セントラス、遠心分離機の筐体を手掛けるウェスターマンを1億1600万ドルで買収

ウラン濃縮会社のセントラス・エナジーは10月16日、従業員株主から部品メーカーのウェスターマン・ホールディングスを約1億1600万ドルで買収した。うち9500万ドルは手元資金。その現金が払い出されたのは、同社が一般投資家向けに計5億ドルの株式・新株予約権(ワラント)セットを売り出してから5週間後のことだった。

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Vincent JiangVincent Jiang · 3 min read
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大西洋評議会グローバル・エネルギー・センターでのパネルディスカッションで発言するセントラス・エナジーのアミール・ヴェクスラー最高経営責任者(CEO)
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2026年9月、ニューヨークで開かれた大西洋評議会の原子力エネルギー政策サミットに出席したセントラス・エナジーのアミール・ヴェクスラーCEO

オハイオ州パイクトンで米国のウラン濃縮能力の再建を進めるセントラス・エナジー+0.99% — セントラス・エナジー, up 0.99 percent today(ニューヨーク証券取引所上場、コードLEU)は10月16日、ウェスターマン・ホールディングス(Westerman Holdings)の買収を完了した。10月19日(月)に米証券取引委員会(SEC)へ提出した8-Kで市場に伝えた1。価格は約1億1600万ドル。うち9500万ドルを手元資金、2100万ドルをA種株式で支払う1。AI企業は原子炉の出力を次々と囲い込んでいく。グーグルがアイオワ州で結んだ25年契約も、コンステレーション・エナジーとの89万キロワット規模の契約もその一環だ。その裏側では、燃料供給網の再編が動き始めている23。

売り手のベンチュラ・トラスト(Ventura Trust)は、従業員のために同社を保有する仕組みである「ウェスターマン従業員持株信託(Westerman Employee Stock Ownership Trust)」の受託者としての役割のみを担った1。ウェスターマンは1909年創業で、オハイオ、オクラホマ、ワイオミングの3州に4つの工場を構え、約400人が働く。遠心分離機の筐体や、濃縮の原料ガスである六フッ化ウラン(UF6)を収めるシリンダー、石油・天然ガス機器を製造している1。セントラスは同社を「最大級かつ最も多様なサプライヤーの一つ」と説明する1。

連鎖はデータセンターから始まる

AIの建設ラッシュが燃料供給網を張り詰めていく。6月、原子炉開発会社のオクロ+2.20% — オクロ, up 2.20 percent todayは、セントラスが次世代原子炉が必要とする燃料、高濃縮度低濃縮ウラン(HALEU)を2029年からパイクトンで供給することで意向書に署名した。供給量はメタ−2.11% — メタ, down 2.11 percent todayが支援する、オハイオ州で計画中の出力120万キロワットの拠点にある原子炉5基分に相当する4。

この日程に間に合わせるため、セントラスはテネシー州オークリッジの工場で、45フィート(約13.7メートル)の「AC100M」遠心分離機を数千基製造する体制を急ピッチで整えている。この規模への拡大は、同社によれば米エネルギー省の9億ドル規模の発注(タスクオーダー)が支える4。ウェスターマンはすでに、この遠心分離機を収める筐体を作っている1。8月、ウェスターマンはオハイオ州での拡張に5,150万ドルを投じると表明した。うち4,500万ドルはヒーブロンの新工場で、州の経済開発機関ジョブズオハイオによれば、主にパイクトン拡張計画への対応を目的に設けられた5。

弾薬代を払ったのは株主

セントラスは、買収が初年度から調整後1株当たり利益(EPS)を押し上げ、数十億ドル規模の濃縮能力の拡張を下支えすると説明する。あくまで同社自身の予想である1。現金を払い込んだのは株主だ。セントラスは9月9日、株式と新株予約権(ワラント)計5億ドルの引受売出しの価格を1単位当たり199.64ドルに決定した6。2日後には8-Kで交渉の最終段階に入ったことを開示。相手は社名を明かしていない米国内のサプライヤーで、買収額は1億1,500万〜1億2,500万ドル、2025年の売上高は約1億6,000万ドルとしている7。

セントラスの現金、3年で10倍 ウェスターマンが初の大型取り崩し

$0B$0.5B$1B$1.5B$2B23年10〜12月24年4〜6月24年10〜12月25年4〜6月25年10〜12月26年4〜6月$1.87Bウェスターマンの現金9,500万ドル分を取り崩し
Data
現金および現金同等物
23年7〜9月$0.18B
23年10〜12月$0.2B
24年1〜3月$0.21B
24年4〜6月$0.23B
24年7〜9月$0.19B
24年10〜12月$0.67B
25年1〜3月$0.65B
25年4〜6月$0.83B
25年7〜9月$1.63B
25年10〜12月$1.96B
26年1〜3月$1.87B
26年4〜6月$1.87B
四半期末の現金および現金同等物(10億ドル単位)。セントラス・エナジーのSEC提出書類による8

ウェスターマンがこの相手である可能性は極めて高い。成立価格は9月の開示が示した金額幅に収まり、この対象に想定された売上高の1倍未満だからだ71。代金のうち、セントラスはウェスターマンの劣後債3,150万ドルを償還し、期限付き融資(タームローン)1,270万ドルを返済。さらに売り手側の取引費用1,050万ドルも負担した1。

保証は放棄、保険で代替、株は売却枠付き

保証は買収完了とともに消えた。セントラスは詐欺があった場合を除き、完了後に保証を根拠とする請求をすべて放棄した。代わりに買い手側の保険で補償を確保し、主力社員との引き留め契約も結んでいる1。信託が受け取った2,100万ドル相当の株式には、再販用シェルフ登録を行うとの約束が付く。これがもたらす売り圧力(オーバーハング)は小さく、時期も決まっている1。

同じ機械工場を巡る二つの見方

弱気筋の論理は機械的だ。ウェスターマンの石油・天然ガス関連は景気変動に連動する産業用機械の受注生産で、景気連動型の産業収益にはコモディティ並みのマルチプル(株価倍率)しか付かない。一方、希少な濃縮能力には希少性プレミアムが付く。両者が混ざれば、市場はセントラスの一部を町工場並みに値付けする理由を得て、投資家がLEU株に払ったプレミアムを薄めることになる。これが弱気筋の議論だ1。

強気筋の計算の中心にあるのは2029年だ。筐体が出揃わなければ危うくなるのは、オクロへの燃料供給、米国初の新規大規模ウラン濃縮能力、そして設備投資が引き出し始めたばかりの19億ドルの現金に支えられた工程表である48。四半期の設備投資は2026年4~6月期に7,200万ドルに達した。2年前は100万ドルだった8。

設備投資が現金の山をようやく削り始めた 四半期100万ドル→7,200万ドル

$0M$20M$40M$60M$80M23年10~12月24年4~6月24年10~12月25年4~6月25年10~12月26年4~6月遠心分離機の増産が進行中
Data
四半期設備投資
23年7~9月$0M
23年10~12月$1M
24年1~3月$2M
24年4~6月$1M
24年7~9月$1M
24年10~12月$1M
25年1~3月$2M
25年4~6月$4M
25年7~9月$4M
25年10~12月$10M
26年1~3月$23M
26年4~6月$72M
四半期別設備投資(単位:百万ドル)。遠心分離機の増産は2025年後半から数字に表れている。出所:セントラス・エナジーのSEC提出書類の四半期値9

今後の注目点

メタのデータセンターから遠心分離機の筐体に至る燃料供給網で、外部の独立企業との契約が一つ減った。注目したいのは二つある。SECの開示データベース「EDGAR」に出てくる信託の再販登録は、この売り圧力の最初の試金石になる。もう一つはヒーブロンで、ここでの筐体の生産は、パイクトンの2029年供給が工程どおりに進むかを映す最も早い公的なバロメーターだ。

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AI-generated from this story and its cited sources. Not investment advice.

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