Base Power、イリノイ州で95ドルの蓄電池販売──1万1760ドルのリベートは同社が確保
Base Powerのイリノイ州での契約は、リベートも系統からの収入もすべて会社の手に帰し、住宅側には渡らない。見返りは供給料金の割引と12年の拘束だ。投資家は8月、この"マシン"に130億ドルの値を付けた。
Vincent Jiang · 3 min read
95ドルの蓄電池、ComEdの縄張りに乗り込む
プレインフィールドやジョリエットの住宅なら、95ドルで39.2kWhの蓄電池を家に取り付けられる。そのバックアップ電源を、Base自身の販促は1万3000ドルする家全体用の自家発電機になぞらえる13。小売事業のBase Retailは2026年6月24日、供給業者ライセンス26-0121を取得してComEd管内で営業を開始した。設置料は最初の2000件が95ドル、以降は295ドルだ12。ComEdの比較基準価格(プライス・トゥ・コンペア)は10月1日、1kWh当たり10.103セントへ改定され、展開初週のうちにこのプランの価格は目の前で書き換わった14。
リベートこそがビジネスモデル
Base自身の売り文句は「稼ぐのは系統からで、お客様からではない」。その方法は、公開レビューで一行ずつ読み解かれたバッテリーサービス契約(Battery Services Agreement)に書いてある。契約はBaseに「税額控除、リベート、インセンティブの一切」を取得する権利を与え、住宅用蓄電池向けには1kWh当たり300ドルのComEd分散型電源リベート(Distributed Generation Rebate)を挙げている13。39.2kWhでは一世帯当たり約1万1760ドルになる。住宅用の満額レートによるレビュー筆者の計算で、Baseの公表数字ではない1。機械を抱えるのは家庭。書類とキャッシュフローはBaseの手に残る。
Baseが蓄電池1台当たり確保するリベートは、95ドルの設置料の約124倍
- Estimate
Data
| Value | |
|---|---|
| 設置料(最初の2000件) | $95 |
| 設置料(標準) | $295 |
| 中途解約手数料 | $500 |
| Baseが確保するComEd蓄電池リベート (estimate) | $11,760 |
12年契約、出口には一枚の請求書
電力供給契約は24か月で、手数料なしに解約できる。一方の蓄電池契約は12年に及び、その間ずっとBaseから電力を買い続けることが条件だ15。契約の途中で離れる場合、Baseが機器を回収するときの費用は500ドル。回収できないときは公正市場価格の支払いとなり、契約書はその額が「1台当たり1万ドルを超える可能性がある」と記す1。同じ契約は自治体一括調達(ミュニシパル・アグリゲーション)プログラムへの参加を禁じるほか、紛争はオースティンでの拘束力ある仲裁に服すると定めている1。
太陽光パネルを設置した世帯には、一番悪い席が回ってくる。Baseのネットメータリング特約(Net Metering Addendum)が余剰電力に付すクレジットは1kWh当たり3.48セント。ComEdが既定供給(デフォルトサービス)で支払う供給クレジット8.413セントの半分以下だ。Base自身も、乗り換えは「ComEdを供給業者として使い続けるよりもコストがかかる可能性がある」と認めている145。
Baseが太陽光余剰電力に払うのは3.48セント、他のどの料金の半分にも満たない
Data
| Value | |
|---|---|
| ComEd比較基準価格 | 10.1¢ |
| Base ピーク時(標準区分) | 8.6¢ |
| ComEd太陽光余剰クレジット | 8.41¢ |
| Base オフピーク時(標準区分) | 8.3¢ |
| Base ピーク時(創設メンバー区分) | 7.58¢ |
| Base オフピーク時(創設メンバー区分) | 7.38¢ |
| Base太陽光余剰クレジット | 3.48¢ |
割引は本物、ただし請求書のすべてではない
出回っている割引は2種類で、マーケティングが見せるのは1つだけだ。創設メンバー区分は比較基準価格からピーク時に25%、オフピーク時に27%引きとなり、契約上の算定式では10月1日以降おおむね7.58セントと7.38セントになる12。Baseが公表するイリノイ州の料金表にある8.6セントと8.3セントは標準区分で、改定後の基準価格よりそれぞれ15%、18%低い。対象は最初の2000件以降に設置するすべての世帯だ23。
いずれの区分でも、保証が効くのは供給部分だけだ。配電料――系統計画のたびに値上がりしていく費目――は、この保証では動かない13。本件で利害を有さないイリノイ州の消費者団体「Citizens Utility Board」(CUB)は、大半の代替供給プランと違って両プランとも比較基準価格を下回る節約を保証している点や、同州のCRGA法が新設の発電所より安い代替として蓄電池の系統サービスに報酬を支払っている点を指摘する5。ただし同団体の注意喚起も同じQ&Aにある。「両プランとも、10年を超えて供給プランと物理的な蓄電池に顧客を縛りつける」5。
130億ドルは何を買っているのか
Baseは8月、評価額130億ドルで10億ドルを調達した。累計調達額は25億ドルを超える。出資側にはRibbit、Addition、JPモルガンの戦略投資グループ(Strategic Investment Group)が並び、ザック・デルの父マイケル・デルの名はない67。このラウンドが後押しとなり、オースティンのスタートアップの調達額は単四半期として過去最高の56億ドルに達した7。Baseの世帯数は3万戸を超え、8月上旬の蓄電池2万3000基超から増えている36。
誰も公表していない数字がある。評価額が立脚するのは、ほかでもないその数字だ。12年間縛り付けた世帯で構成し、リベートを原資に回す契約ポートフォリオが、いったいどれだけの価値を持つのか。95ドルの設置料は、電力ビジネスにおける最安の顧客獲得かもしれない。だが堀の役割を果たすのは解約条項である。
Deepdive
AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.



