | €42.11 |
| JPモルガンの目標株価 (estimate) | €45.00 |
決着は11月10日
テクノプローブは11月10日、第3四半期(7~9月期)決算を発表する。今回の新規ブロックが初めて値洗いされる決算だ1。見るべき扉は2つある。Vector Lineが5%へ向かう過程で再び届け出るかどうか、そしてテラダインがスミス氏の残した椅子に誰を送り込むか3。ブロックは204%の急騰のてっぺんで成立した。次は誰かが、四半期の数字を届ける番だ。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



